滝の上にたたずむ邸宅
フランク・ロイド・ライトの傑作、落水荘(Fallingwater)を訪ねてきました。深雪です。
アメリカのペンシルバニア州ピッツバーグ郊外の大自然のなか、流れ落ちる滝の上にたたずむこの邸宅は、世界で最も有名な個人住宅と言われるほどの最高傑作。
いつか絶対に行きたいと、長年憧れ続けていた場所でした。
フランク・ロイド・ライトはアメリカの建築家で、ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエと並ぶ「近代建築の三大巨匠」のひとり。
20年にもわたる長い低迷期のあと、ライトが70歳にして再び脚光を浴びるきっかけとなったのがこの落水荘なのです。
落水荘では様々なツアーが開催されていますが、写真撮影が許されているのは今回の“The In-Depth Tour”のみ。所要時間は約2時間。
ガイドさんの案内で建物を見て回りながら、落水荘のインスピレーションをライトがどこから得たか、設計から建物完成までのドラマチックなストーリー、建物の随所に溢れるこだわりなどの説明を聞くことができます。
ガイドさんは、参加者からの質問にも丁寧に答えてくださいました。
興味深かったのは、ライト本人がこだわりを持っていない場所(召使のキッチンやベースメントなど)は、驚くほど実質的なまま仕上げられていたこと。
落水荘の完成までには予算が当初の何倍にも膨れ上がったそうですが、追加予算はあくまでこだわりの追求のために使っていた潔さが好ましかったです。
これがドイツ出身のミース・ファン・デル・ローエだったらどうだろう。
「神は細部に宿る(God is in the detail.)」なんて言うくらいだから、興味がないからいいなどとは言わず、すべてにこだわりを行き渡らせるんだろうか。
そんな風に考えたら、シカゴ郊外にあるミース・ファン・デル・ローエのファンズワース邸(こちらも有名建築)にも行きたいなと思うようになりました。
トロントから落水荘に行くには、ニューヨークやピッツバーグの空港から車で向かうことになると思います。
アクセスは決して良いとは言えませんが、訪れる価値のある素晴らしい建築です。
Fallingwater
http://www.fallingwater.org/