令和6年 新年の言葉「国際交流基金トロント日本文化センター 所長 山本 訓子」

謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中はご厚情を賜り誠にありがとうございました。
昨年は、コロナ禍において人々が待ち望んでいた生活がようやく戻ってきた一年であったかと思います。私も2022年秋の着任以来、初めてカナダの冬そして夏を過ごしました。瞬く間に雪景色から初夏の陽気へ移り変わる短い春、そして、夏を最大限謳歌する人々の姿を目の当たりにしました。
当センターでも、昨年は、図書館や展覧会を始め、多くの方に足をお運び頂きました。なかでも、DNP文化振興財団と共催で開催した「動きの感覚:日本のスポーツ・ポスター展」は好評を博し、1964年東京オリンピック以降の、スポーツ分野の日本のグラフィックデザインの発展の系譜を紹介することができました。スポーツというテーマからは、マルチカルチュラルなトロントならではの、新しい出会いも生まれました。エストニアン・ミュージアムとの共催で開催したエストニア人元大関・把瑠都氏(カイド・ホーベルソン氏)をゲストに招いた相撲トークには、多くの相撲ファンが集いました。
ファミリーや低年齢層向け活動も充実してきています。アニメ上映、紙芝居上演に加え、日本語で育児を行うご家族向けの日本語セミナーも、昨年初めて託児付きで実施しました。日本関連書籍のデジタル・ライブラリーも拡充しています。ダイバーシティ&インクルージョンやアクセシビリティは世界の中でもカナダが先駆的で力を入れている分野です。文化や立場、地理的制約を越えて、いろいろな方が日本文化に触れて楽しんでいただけるよう、引き続き創意工夫をしていきたいと思います。
2023年は、国際交流基金賞創設50周年、国際交流基金日本研究フェローシップ開始50周年でもありました。半世紀に渡り、交流や対話を育んできた世界中のパートナーの存在はまさに財産であり、日本と諸外国との関係の土台を支えるものです。本2024年も、先人たちから受け継いだ人と人との絆に感謝しながら、「文化」「言語」「対話」を通じて一層の共感を育んでいけるよう、国際文化交流事業を推進して参りたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
皆様の本年の益々のご発展とご多幸をお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。
国際交流基金トロント日本文化センター
所長 山本 訓子













