全物件タイプの平均価格は83万2703ドル・平均売却日数は21日|家を買いたい!数字で解説トロント不動産マーケット
住宅マーケット年別比較チャート
出典: TREB ※グラフはデタッチからコンドまで全てのタイプを含めたものであり、トロント市とその他GTAを含めた平均です。
2019年6月のTREB全域の取引総数は8,860件で、昨年同月の8,024件からプラス10.4%の上昇となりました。
全物件タイプの平均価格は83万2703ドルとなり、昨年6月比でプラス3.0%の上昇です。新規リスティング数はマイナス0.4%、有効リスティング数はマイナス5.7%となっています。物件不足の傾向にも感じられ、競争の激化が価格押し上げにつながる懸念もあり得ます。
しかし政策介入以前のような価格高騰は無いと思われ、マーケットは全体的に安定したペースでの推移が予想されます。平均売却日数は21日と昨年同月と同じです。物件タイプ別に平均価格を見ますと、コンドアパートがプラス5.2%(市内プラス5.1%、市外プラス7.7%)、セミデタッチ(準戸建て)がプラス5.3%(市内プラス5.4%、市外プラス4.3%)、タウンハウスがプラス3.9%(市内プラス9.2%、市外プラス1.6%)、最後にデタッチ(戸建て)がマイナス1.4%(市内マイナス1.5%、市外マイナス0.7%)の順に並びました。コンド価格は上昇傾向にありますが、コンド取引数は昨年同月に比べ、マイナス3%となっています。
今月の金言
過去2年ほどコンドマーケットは大きく伸びました。これはコンドが比較的手の届きやすい価格にあったことと、ストレステストによって組めるモーゲージ金額が減った消費者がコンドにターゲットを絞ったからだと思われています。ですがコンド価格の急上昇により、コンドにも手が届かない層が増えるのと並行して、同程度の価格帯ならば最近は郊外のタウンハウスや戸建てに狙いを移す消費者が増加しているように見えます。ならばコンドマーケットの売り出し物件数(在庫)はというと、これも取引数と同じく減少しています。在庫が増えていれば価格の下降もあり得るのでしょうが、現時点までそうはなっていませんね。
D.H. Toko Liu(劉 東滉)
オンタリオ州政府公認不動産免許保持。日本生まれカナダの高校大学を卒業。日本での営業管理・経営、及び不動産管理業を経験、移民し現在に至る。