【第7回】カナダ・オンタリオ州のオフィスおよび小売業向けの保険について|カナダ保険まるわかり講座
オンタリオ州でオフィスや小売業を運営する上で、事業を取り巻く様々なリスクから自身と事業を守るために、適切な保険に加入することは極めて重要です。オフィスと小売業では特有のリスクが存在するため、それらを考慮した保険プランを検討する必要があります。
まず、両業種に共通して非常に重要なのが「賠償責任保険(Commercial General Liability Insurance – CGL)」です。これは、第三者の身体の負傷や財物の損害に対して、事業者が法的責任を負った場合に補償するものです。オフィスにおいては、顧客や訪問者がオフィス内で転倒したり、物にぶつかったりして怪我をした場合、あるいは事業活動が原因で第三者の財物に損害を与えた場合などが考えられます。小売業においては、店内でのお客様の転倒・負傷、商品による怪我、あるいは広告や製品に関する訴訟などが考えられます。十分な補償額を設定することで、予期せぬ訴訟費用や損害賠償金に対応できます。
次に、事業で使用する建物、設備、備品、在庫などを守る「財物保険(Commercial Property Insurance)」も不可欠です。火災、落雷、爆風、水害、盗難、いたずらなどの偶然な事故によってこれらの財産が損害を受けた場合に、修理費用や再調達費用が支払われます。オフィスにおいては、オフィス家具、コンピューター、書類などが対象となります。小売業においては、店舗の建物、陳列棚、商品在庫などが対象となります。特に小売業では、盗難や在庫の損害リスクが高いため、適切な保険金額を設定することが重要です。
また、事故によって事業が一時的に中断し、収入が途絶えた場合や、継続的な経費が発生する場合に備える「事業中断保険(Business Interruption Insurance)」も検討すべきです。火災などでオフィスや店舗が損壊し、営業再開までに時間を要する場合、売上は途絶えますが、家賃や従業員の給与などの固定費は発生し続けます。この保険に加入していれば、営業再開までの期間の損失をカバーし、事業の継続を支援します。
従業員を雇用している場合は、「労災保険(Workers’ Compensation Insurance)」への加入がオンタリオ州の法律で義務付けられています。これは、従業員が業務中に負傷したり病気になったりした場合に、治療費や休業補償などを支払うものです。
小売業においては、「商業犯罪保険(Commercial Crime Insurance)」も重要な検討事項です。従業員による横領や詐欺、あるいは外部からの強盗などによる損害を補償します。現金を扱う機会が多い小売業では、この保険が事業を守る上で重要な役割を果たします。
さらに、小売業では、「製品賠償責任保険(Product Liability Insurance)」も検討する必要があります。販売した製品が原因でお客様に損害を与えた場合に、事業者が法的責任を負うリスクに備えるものです。
これらの保険を選ぶ際には、まず自身の事業の規模、業種、そして潜在的なリスクを詳細に評価することが重要です。オフィスと小売業では、直面するリスクの種類や程度が異なるため、それぞれの特性に合わせた保険プランを検討する必要があります。複数の保険会社から見積もりを取り、補償内容、保険料、免責金額などを比較検討しましょう。保険の専門家やブローカーに相談することで、自身のビジネスに最適な保険プランを設計してもらうことができます。保険料だけでなく、補償内容をしっかりと理解し、万が一の事態に十分に対応できる保険を選ぶことが大切です。
オンタリオ州でオフィスや小売業を経営する上で、適切な保険は事業の安定と成長を支える重要な要素です。リスクを適切に管理し、安心して事業運営を行うために、保険の加入を真剣に検討してください。
※ここに掲載されている内容はあくまでも概略参考資料であり、正確性を保証するものではありません。すべての補償内容の詳細は、個々の保険約款に基づきます。
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