マーケットは緩い上昇基調|家を買いたい!数字で解説トロント不動産マーケット
住宅マーケット年別比較チャート
出典: TREB ※グラフはデタッチからコンドまで全てのタイプを含めたものであり、トロント市とその他GTAを含めた平均です。
2018年11月のTREB取引総数は6,251件で、昨年同月の7,326件からマイナス14.7%の減少でした。全物件タイプの平均価格は78万8345ドルで、2017年11月比でプラス3.5%となりました。新規リスティング数はマイナス26.1%、有効リスティング数はマイナス9.8%でした。平均売却日数はプラス12.5%を記録し、マーケットは緩い上昇基調にありますが、需要と供給がともに下がり安定しているように思います。
物件タイプ別の平均価格を見ると、セミデタッチ(準戸建て)がプラス8.3%とトップに立ち、続いてコンドアパートがプラス7.5%、タウンハウスがプラス3.1%、デタッチ(戸建て)がプラス1.3%の順に並びました。
セミデタッチ(準戸建て)は市内がプラス17.2%と最近にはなかった大きな伸びをみせ、市外はプラス3.6%となっています。コンドは市内がプラス7.0%、市外はプラス9.5%、タウンハウスは市内がマイナス2.9%、市外がプラス4.7%、デタッチ(戸建て)は市内がプラス1.8%で市外はプラス0.8%でした。
今月の金言
ダウンタウンは住宅と仕事の両面において密度が急速に上がっています。オシャワのGM工場閉鎖のニュースに象徴されるようにオンタリオの製造業は減少の一途を辿っていますが、それに代わり知識系・テクノロジーベースの仕事は急激に増加しています。それら仕事の多くはダウンタウンにあり、また付随する会計・弁護士など高度サービス業もダウンタウンに集中しがちです。
このシフトはトロントの交通網や都市計画にも大きな影響を与える程で、今後もその傾向は拡大していくと見られます。トロントが世界レベルの都市として発展をしていく確証とも言えますが、もちろん不動産マーケットに対する影響も甚大でこの数年のダウンタウンマーケットの急騰がそれを物語っています。
D.H. Toko Liu(劉 東滉)
オンタリオ州政府公認不動産免許保持。日本生まれカナダの高校大学を卒業。日本での営業管理・経営、及び不動産管理業を経験、移民し現在に至る。