伊藤真也 トロント小児病院 小児科臨床薬理学部長への令和元年度外務大臣表彰式が和やかに開催
医療界のみならずカナダと日本の相互理解・友好親善に尽力。
9月6日総領事公邸にて、日本とカナダ両国の文化振興や友好関係促進に貢献してきたとして、トロント小児病院小児科臨床薬理学部長・伊藤真也医師の功績を称えるセレモニーが開催され、伊藤さんご家族やご友人、関係者が招かれた。
日本とカナダの医療界で活躍するとともに両国の相互理解と友好に尽力
伊藤総領事は、伊藤医師のこれまでのキャリアや人生の歩みについて説明。1989年からトロントにて病気の子供たちのために貢献してきたという伊藤医師。元チェコスロバキアに渡航するなど、日本とカナダをも越えて医療界で活躍してきた。トロント大学でも幅広いテーマの論文を数多く執筆するなど、その活動は多岐にわたる。
さらに、伊藤医師はカナダと日本の相互理解と友好のためにも尽力してきたと、今回の殊勲授与の理由について語った。伊藤医師がトロントに来た際は日本人医師は極めて珍しい存在だったが、今では伊藤医師自らがトロントに訪れる医療業界で働く人をサポートしているという。
「日本からの若い医師をサポートしているだけでなく、日本からのビジネスマンが健康な生活を送るためのレクチャーを開催している」という伊藤医師。その貢献が医療界にとどまらないことを紹介した。
また、伊藤総領事と伊藤医師は名前のみならず、出身地が北海道という共通点を持つという。同じ「どさんこ」であることに喜びを見せ、北海道の食と日本酒を用意したので楽しんでくださいと笑いを誘った。最後に伊藤医師の今後の活躍を願い、結んだ。
家族のサポートに心からありがとう
伊藤医師は今回の受賞を受けて感謝の意を述べ、家族や友人らの支えがなければここまで来れなかったと感慨深く語った。名誉ある賞を受賞することがいまだに信じることができないとしながら、自身が賞を受賞することになった背景について、2012年から継続して行っている、トロント日本商工会と共催の両国のヘルスケアの相違点について解説する講義活動を紹介した。
最後に、「家族には公式にありがとうということはないですが、家族のサポートがなければここまで来れなかったです」と、奥様やお子さん、お孫さんなどへの感謝の意を述べた。
伊藤医師の友人代表であるネイルズ医師は、「伊藤医師は、正真正銘のジェントルマン、そして学者です」と語り、エピソードを語る際、伊藤総領事と伊藤医師に微笑みかけた。教授自身は腎臓について「最も関心がなかった」そうだが、伊藤医師がかつて「薬の遊び場だ」と形容したといい、その考え方や表現に感銘を受けたという。医療業界で国をまたいで活躍し知見を広めているだけでなく、日本とカナダの相互関係の発展のためにも尽力しているとし、この場を借りて賛辞を贈ることができて嬉しいとコメントした。
カナダと日本の友好関係発展に寄与した伊藤医師への外務大臣表彰
日本とカナダの相互理解につとめ友好促進への尽力をしたとして、伊藤恭子総領事から伊藤医師にその功績を称える令和元年度外務大臣表彰の賞状が授与された。伊藤医師は手渡された賞状を手にカメラに向かって笑顔を見せ、来場者からは割れんばかりの拍手が送られた。
伊藤医師の地元・北海道の豪華な料理が並んだレセプション
総領事公邸料理人の渡辺シェフにより、伊藤総領事や伊藤医師の故郷北海道の食材を使ったジンギスカンやじゃがいもを蒸したお料理など、豪華な「どさんこ」料理が用意された。乾杯の合図が告げられると、来場者は日本食に舌鼓を打つとともに、歓談の場を楽しんだ。