【6月11日開幕!第15回】トロント日本映画祭@カナダ日系文化会館
北米最大級の日本映画祭の一つとして知られるトロント日本映画祭(Toronto Japanese Film Festival)が、今年も開幕する。話題作から社会派作品、ドキュメンタリー、アニメーションまで、多彩な日本映画がトロントに集結。さらに今年は、石井裕也監督、呉美保監督、片岡志帆監督の3名が来加し、舞台挨拶やQ&Aも予定されている。
チケットは現在発売中で、すでに完売となった作品も出始めている。ここでは、まだチケット購入が間に合う注目作・話題作を紹介する。

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日本から監督3名が訪加舞台挨拶とQ&Aを予定

6月13日(土)石井裕也監督
1983年埼玉県生まれ。大阪芸術大学在学中から頭角を現し、日本映画界を代表する映画監督の一人として独自の存在感を放ってきた。卒業制作『剥き出しにっぽん』(2005年)でぴあフィルムフェスティバル(PFF)グランプリを受賞。2008年にはアジア・フィルム・アワード第1回エドワード・ヤン記念新人賞を受賞した。
その後、『川の底からこんにちは』(2010年)で国際的な注目を集め、『舟を編む』(2013年)は日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞。さらに『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(2017年)はキネマ旬報ベスト・テン第1位に選ばれるなど、高い評価を獲得してきた。2014年公開の『バンクーバーの朝日』では、第33回バンクーバー国際映画祭観客賞を受賞している。
近年は、『愛にイナズマ』(2023年)、『月』(2023年)、『本心』(2024年)などを発表。孤独や尊厳、テクノロジー、現代社会における脆弱な人間関係を主題に据え、鋭い視点から描き続けている。

『人はなぜラブレターを書くのか』
【あらすじ】 2000年3月に発生した地下鉄脱線事故にまつわる奇跡のような実話をもとに描いたドラマ。2024年、定食屋を営む寺田ナズナは、ある青年に宛てて手紙を書く。24年前、17歳のナズナは、いつも同じ電車で見かける高校生・富久信介にひそかな恋心を抱いていた。信介は進学校に通いながらプロボクサーを目指し、学校帰りにボクシングの練習に打ち込む日々を送っていた。そんな彼らに、運命の日である2000年3月8日が訪れる。そして2024年、信介の家族の元にナズナからの手紙が届く。父・隆治は手紙の中に亡き息子の生きた証を確かに感じ、息子の知られざる青春の断片と成長を知る。
6月20日(土)呉美保監督

1977年三重県生まれ。在日韓国人3世。大阪芸術大学卒業後、大林宣彦監督のもとで脚本家としてキャリアをスタートした。2006年、『酒井家のしあわせ』で長編映画監督デビュー。続く『オカンの嫁入り』は、釜山国際映画祭をはじめ国内外の映画祭で上映された。
2014年公開の『そこのみにて光輝く』は、自身のキャリアにおける大きな転機となり、多くの映画賞を受賞。同作はトロント日本映画祭(TorontoJFF 2014)でも上映され、大きな注目を集めた。2015年には『きみはいい子』(TorontoJFF 2015)を発表。その後、約9年間にわたり映画制作から距離を置いていたが、2024年、『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(TorontoJFF 2025)で監督活動を再開した。
最新作『ふつうの子ども』も批評家から高い評価を受けており、現在は世界各地の国際映画祭で上映・紹介が続いている。

『ふつうの子ども』
【あらすじ】 『そこのみにて光輝く』『きみはいい子』の監督・呉美保と脚本家・高田亮が3度目のタッグを組み、現代を生きる子どもたちの日常を生き生きと描いた人間ドラマ。
10歳の小学4年生・上田唯士は両親と3人家族で、おなかが空いたらごはんを食べる、ごくふつうの男の子。最近は、同じクラスの三宅心愛のことが気になっている。環境問題に高い意識を持ち、大人にも物怖じせず声をあげる心愛に近づこうと奮闘する唯士だったが、彼女はクラスの問題児・橋本陽斗にひかれている様子。そんな3人が心愛の提案で始めた“環境活動”は、次第に親たちも巻き込む大騒動へと発展していく。
中心の3人の子役以外のクラスメイト役にはオーディションで選ばれた子どもたちを起用し、ワークショップを通して共通の時を過ごしながら、呉監督とともにそれぞれのキャラクターをつくりあげた。
6月24日(水)片岡志帆監督

