【菊正宗】1659年創業の350年の歴史を持つ老舗酒造がついにトロントへ初進出!
辛口ひとすじ「菊正宗」、菊正宗酒造株式会社・福井雅人さん
1659年、徳川四代将軍家綱が治める時代に創業。350 年という長い歴史を持つ老舗酒造の菊正宗株式会社。時代時代で変わっていく消費者の好みに左右されることなく、「飲み飽きせず、料理を引き立てる日本酒こそ本流である」と、創業から一貫して本流辛口を守り続け、日本、そして世界でも多くの人に飲まれている菊正宗。その菊正宗がいよいよトロントに初進出!6月初旬にトロントを訪れた同社営業部貿易課主任の福井雅人さんにお話を伺った。
トロント初進出、トロントでのマーケットの可能性
昨年神戸で行われたJETRO主催のイベントで、酒蔵カナダの代表者の方とお話をする機会があり、それがきっかけでトロント進出の話が進んできました。弊社はすでに中国やアメリカ、カナダではバンクーバーに輸出を行っていますが、マーケットやレストラン視察を目的に今回初めてトロントを訪問しました。
私はアメリカ地域の営業も担当しているのですが、アメリカに比べるとカナダ(トロント)はまだまだ日本酒の種類も少なく、値段自体も高いので、日本酒が広がっていくためには少しハードルが高いように思います。しかし短い期間ではありますが、日本酒に興味を持っている方が多いと今回の滞在で感じました。これからいかに日本酒というものを知ってもらうことができるか、しっかり一般のお客さまに日本酒の魅力を伝えていくことが大事だと感じました。
理との相性を一番に重視して歩んできた350年
弊社のお酒の特徴は、一言でいえば辛口、ドライだということです。350年の歴史のなか、日本では一時期甘口のお酒が流行りだした時期もあったのですが、それでも弊社は辛口にこだわり、ずっと辛口のお酒を造り続けてきました。というのも、甘すぎるお酒や香りの強いお酒は料理の邪魔をしてしまいます。弊社のモットーとして料理との相性を一番に重視していまして、料理の味を引き立てるすっきりとした辛口の味わいとなっています。
また、菊正宗の「正宗」という字には、中国語で「本物」という意味があるそうで、名前自体の印象も良く、弊社のお酒は香港を含め中国エリアで特にご好評をいただいております。中国人人口の多いバンクーバーでも白人の方はもとより、中国人の方々に多く飲んでいただいており、トロントでもそういった動きとなればなと思っています。
「樽酒」を軸に世界でも菊正宗の名を広げていく
弊社ではいろいろな種類のお酒を取り扱っていますが、その中でも「樽酒」をメインに展開していこうと思っています。樽酒とは鏡開きの儀式で使われる樽詰め酒ですが、杉樽に貯蔵した酒にほどよく杉の香りがついたところで取り出し、最良の状態で瓶詰めしたものです。ワイン同様に樽に貯蔵していますから、ワイン好きな方もすごく好まれるテイストになっています。樽酒は、日本食だけでなく、濃厚な中華料理やメキシカン料理のようなスパイシーな料理とも相性が良いです。杉の香りには口の中をさっぱりさせる効果がありますので、日本食以外とでも合わせやすく、樽酒はすでにアメリカやバンクーバーでも非常に好評をいただいております。
樽酒の樽は一つ一つが手作りで、すごく手間と時間がかかるため、樽酒を出しているメーカーは少なく、その点からもマーケットに対する一つの強みを弊社は持っているといえます。
海外ではワインが主流ですから、ワインを飲む方にどうアプローチしていくかというのが大事な部分ではないかと思っています。比較的ワインに近いものを持つ樽酒でまず日本酒を飲むきっかけを作り、それから純米や吟醸など別のタイプのお酒を紹介していきたいと思っています。
料理とのペアリングや試飲を通し、一般のお客さまに味を知ってもらう
まず、一般の人に味を知ってもらうために、たとえばレストランで菊正宗のお酒と料理をペアリングで提供していただくイベントを行ったり、LCBOで試飲できるように働きかけていきたいと思っています。バンクーバーで料理とのペアリングイベントを行ったところ、非常にご好評をいただきました。
LCBOには昨日初めて視察で訪れたのですが、商品アイテム数も非常に限られていますし、ワインなどと比べると日本酒は値段が高いような印象を受けました。オンタリオ州ではお酒は州の管理のため流通が複雑で値段も高くなってしまうと聞きました。我々が単独で動いてもその状況を変えるというのは難しいと思いますが、近年日本政府が「國酒プロジェクト」と題し、日本酒や焼酎を世界に広めていく活動も行っていますので、日本も官民一体となって、カナダ政府に働きかけていくなどの動きに持っていければなと思いますね。
菊正宗酒造株式会社
万治二年(1659年)、江戸時代に創業した老舗酒蔵。日本酒業界では辛口の代表ブランドである。1983年からのTVCM「うまいものを見ると、辛口のキクマサが欲しくなる。辛口のキクマサを飲むとうまいものが食べたくなる。」のフレーズで料理に合う辛口酒というイメージが浸透している。「飲み飽きしない日本酒」を理想とし、現在では、日本全国でも数蔵しか継承していない昔ながらの酒造りである丹波杜氏伝承の生酛(きもと)づくりにこだわり、辛口一筋の酒造りを続けている。
取材協力 : Sakagura Canada Inc. 住所: 64 Charles St. E. Suite 104, Toronto Ontario M4Y 1T1 Tel: 647-430-7638 Email: info@sakaguracanada.com / www.sakaguracanada.com




