2,400以上の湖を湛えた カヌーイスト憧れのパドリング・パラダイスalgonquin provincial park(アルゴンキン州立公園)|オンタリオ州&トロントの秋を先取り
トロントから車で北へ約3時間。そこには、東京都の3倍以上の広さを持つ自然公園が広がっている。メープルやポプラ、ホワイトパインなどの木々に覆われた深い森、1万年前の氷河期に地表が削り取られてできた「カナディアンシールド」と呼ばれる岩盤が露出し所々に顔を出すごつごつとした岩肌、そして園内には2,400を超える大小の湖があり、それらを結んで長大な水路が巡っている。
その総距離はなんと2,000km以上に及び、これらを結ぶ無数のカヌールートが存在しているために、ここは世界のカヌーイストが憧れる、パドリング・パラダイスとしても知られている。一見、手つかずの原生林のように見えるアルゴンキンだが、ここは19世紀の急激な木材伐採により荒廃しかけていた森を1893年にオンタリオ州最初の州立公園に制定することで「よみがえった森」だ。そして現在もこの地の豊かな森と水源、そして動物たちのあるべき姿を維持する取り組みを続けている。
公園へのアクセスはレンタカーがオススメ。園内の駐車場やトイレなどの施設を使う場合には国道60号線の東西のゲート近くにあるインフォメーション・センターで、公園利用料を支払う。車がない人はトロントからカヌーやハイキングなどアウトドアをテーマにした英語ガイドツアーへの参加が◎。
アクティビティ情報
algonquin outfitters
車では行けない大自然との出会いが楽しめるカヌー・ポタージュ
カヌー各種をはじめカヤック、キャンプ用品、フィッシングギアなどが1日から数日までレンタル可能。1日たっぷり楽しめるガイドツアーも充実している。公園内外にいくつかお店があるが、公園の西にあるハンツビルのダウンタウン、あるいは公園のウエストゲート近く、オックスタン・レイクのお店が便利。またイーストゲート近く、オピオンゴ・レイクのお店からは公園奥深くまでカヌーで入っていくツアーも実施。
the portage store
アルゴンキン内のカヌーレイク沿いに位置し、カヌー用品だけでなく、カヌーで公園内の水路をめぐるポタージュに必要なキャンプ道具セットまで用意してくれる。他にもカヌールートを決める際のプランニングも手伝ってくれるので、初心者でも安心。
それでも不安な場合はガイド付きのポタージュキャンプも行っているので気軽に大自然に出会いたい方は是非。他にも園内のキャンプグラウンドへカヌーを配達してくれるので車に積めないが少しカヌーを楽しみたいという人にも◎。
algonquin park guide walk
州立公園が行っている無料のハイキングツアー。ナチュラリストのガイドで、鳥や植物など、テーマを決めて散策。6月下旬から9月上旬まで、ビジターセンターから毎日出発している。
星空観察
近くには世界で初めてダークスカイ保護区として登録されたエリアがあり、民家がないため星をみるには最高の条件の良さ。満点の星空を見ることができるため、暗くなった夜にも楽しみがあるだろう。
ハイキング
公園内にはハイキングトレイルも充実している。1km足らずの散策コースから、11kmと本格的に歩けるコースまで全部で16カ所。水辺のコース、眺めのよい丘の上に出るコースなど風景も多彩。まずはビジターセンターなどでハイキングトレイルが表示された公園マップの入手を。コースはわかりやすく整備されているので、ガイドなしでも歩くことができる。
イチオシの宿泊施設
arowhon pines
隠れ家のようなリゾートロッジ。プライベートレイクのほとりには、ログキャビンが13棟あり、全50ユニットの客室が配置されている。目の前の湖では様々なウォーターアクティビティが可能なため、リゾート内だけでたっぷり遊ぶこともできる。巨大なゲルを思わせるダイニングルームは宿泊客以外にも人気がある。
Nipissing, Unorganized,South Part
416-483-4393
northern edge of algonquin
アルゴンキン州立公園の北側にあるエコリゾート。無駄を省き、自然に溶け込む滞在施設を目指している。湖の畔、ダイニングルームなどのあるメインハウスを中心に森の中に様々なスタイルのキャビンが建ち、ここをベースにカヌーやヨガ、スタンドアップ・パドルボート、スラックラインなど、体のバランスを追求するアクティビティを楽しむことができる。
Algonquin Park 100 Ottawa Ave South River
888-383-8320
キャンプスポット情報
約2,000ヶ所のキャンプサイトがあり、その多くは湖畔や岬の絶景地に設置されている。各キャンプサイトにあるのは、テントを張る平らな場所と焚き火をするファイアーピット、そして簡易トイレだけ。自然景観を保ち、自然に対するインパクトを最小限に抑えるため、最低限の施設になっている。
「ローインパクトキャンプ(環境に影響の少ないキャンプ)」の観点から、ガラス瓶・缶入り食品の持ち込み禁止、ゴミの持ち帰りなど全部で11条項の規則があり、反則者には罰金が科せられることがあるため注意したい。このように自然を守る取り組みをしているからこそ手付かずの自然を漕ぎ進む緊迫感も十分楽しめるのがこの公園の魅力のひとつでもある。