CREATORS’ LOUNGE #26
日本からトロントへ、そしてトロントから日本へ。
日本人の才能をトロントに伝えたい。トロントの表現力を日本へ届けたい。
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CMW Report: Love Music, Love Each Other
By Creators’ Lounge staff Ayaka
【体験レポート: Pickup Hot Events!】
トロントの単なるELS学生の1人である私にとって、この1大イベントのコンファレンスやサミットに参加することは正直少々荷が重いと感じた。なので、この10日間のイベントに関わるに当たり、あくまで純粋に1人の音楽大好きっ子として音楽大好きっ子の目線でこのレポートを書こうと決めた次第だ。というわけで、ここからは私がこのイベントの中で「熱かったな~!」と感じるイベントをピックアップして紹介していきたい。
■ MAY 5, JBE & The OMG presents THIS IS FOR MY CITY – Jully Black
「力強すぎる…!」これが、彼女のライブを終えて私が一番最初に思ったことだ。私はこれが初めて彼女の曲を聴く機会だったのだが、Jully Blackはカナダではとても有名なR&Bシンガーである。2度のプラチナレコード受賞歴と、CBC Musicによる“The 25 Greatest Canadian Singers Ever”にも選出されている。
ライブ中、私は不意に彼女のメッセージに心動かされた。彼女は観客に向かって“we are powerful, we are wonderful, we are free”(私の耳が正しければ!)と呼びかけた。この言葉はなぜだかわからないが、まだ私の耳に残って離れない。でもこの言葉がどれだけの力を持つのかは安易に理解できる。彼女の力強い、まっすぐな声はPhoenix Concert Theatreにいた観客すべてへ届き、その場の空気をピースフルなものへと変えてしまった。私の個人的意見だが、Jullyは21世紀の女性の鏡のように感じた。
■ MAY 8, CHUM FM presents FAN FEST 2015. featuring performances by MAGIC!, KIESZA, COLBIE CAILLAT, LIGHTS, TREVOR GUTHRIE, SHAWN HOOK and FRANCESCO YATES
私はこのイベントに行くまで、これはあくまで熱狂的ファンの人たちにとって最高なものなんだろうなと思っていたが、違った。アーティストの大ファンなんかじゃなくても、十分に楽しめる。実際に私がそれを体験した。私は流行の音楽というものにはあまり詳しくないのだが、広いステージ、たくさんのスポットライト、幾つもの大きなスクリーン…すべてが私の気持ちを掻き立ててくる。特に映像は迫力があったと思う。また、会場はSheraton Centre内にあるGrand Ballroomで、このCMW中に訪れたどの会場よりも大きかったように感じ、豪華な気分が味わえた。あと一つ付け足すとすれば、どのアーティストからもトロントへの愛が感じられたことである。なんだかほっとする気分になり、トロントはいい所なんだなとしみじみ感じることができた。このFAN FESTは毎年開催されているようなので、もし来年やこれから行くことがあるのなら、是非ともお勧めしたいイベントだ !
■ MAY 9, FLOOD MAGAZINE presents – JOEY BADA$$ with special guests
私がDanforth Music Hallについたのは、午後7:30。オープンが7:00だったので、私は遅れている気がしたのだが、ホールの外にはたくさん人が群がり列を作ってまだ待っている状態だった。後から気づいたが、このイベントは年齢制限のないイベントだったからだろう。
JOEYの順番まで、私はHARE SQUEAD, KAYDEE, JAZZ CARTIERといったアーティストのライブを楽しんだ。特に個人的にはJAZZ CARTIERが印象的だった。彼は私と同い年なのだが、私は彼の感情むき出しのラップだけでなくプロ意識にも驚かされた。彼は大きなスクリーンに映像を映し出しながらパフォーマンスをしていた。この手法は彼のラップの世界観や感情を表現するのに効果的だと思われる。
ついにJOEYがステージに現れると、観客みんながステージに詰め寄り、甲高い声を上げ、ホールの温度が一気に熱くなったように感じた。Dj Statik Selektahが奏でる重いビートとベースサウンドがJOEYの声と混ざり合い、さらにサプライズゲストでもう一人のラッパーが登場(残念ながら名前はわかりかねる…)して、二人でラップをした。詰まるところ、JOEYは二年前に自身の所属するPro EraのメンバーでもあるCapital STEEZを自殺という形で亡くしていて、彼に祈りを込めてもう一人のラッパーと共にパフォーマンスした瞬間があった。その時の観客みんながピースを空へ突きだしたあの瞬間は忘れられない。なんせ彼の90’sの匂いがぷんぷんするラップは本当にやばい…!最近彼は自身初のアニューアルフェスティバル“STEEZ DAY”の敢行を発表、さらに2015年FUJI ROCKにもラインナップされているのでこちらも要チェックだ。


【おわりに】
私は通っているELSの友達にCMWのことを聞いてみたが、ほとんどの人はまったく知らなかった。私はもっと多くの人にこの素敵なイベントのことを知ってもらいたいと思う。1,000を超えるライブパフォーマンス、ダウンタウンで毎晩賑わう会場。仮に一般のリストバンドを買えば、10日間ほとんどのショーに行くことができるし、もし行って趣味に合わないと感じても、チケットを買ったわけではないので簡単に別の場所に行くこともできる。(個人的に、このリストバンドシステムはお金があんまりない私みたいな人にお勧め)もちろん、たったの10日で自分の趣味に合うアーティストに巡り会うのは至難の業かと思うが、何も聴かなければ何も感じられないという言葉に尽きると思う。このCMWに参加すれば、新しい発見と忘れられない体験がきっとできると思う。
さらに、私がこのイベントをお勧めする理由がもう1つある。正直に、私は音楽の背景にある物を見た。例えば、多くのHip Hopのライブにはいわゆる黒人の人がたくさんいたし、RockとかFolkなどのライブは白人の人が際立っていたと思う。でも私はこの意味を誤解してほしくない。なぜなら、同時にどのライブショーに行っても色んな人種の人が混ざり合って参加していたからだ。CMWのどの会場も音楽を愛する人のためにある。私は人が音楽を楽しむときは、そこには人種のボーダーラインなんてないと思う。これは、「人種のモザイク」とも呼ばれるここトロントの影響も少なからずあると思っている。この約1週間を通して、改めて音楽の力を感じた。音楽の下に、私たちは共有し合え、楽しみ合え、愛し合える!
個々の文化やアイデンティティを多岐に渡る手法で表現出来る自由が存在する多文化都市トロント。「Creators’Lounge」は主として日本人及びトロント在住の次世代に台頭するアーティスト /クリエイターを発掘し、彼らの創作物 / 創作活動を発信する「場」を制作するプロジェクト。アート /ミュージック / ダンスなどこれらの分野に散在する個々の才能という「点」が異国の他者と結び付く形で「線」となり異なる文化が交錯、交流し合う「場」に。国際的なクリエイティブ・コミュニティを形成する息の長い活動を目指し、毎月様々なアーティストやパフォーマーを迎えイベントを開催。また、トロントで活躍するカナダ人アーティストを日本に誘致しライブを開催。素晴らしいカナダのアーティストを日本へ伝える「場」も提供する。





