オンタリオ州議事堂にて日・オンタリオ州関係祝賀レセプションが開催
6月4日、伊藤恭子総領事は、日・オンタリオ州の関係を祝うレセプションをオンタリオ州議事堂にて開催し、州議会の主要政党を代表する議員、日系企業と経済・文化分野をはじめとする日系コミュニティに関係する人々が参加した。
冒頭では、リック・ニコルズ州議会副議長が伊藤総領事をカナダと日本の文化的相違点に関して議論をしあう「良い友達」であると説明し、また日本は民主主義の原則である「法の支配」と人権擁護、そして自由市場経済を推進するグローバル経済のリーダー的存在であり、オンタリオ州の経済発展、雇用拡大にも大きく貢献していると述べた。
ニコルズ氏に続いて、伊藤総領事は参加者へ感謝の気持ちを述べ、このレセプションは日・オンタリオ州の有益な関係について熟考する機会になると述べた。今年5月に新天皇が即位し、「美しい調和」を意味する令和の幕開けを迎えたが、その「調和」はオンタリオ州にも州内で働く日系の人々によってもたらされていると述べた。今年はカナダが1929年にアジア地域では同国初となる公使館を東京に開設し90周年となるが、日本とカナダ、そしてオンタリオ州は友好的な関係を結んできたと述べた。また、2018年12月に発行した「CPTPP」はカナダと日本の利益拡大に大きな役割を果たしているとし、日加の経済面での緊密な繋がりが強まっているなか、オンタリオ州は日加交流の中心地として活躍することを期待していると述べた。
オンタリオ州では和食、日本酒、映画、アニメ、ゲーム、音楽、武道、生け花などの日本文化が人々にも受け入れられていると述べ、「文化による調和」をモットーとし、年中様々な文化関連プログラムを提供している日系文化会館についても触れた。そして、在加日系人たちの努力と築いたコミュニティがあってこそ今日の友好的な日加関係があるとも説明した。
また、JETプログラムは日本とカナダの架け橋となる人々を生み出していると述べ、オンタリオ州内の複数の都市が日本と姉妹・友好都市関係を結んでいるほか、50年間交流を行っている都市もあると説明した。スポーツの領域ではアジア初のラグビーワールドカップ2019が今年秋に日本で開催され、来年は東京オリンピックとパラリンピックが開催されるが、オンタリオ州からも多数のファンが日本を訪れることが見込まれる。
最後に、伊藤総領事は日本が戦後約70年間に渡り一貫して平和国家として歩んできたことを誇りに思っていると述べ、政治、経済、学問と文化の中心地であるオンタリオ州は、日本とカナダの関係を強化させるという大きな役割を果たしており、今後も日・オンタリオ州両市民の繁栄と幸福のため、共に協力していくことができると信じていると述べた。
トッド・スミス政府院内総務兼経済開発・雇用促進・貿易大臣は、この場で日加間のビジネス交流・貿易の促進に貢献してきた方々に会えて嬉しいと述べ、グローバル経済のリーダーである日本は、オンタリオ州の日系企業の雇用促進にも貢献していると説明した。カナダが今後も繁栄を続ける為には新たな市場への進出が必要だが、政府の優先事項はオンタリオ州をビジネスの拠点として望ましい州にすることだと述べた。
次にジェニファー・フレンチ州議会副議長が祝辞を述べ、日本の埼玉県に住んでいた頃を振り返った。「オンタリオ州と日本の間に前向きな関係を築くことができてとても嬉しく思います。日本のコミュニティと協力し、強い関係を築きたいです」と日本語で述べ、レセプションを通してビジョンを共有し、関係強化をする素晴らしい夜だと語った。
マリーフランス・ラロンド州議会議員は、4月に安倍晋三首相が緊密な日加関係に向けた土台作りのためオタワを訪れトルドー首相と会談し、日本とのより緊密な連携を発表したことについて触れた。また、オンタリオ州と日本の有効な関係は両国に共通した価値観にあるとした。
最後に、JCCC理事会長・ゲーリー・カワグチ氏は祝辞を述べた後に日系移民史について触れ、日系コミュニティの歴史は約100年ほどだと説明した。日系人三世であるカワグチ氏は、四・五世代の日系コミュニティが栄えており、また日系ビジネスも同じく繁栄していると語り、カワグチ氏による乾杯の発声で一同は日加関係の友好的な関係を祝い、喜びを分かち合った。
取材・記事: 菅原万有