戸建てはマイナス成長。市内の価格の落ち込みに注視|家を買いたい!数字で解説トロント不動産マーケット
住宅マーケット年別比較チャート
出典: TREB ※グラフはデタッチからコンドまで全てのタイプを含めたものであり、トロント市とその他GTAを含めた平均です。
2019年1月のTREB全域の取引総数は4,009件となり、2018年1月の3,987件からプラス0.6%の微増となりました。新規リスティング数はプラス10.5%、有効リスティング数はプラス0.6%となっています。
平均売却日数はプラス3.1%で少々持ち直した感あり。今後マーケットがどうバランスを取りながら推移して行くか注目しましょう。
物件タイプ別の平均価格は、コンドアパートがプラス7.9%(市内プラス8.8%、市外プラス8.2%)でトップに立ち、タウンハウスがプラス4.5%(市内プラス12.3%、市外プラス2.1%)、セミデタッチ(準戸建て)がプラス3.6%(市内プラス6.1%、市外プラス1.8%)、最後にデタッチ(戸建て)がマイナス2.8%(市内マイナス8.8%、市外プラス0.9%)順に並んでいます。
今月の金言
デタッチの不調は変わらずですが、先月に続き市内の値下がりが顕著です。モーゲージ審査の厳格化より価格の高いデタッチを避け、買い手がタウンハウスやコンドアパートに流れていると見られます。政策介入によるマーケットの抑制が功を奏したか、CMHCのリポートによるとトロント不動産の過大評価リスクのランクが下げられました。
直接的には不動産価格の上昇率が極めて穏やかになったためです。ただし、ハイペースの人口増加に裏打ちされた需要が無くなった訳ではなく、それに見合った供給でマーケットのバランスを保つ必要性はさらに高まると予想されます。
住居ユニットの供給の面から、ビルダーへの建設許可や着工までのプロセスを早く安くするなど、ルール改定も含めどのような政策を打ち出して行くかがマーケットの将来に影響を与えるでしょう。
D.H. Toko Liu(劉 東滉)
オンタリオ州政府公認不動産免許保持。日本生まれカナダの高校大学を卒業。日本での営業管理・経営、及び不動産管理業を経験、移民し現在に至る。