コスメプラウド社代表取締役社長 荒木勝也さん
アメリカと日本で話題沸騰中の基礎化粧品! コスメプラウド社代表取締役社長 荒木勝也さん
「本当に良いものを提供したい」その情熱で品質や効果をとことんまで追及して商品化されたコスメプラウド社の化粧品。現在、アメリカでは直営店のライムライトを初めとした高級ショップやスパ、日本でも三越伊勢丹での外商販売や高級セレクトショップエストネーション、フォーシーズンズホテルスパなどで取り扱われており、このことからも確かな品質が伺える。そのコスメプラウド社代表取締役社長の荒木勝也さんが昨年11月16日にJ-Townにてセミナーを開催。セミナーは日本語・英語の2回に分けて行われ、自社商品説明だけでなく、肌の構造などの説明を交えながらの内容に、聴講者は聴き入っていた。今回は荒木さんに、会社設立からこれまでのお話を伺った。

J-Townで開催されたセミナーにて講義を行う荒木さん
業界研究員たちと個人事業としてコスメプラウドUSAを設立。
以前私はポーラ化粧品の駐在員でニューヨーク支店長を務めていたのですが、会社からの帰国命令をきっかけにポーラ化粧品を退社。業界の研究員たちと新しい化粧品を日本で立ち上げようと、2006年にコスメプラウドUSAを設立しました。
長年化粧品業界にどっぷりと浸かってきた私は、当時でもこの業界がどれだけ厳しいものか身に染みていました。化粧品会社は日本だけでも約1,000社あり、世界には2、3万社存在します。その中でブランドを構築し、勝ち抜いていくというのは至難の技です。さらに我々のように個人事業で巨額の投資もせず、業界の仲間たちが集まって基礎化粧品を作るというのは成功した試しがないと、周囲からは自殺行為だと言われ続けてきました。ですが、それでも我々には自信がありました。「普通の商品を作っても太刀打ちができない。だから特徴のある商品、結果がきちんと出る基礎化粧品を作ろう」というコンセプトを打ち出したのです。
導きだした現在の基礎化粧品の問題点。そしてアメリカを拠点に挑戦が始まる。
まずはじめに仲間と今の基礎化粧品の問題点を掘り下げていったのですが、一番大きなことは「効果がない」ということでした。多くの人が今現在使っている化粧品を「なんとなく」使っていることがわかりました。さらに、今では化粧品がブランド視されるようになってしまい、効果よりも有名人を起用した宣伝広告や会社の知名度などをもとに多くの人が商品を選んでいます。日本では現在、食品会社であるサントリー、そしてヤマダ電機までもが基礎化粧品を展開しているのです。
ですがこういった他業種からの展開が通るのは日本特有のもので、アメリカでは通用しません。アメリカでは、プロが作ったものでないとお客さんは納得しないのです。そうした背景のなか、我々はあえてアメリカの市場で勝負することにしました。アメリカは本当に良い商品だったら、たとえ無名の商品であっても扱ってくれるので、商品の本質が試されます。アメリカでもしうまくいったら、今度は日本に上陸してやろうと考え、日本で製造し、それをアメリカに輸入するという方式を取りました。
苦労を経て、現在の大ブームへ。
最初の4年間はどうしようもなかったですよ。初期投資だけでも僕自身、家を含め多くの私財を費やしました。「もう駄目だな」と思ったときに、クリーム、そして琥珀のローションが売れ出して立て直しました。そして現在、新商品のアイクリームは大ヒットで、生産が追いつかないほどでようやく安定してきたと感じますね。現在ではアメリカと日本、そして中国や韓国にも事業を展開しています。約10年という短い期間で、資本金も巨額でない私たちのような小さな会社がここまでくることができたのは、本当に奇跡だと思います。商品力に加え、これまで培ってきた人脈や経験はとても大きく、感謝の気持ちでいっぱいですね。おかげさまでだんだんと知名度も上がってきましたが、決して欲を出さず、商品にこだわる姿勢を貫いていきたいですね。
荒木 勝也(あらき かつや)
コスメプラウド社代表取締役社長。1983年に渡米。ポーラ化粧品のニューヨーク支店長を17年務めた後退社、2006年にコスメプラウドUSAを設立する。2010年にニューヨークのライムライトマーケットプレイスに出店。2011年に日本のセレクトショップ、エストネーションでの販売を開始。2012年から三越伊勢丹にも出店。