本作では監督、プロデューサー、撮影、編集を手がけた。京都近郊の小さな村に生まれ、四国にゆかりの深い家庭で育った。子どもの頃は、おもちゃに囲まれた環境ではなかったものの、手作りの人形で遊び、自ら漫画を描き、学校の劇に出演するなど、創造性に富んだ幼少期を過ごしたという。こうした原体験が、後の創作活動へと繋がっていった。
1993年に渡米し、ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アーツ(SVA)で映画制作を学ぶ。卒業後は、NHK、FCI、CCTVなどアジアの主要テレビ局で番組制作に携わり、2005年には自身の制作会社「Some Days Films(旧 Cucumber Productions)」を設立。テレビ番組制作と並行しながら、自身の映像作家としての活動を本格化させた。
その手腕は高く評価されており、2009年にはNHKのドキュメンタリー番組『ホスピタル・ラジオ』および『たのしい放課後理科クラブ』で、アメリカのテリー賞を受賞している。

【あらすじ】 毎年、四国には「四国遍路」を目指して何千人(15万人〜20万人)もの旅人が訪れる。九百年以上にわたり、人々は日本仏教に大きな足跡を残した弘法大師・空海の足跡をたどり、88の札所を結ぶ約1200キロの道のりを歩いてきた。本作は、そうした巡礼の道を現代に歩む4人の姿を見つめた、静かな瞑想性をたたえるドキュメンタリーである。疲労、孤独、あるいは言葉にならない幻滅をそれぞれに抱えた彼らの歩みを、片岡志帆監督が四国の穏やかな風景と寺々のたたずまいの中に美しく映し出す。
まだチケット購入が間に合う10選
登壇予定の監督作品、8月上映作品以外でも、まだまだ見逃せない作品がたくさんある。なお、本誌5月号でも上映作品を紹介しているのでそちらも要チェック!
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6月12日(金)『東京逃避行』

秋葉監督自身が歌舞伎町で過ごした経験をもとに執筆したオリジナル脚本で描き出す。

李相日監督 × 吉沢亮 × 横浜流星 × 渡辺謙という超重量級布陣。歌舞伎の世界を描く175分の大作
6月18日(木)『国宝』
吉田修一の同名原作の実写映画化。国内で数々の賞を獲得し、第98回米国アカデミー賞で「メイクアップ&ヘアスタイリング賞」にもノミネートされた。

誰も見たことのない禁断の「歌舞伎」の世界。血筋と才能、歓喜と絶望、信頼と裏切り。もがき苦しむ壮絶な人生の先にある“感涙”と“熱狂”。何のために芸の世界にしがみつき、激動の時代を生きながら、世界でただ一人の存在“国宝”へと駆けあがるのか?圧巻のクライマックスが、観る者全ての魂を震わせる。
『秒速5センチメートル』の実写版。
大人になった二人を演じる松村北斗と高畑充希に注目!
6月13日(火)『秒速5センチメートル』
『君の名は。』『すずめの戸締まり』の新海誠監督による2007年公開の劇場アニメーション『秒速5センチメートル』の実写映画化。
思春期から大人になるまでの時間を通して、心が離れていく繊細な速度、桜の花びらが落ちるのと同じ「秒速5センチメートル」で進む感情の移ろいを描く。繊細な演技と美しい映像表現によって、時間や偶然、そして距離によって形づくられる、切なくも美しい愛の姿を捉えた作品。
浜辺美波 × 目黒蓮が紡ぐ、優しくも切ない感動作
6月21日(日)『ほどなく、お別れです』

ファンタジー要素を取り入れつつ、『おくりびと』で描かれた日本の伝統的な葬儀文化にも通じる世界観を描いた作品。
導かれるように葬儀会社「坂東会館」のインターンとして漆原とタッグを組むことになった美空は、一片の隙もなく冷酷とさえ思える彼の厳しい指導に心が折れそうになる。しかし同時に、誰よりも真摯に故人と遺族に寄り添う漆原の姿勢に気付き、出棺の際に優しく「ほどなく、お別れです」と告げる姿に憧れを抱いていく。やがて美空と漆原は様々な家族の葬儀に直面する。高度経済成長期の日本で実際に起きた「ブルーボーイ事件」を題材に、自らもトランスジェンダーであることを公表している飯塚花笑監督が、性別適合手術の違法性を問う裁判に関わった人々の姿を描いた社会派ドラマ
6月16日(火)『ブルーボーイ事件』


