バンクーバーの人気居酒屋「金魚」伝説のランチが、ついにトロントでスタート! 同店でしか味わうことができない、料理・サービスのこだわりを徹底取材!
TORJA日本食レストラン潜入取材 居酒屋 金魚
★日本食激戦区バンクーバーの雄「金魚」
カナダの中でも日本食レストラン市場が非常に盛り上がりをみせるバンクーバー。居酒屋「金魚」がバンクーバーにオープンしたのは2006年。その後2010年に「Suika」を、2012年には「ラヂオ」をオープンし、 多くのファンから熱い支持を集めている。2012年12月にトロントにオープンした際も非常に話題になり、オープン時から現地紙にも取り上げられるなど賑わいをみせた。さらに今年3月からはバンクーバーでも日本食ファンの間では伝説と呼ばれているクオリティ・ボリューム大満足のランチをトロント店でスタート。 今回TORJA編集部では、 バンクーバー店の初代店長で、トロント店を繁盛店に築き上げたトロント店のオーナー・シェフ、銭丸幸志さんにお話を聞いた。
★トロント店オーナーシェフ、銭丸幸志さんのこだわり
築100年以上というヘリテージビルディングはレンガ作りの外観で、歴史的な情緒を感じる。キッチン・Barから店内が見渡せる奥行きある広い店内に、テーブルの中に金魚が泳いでいたり、パチンコ台が壁に埋め込まれているなど、ドアを開けた瞬間に楽しい異空間が広がる。自らデザイン・装飾・施工なども陣頭指揮をとった銭丸さんはつぎのように語る。「非日常的な空間を演出することをコンセプトに遊園地のようなお店を作りたかったのです。トロントの物件選びでは120件以上の物件とあらゆるエリアを視察に行きました。トロントは縦長・横長の物件が非常に多かったのですが、僕が描いていた店は、キッチンとBarが横並びになっている正方形のお店。キッチンから全てが見渡すことができ、お客さんが何度来ても飽きないように、店内東西南北4面の壁にはそれぞれ違う趣向を演出しました。 異空間の中で食事をするという雰囲気をお客さんに味わってもらえるようにしたかったのです。立地に関しても、お客さんを呼びたい、街を作っていきたいという思いが強かったので、ダウンタウンの真ん中にはない、ちょっとはずれたこの場所はとても良かったです。ノースからもドンバレーを使えば非常にアクセスしやすい場所にあると思います。」
バンクーバーの初代店長として、メニュー立案・スタッフ教育・二号店の立ち上げなどを全て仕切ってきた銭丸さん。その経歴はまさに飲食人である。16歳から26歳までの10年間を餃子の王将で働き、6年間は店長として各地域の店舗にてメニュー開発やサービスの徹底などを指導してきた。その後、バンクーバーに渡り、バンクーバーの金魚のオーナーの右腕として活躍してきた。トロント進出の経緯は、「バンクーバーのボスとは10年前に出会い、将来は一緒にニューヨークに店を出そうと、誓い合いました。 トロント店は僕とバンクーバーのボスの共同オーナーという形を取らせてもらい、ニューヨーク進出の夢を実現するために、トロントに来ました。」という。
★料理へのこだわり
同店の料理へのこだわりは、ランチとディナーでは根本的にコンセプトが違うという。銭丸さんは「ランチは完全クオリティ重視でやっています。 最高級コシヒカリを使用し、ご飯や味噌汁、とんかつのキャベツはおかわり自由など、利益うんぬんでなく、美味しいものをお腹いっぱい味わってもらい、食べ終わった後の満足感を追求しています。」と語る。10品のメニューと炊きたてのご飯は輝きがあり、美味しい。味噌汁は根菜酒カスでオリジナリティが豊か 。とんかつは300グラムというボリュームに、大盛りのキャベツ、すり鉢に用意されたゴマは懐かしくて嬉しい。抹茶と温玉と山芋トロロがトッピングされた漬けマグロステーキ丼や明太マヨと温泉卵がトッピングされた豚角煮丼などは、創意工夫された味が口のなかにまろやかに広がる。今やアジアでも大人気の金沢カレーは、数年前に銭丸さんがその味に出会い、研究を重ね、このカナダでも受け入れられるようなオリジナルを作り上げた、コクのあるクセになるカレーになっている。鰻のひつまぶしや新鮮な刺身定食、そして限定1日10食の幕の内定食は、シンプルに美味しい日本食を食べたい人に是非おすすめしたいメニューだ。
またディナーは、お客さんに楽しんでもらえることをコンセプトにしているという。「グランドメニューはバンクーバー店の人気メニューを入れるとともに、僕の北米6年間の経験を詰め込んでいます。トロント店は2週間に一回のペースでスペシャルメニューを10品提供していて、その中からも人気が高かった料理をグランドメニューに入れるなどしています。2週間に一回のペースなので、1年間100種類以上ものメニューを作り上げていることになります。僕たちのメニューは、 プロとして洋風の料理であれば日本食のエッセンスを入れたり、日本食の中に洋食のテイストを融合させたり、家庭では作れないような料理の工夫を常に心がけています。そして、見た目もパフォーマンスなどもお客さんに楽しんでもらえるようなプレゼンテーションをおこなっています。」人気メニューのひとつである石焼き牛タンなどはお客さん自らが焼く楽しみ方があるなど、多くの料理に箸をつける前に驚きと感動があるのが特徴的だ。 同店は職人が多く、 刺身は日本からの食材や地元の新鮮で旬な食材が味わえる他、サーモン・マグロ・ハマチなどのカルパッチョもワインとよく合う 。見た目も美しいバッテラ寿司も種類豊富で、炙り中トロとアボカドのミルフィーユバッテラは食べた瞬間に 中トロとアボカドが口の中に広がり、コクのあるソースが味に奥行きをだしてくれる。サーモンとイクラの親子バッテラや炙り〆さばバッテラなどは、すし飯と最高のコラボレーションを口の中で発揮してくれる。その他にも肉料理、魚料理が充実、大人気の豚骨担々麺やエビいか帆立イクラの石焼海鮮雲丹めしなども是非味わってほしい。なかなかトロントの居酒屋では味わうことができない〆の一品料理としてきっとあなたの満足度・満腹感を最高にしてくれることだろう。
美味しい日本食が食べたいと思ったら、是非とも一度足を運んでみてほしいという銭丸さん。「プロとして日本人として、金魚の味・サービス・雰囲気すべてを日本に持っていても通用するレベルを目指しています。特別な夜=金魚に行こうと思ってもらえるよう、料理はもちろん、サービスも瞬間・瞬間徹底しています。お客さんが笑顔で帰ってくれたら、何でもやろう!という気持ちです。」
お店は週末は20−30人の団体客が予約で入ることも多く、1—2週間前には120席が埋まってしまうという繁盛ぶりなので、事前予約を。是非ランチに一度足を運んでもらって、そのボリューム・クオリティを体感してもらえれば、必ずディナーに足を運びたくなる、それだけの価値あるレストランが金魚である。
金魚
51B Winchester St., Toronto
647-748-2121
http://kingyotoronto.ca