清水優子・国際交流基金トロント日本文化センター所長の年頭挨拶


謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中はご厚情を賜り誠にありがとうございました。
私はカナダに来て間もなく5年になりますが、この間に日加修好90周年や東京オリンピック・パラリンピック競技大会もあり、日本への関心の高まりを肌で感じてきました。特に日本の文学や映像コンテンツ、ポップカルチャー、食文化、武道等への関心が顕著に見られ、日本語を学ぶきっかけとなることが多いようです。カナダ各地で行われている日本語学習者向けのスピーチコンテストでも、驚くほど多様な日本文化の側面について語られ、新たな日本の魅力に気づかされることもあります。
2022年は、当基金の設立50周年に当たります。1972年の設立以来、当基金は国際文化交流事業を専門的に推進する機関として、「日本の友人をふやし、世界との絆をはぐくむ」という理念の下で、「文化」「言語」「対話」を通じて日本と諸外国との交流の促進を行って参りました。当センターでは、カナダ唯一の拠点として多くのパートナーと連携し、文化芸術や映画、講演会などを通じて日本の文化を紹介する他、日本語教師や学習者、日本研究機関や会議等への支援を行っています。
コロナ禍が始まって2年になりますが、厳しい状況下で、あらゆる文化関係の団体や担い手が新たな活動や表現の手段を模索し、発信し続ける努力を重ねて来られたことに深く敬服しております。また、これまでの生活が一変しても一所懸命日本語の勉強を続ける人たちの姿にも勇気づけられてきました。このような動きを、当基金では引き続き応援し、コミュニティーと一体となって盛り上げていきたいと考えています。
当センターでも、「電子図書館」をはじめ多くの事業をオンラインで実施するようになり、これまで届かなかった遠隔地の人々と繋がることができましたが、集客を伴う催しも徐々に再開して参りたいと考えています。文化交流は「人に始まり、人に終わる」と言われており、人の往来が制限されている中で、いかに安心・安全な環境でリアルな交流体験を創出できるかが今後の課題です。基金設立50周年を迎えるにあたって、感染状況を見ながら、リアルとバーチャルの事業のバランスを見出し、これからの時代にふさわしい国際文化交流の在り方を探る年にしたいと思いますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
皆様の本年の益々のご発展とご多幸をお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。
国際交流基金トロント日本文化センター
所長 清水優子