松たか子 × 松村北斗が紡ぐ、“もう一度会いたい”物語。
時間と記憶をめぐる、大人のラブストーリー
6月13日(土)『ファーストキス』

コメディ、ロマンス、ファンタジーを巧みに融合させた、批評家・観客の双方から高い評価を受けた話題作。妻が夫の死を回避しようと、『恋はデジャ・ブ』さながらにタイムループを繰り返す物語が描かれる。笑いと涙が交錯する本作は、松たか子と松村北斗が非常に魅力的なコメディ演技を披露している点でも注目。


【あらすじ】 『花束みたいな恋をした』『怪物』の脚本家・坂元裕二と『ラストマイル』『わたしの幸せな結婚』の監督・塚原あゆ子が初タッグを組み、オリジナルストーリーで描いた恋愛映画。
結婚して15年になる夫を事故で亡くした硯カンナ。夫の駈とはずっと前から倦怠期が続いており、不仲なままだった。第二の人生を歩もうとしていた矢先、タイムトラベルする手段を得たカンナは過去に戻り、自分と出会う直前の駈と再会。やはり駈のことが好きだったと気づき、もう一度恋に落ちたカンナは、15年後に起こる事故から彼を救うことを決意する。
6月15日(月)『旅と日々』

『ケイコ 目を澄ませて』(22)、『夜明けのすべて』(24)などで映画賞を席巻し、現代日本映画界を牽引する三宅唱監督の最新作。


恋愛や友情、仕事の同僚でもない、名のない関係性の登場人物たち。人と人、その背景にある時間と空気までをも丁寧にすくい取る。旅先での小さな出会いが、ほんのちょっと、それでも確かに人生を変えることがある。
6月23日(火)『平場の月』

大人の男女の心の機微を繊細に描き、第32回山本周五郎賞を受賞した朝倉かすみの同名恋愛小説の実写化。
6月20日(土)『かくかくしかじか』

笑いと涙で人生を描き、日本中を励まし続ける伝説の漫画家・東村アキコ。その東村が描いた自身の【実話】を映画化。
【あらすじ】宮崎、石川、東京と3つの街を舞台に送る。人生を変えた恩師とのかけがえのない日々が鮮やかによみがえる。宮崎県に暮らす、お調子者でぐうたらな女子高生の林明子は、幼い頃から漫画が大好きで、将来は漫画家になりたいという夢を抱いている。その夢をかなえるべく美大進学を志す明子は、受験に備えて地元の絵画教室に通うことになった。そこで出会ったのが、竹刀片手に怒号を飛ばすスパルタ絵画教師の日高先生だった。何があっても、どんな状況でも、生徒たちに描くことをやめさせない日高。一方の明子は、次第に地元の宮崎では漫画家になる夢をかなえることはできないと思うようになっていき、日高とすれ違っていくが……。
6月20日(土)『てっぺんの向こうにあなたがいる』

吉永小百合の124本目となる映画出演作で、女性で初めて世界最高峰エベレストの登頂に成功した登山家・田部井淳子をモデルに、人生のすべてを懸けて“てっぺん”に挑み続けた女性登山家の姿を描いたドラマ。
8月にもトロント日本映画祭として2本の邦画が上映!
8月8日(土)『木挽町のあだ討ち』
仇討ち事件の真相を追う田舎侍・加瀬総一郎役で柄本佑が主演を務め、森田座で謀略を巡らせる立作者・篠田金治を渡辺謙が重厚に演じる。仇討ちを成した者・伊納菊之助役で長尾謙杜(なにわ男子)、菊之助の父を手にかけ仇討ちされた無法者・作兵衛役で北村一輝、森田座の木戸芸者・一八役で瀬戸康史、森田座の立師・相良与三郎役で滝藤賢一、女形で衣裳方の芳澤ほたる役で高橋和也、小道具方の久蔵役で正名僕蔵が共演。テレビドラマ「忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段」などの時代劇や映画「大停電の夜に」で知られる源孝志が監督・脚本を手がけた。
8月9日(日)『長崎 閃光の影で』






















