YO – Sprit of Asia
日本とインドの伝統楽器を使って
新しい音楽の形を提供する YO – Sprit of Asia
今回2回目の北米ツアー、そしてトロントデビューを果たした三味線の小山豊さん、尺八の小湊昭尚さん、タブラのTy Burhoeさんの3人で構成されているYOの皆さん。伝統的な曲調、奏法にとらわれず日本国内外問わず広く活動している。初めてのトロントの印象や異文化の楽器を一緒に演奏する楽しさについて語ってもらった。


今回トロントは初めてだそうですが、観客の反応はいかがでしたか?
小湊さん:演奏後の観客の反応は日本と比べるとやはり大きく違いますね。僕は個人で海外は30ヵ国ぐらい、小山さんも20ヵ国ぐらいで公演したことがありますが、北米、ヨーロッパ、アジアではそんなに違いはありません。やはり日本に興味を持った人が聞きに来てくれるので人数に比例せず、反応が得られますね。一人一人が自分が良いと思った曲に対して声を出して反応してくれるのが海外のいいところだと思います。今日も一曲目から観客の方それぞれの反応がしっかり感じられたので、とてもやりやすかったです。日本だと300人ぐらいいても拍手だけという場合が多いですからね。
YOとして3人でコラボレーションを始めたきっかけはなんですか?
Tyさん:私は前々から三味線などの日本の伝統楽器とのコラボレーションを熱望していて、友人を介して小湊さんを紹介してもらいました。そして彼から小山さんを紹介してもらって3人でとりあえずやってみようという感じで始まりました。オリジナル曲や個人の曲を持ち寄って活動を開始しました。
3人とも個人としても活躍されていますが、普段の練習はどうしているのですか?
小山さん:YOとして北米ツアーに来たのは2013年以来2回目です。僕たちは普段練習のために集まったりはしません。もともと一緒に演奏したことのある曲も多いので、今回の練習は昨日1日だけです。基本的にはツアーが決まって集まったら練習という感じです。
小湊さん:曲のタイミングなどは全て目配せで、その場の雰囲気に合わせてやっています。
異文化の楽器、異文化の人とのコラボレーション活動の中で何か困難なことはありますか?
小山さん:何もないです。言葉が違うので深い部分のコミュニケーションはできていない部分もありますが、音を介してお互いを理解できるので十分です。もしかしたら日本人同士の方が気を遣いすぎてしまってやりにくい時があるかもしれません。
Tyさん:楽器や言語が違うから一緒に活動するのが難しいということはあまりありません。私にとって一緒に活動していて大切なのはどの楽器と一緒に演奏しているかよりも、誰と演奏しているかという部分です。楽器を通してお互いを理解できますし、この2人とは特に良い関係が築けていると思います。一緒に活動する中で新しい音楽を思いついたりすることも多いですね。
活動の中で音楽を思いつく以外には何からインスピレーションを受けますか?
小湊さん:単純にメロディーが思い浮かんできたり、特定の楽器とコラボするときにはその楽器のことばかり考えるのでその楽器向けの音楽が浮かんできたり、いろいろですね。例えば今回の新曲「白昼夢」は三味線、尺八、タブラのために作られた曲で、作曲してくれた人は僕のことも小山さん、Tyさんのこともよく知っているので、それぞれの演奏の仕方やインド、日本の伝統音楽を組み入れたり丁寧に時間をかけて作る時もあります。
好きな音楽というのは作曲に影響がありますか?
Tyさん:3人ともいろいろなジャンルの音楽を聴いていると思います。私自身はロックやブルース、たまにジャズを聞いていますが、父の影響で小さい頃はクラシックヨーロピアンミュージックを聞いて育ちました。もちろんそれらの影響を受けている部分もありますが、私たちが表現したいもののために1つのジャンルに捕らわれる必要はないと思います。いろいろな要素が入ることで新しい、興味深い音楽になると思います。
小山さん:本当は好きなジャンルを1つに絞った方がいいのかもしれませんが、それは僕たちには難しいですね。三味線はメロディーもバックもコード楽器のような役割もできますし、それは尺八も同じです。さらにタブラは打楽器ですが音程があるのでリズムやバック以外も表現できます。僕たちはお互いが様々な部分を補い合って音楽が成り立っています。音楽を作るときにジャンルやそれぞれの演奏パートが定まっていないのがYOの面白いところだと思います。
幼少の頃からそれぞれの流派を継ぐために活動されている小山さん、小湊さんと違い、Tyさんはタブラを始めるのが少し遅かったですが、どのようにして“これだ!”という出会いがあったのですか?
Tyさん:私はタブラに出会うまでギタープレーヤーやカウンセラーなどいろいろなことをやってきました。20代後半、カウンセラーをしながら音楽にも興味を持ち、自分の弱点であるリズム感の無さを克服しようとドラムを始めました。そしてタブラに出会い、練習に通うための2000km以上のドライブも苦にならないぐらいタブラに魅了されていました。純粋な情熱を信じて活動を続けていたら尊敬できる師匠に出会い、演奏する機会にも恵まれていったのです。何をしたいか迷っている人は自分の気持ちに正直になることが大切だと思います。
小山豊
oyamayutaka.com
小山流3代目として幼少より祖父である津軽三味線小山流宗家、小山貢翁に師事。国内外問わず年間100ステージ以上に及ぶ演奏活動を行っている。2001、2002年には(財)日本民謡津軽三味線コンクールで最優秀賞を連続受賞。古典的な演奏はもちろん、枠にとらわれない独自のスタイルで既存の枠にとらわれないクリエイティブなサウンドを生み出し続けている。
小湊昭尚
kominato.com/aki
民謡小湊流家元の長男として生まれ、5歳より両親の手ほどきを受け、舞台活動を開始。1985年少年少女民謡大会において最優秀賞受賞。 1995年より人間国宝・故山口五郎氏に師事。現在、伝統邦楽、古典に加え、民謡、ポップス、ジャズなどジャンルにこだわらず、テレビ、ラジオをはじめ国内外でのコンサート、イベントなど多方面で活動中。
Ty Burhoe
tyburhoe.jp
1990年からウスタド・ザキア・フセインに師事する。音楽を生涯の職業としてタブラに打ち込み、インドの伝統音楽の伴奏者として世界中でツアーする一方、タブラを使い様々な文化の音楽と独特なコラボレーションを通し、タブラの新しい活躍の場を広げることに成功。現在はライブコンサートのプロデューサーや、レコーディングプロデューサーとしても活躍している。





