ドレイクが大麻ビジネスに参入&オーストラリアが施行用大麻の合法へ|カナダから見るマリファナ合法化のあと

カナダ国内ではドレイクがキャノピー・グロースと組み大麻ビジネスに参入。
世界の動きはオーストラリアが施行用大麻の合法化へ。

カナダの大麻事情
カナダが誇るスーパースタードレイクが大麻ビジネスに参入

 合法化の流れを受け、近年では「グリーンラッシュ」といわれるほどに多くの大麻産業への投資やスタートアップが生まれている。Jay-Zの大麻産業への参入、グウィネス・パルトローの大麻販売チェーンの大手「MedMen」とのコラボレーション発表やラッパーのスヌープ・ドッグによる「Leafs by Snoop」設立、ポスト・マローンも大麻ブランドの設立発表など、セレブリティの大麻ビジネス参入は近年、徐々に増え続けている。

 そんな中、「アメリカ史上、最も売れているソロ男性アーティスト」であり、北米の音楽シーンを代表するカナダ出身のドレイクが大麻ビジネスに参入すると正式発表した。レストラン事業やアパレル事業など、様々なシーンにおいて起業家として積極的に挑戦を続けているドレイクは、今年10月には彼が手掛ける人気ストリートブランド「OVO(October’s Very Own)」の旗艦店を東京・表参道にもオープン。マルチな才能を持ち絶大な影響力を持つ彼は、フォーブスの報道によると、ニューヨーク証券取引所に上場する大麻業界で最大の時価総額を誇るカナダの大麻企業キャノピー・グロースと組み、「More Life Growth Company」を設立し、大麻の生産と流通に取り組むそう。11月7日、彼のインスタグラムに「WELCOME TO MORE LIFE」の文字が回転する動画が投稿され、同じ週には新事業「More Life Growth Company」のプロモーションのためトロントの街中で花束を配る姿が見られた。

 フォーブスは、ドレイクの保有資産を1億5000万ドル(約164億円)と推定しているが、「More Life Growth」の株式の40%をキャノピー・グロースが保有し、ドレイクは60%を保有することとなる。「More Life Growth Company」は「ウェルネス、ディスカバリー、総合的な個人の成長」を基本理念とし、医療用大麻やハーブティー、Tシャツなどのマーチャンダイズを行う。トロントへの愛が強いことで知られる彼だが新事業はトロントに本拠を置くそうだ。

 現在、世界的に合法化の流れができているが、キャノピー・グロースの事業は苦戦していると同メディアは報道している。2019年4月から6月の四半期決算では、13億カナダドル(約1080億円)の赤字を計上し、同社の株価は今年に入り60%の下落となった。ブルームバーグによると著名人との取り組みはブランドの認知度向上には繋がるが、株価にはさほどの影響を与えないとのことである。

 ドレイクは「キャノピー・グロースのような世界水準の企業とグローバルな規模で提携できる機会を得られたのは非常に楽しみだ。常に成長を続ける業界で、特別なものを作り上げるという発想に刺激を受けた。More Life and More Blessings」とコメントしている。多大なる影響力を持つドレイクは如何に大麻産業へと貢献していくのか。彼の今後に注目である。

世界の大麻事情
オーストラリア、来年1月から初の嗜好用大麻合法化

 今年9月末、オーストラリアの首都特別地域(以下、ACT)の議会において「個人使用の大麻所持」が法案として可決され、来年1月31日から個人での使用を目的とした少量の大麻の所持が合法化されることとなった(CNNより)。 2016年に医療大麻を解禁したオーストラリアだが、現在もオーストラリアの連邦法で大麻は違法薬物として指定されている。ACTは大麻を合法化することで、積極的に大麻市場を政府の管理下に置き、最小限の法的フレームワークを設定することで粗悪品の流通による被害を最小限に抑えることを目的としている。豪州の6州と2特別地域で大麻の個人使用を合法化したのは今回が初めてであり、オーストラリア検察庁はACTの法案における立場を尊重する旨の見解を公式発表している。アメリカの11州、スペインやポルトガルやカナダなどの国に追随する形の政策となる。

 オーストラリアはカナダ同様に大麻が既に広く浸透しているが、豪州政府によると、2017~18会計年度内に起きた乾燥大麻関連の逮捕は7万2000件を超える(CNNより)。

 大麻売買の取引の殆どが違法に行われているが、オーストラリア政府は、これらの売り上げに対して税金を全く回収できていないのが現状である。オーストラリア政府Parliamentary Budget Officeの試算によると、大麻の合法化により年間20億ドルの税収を見込むことができ、36億ドルの経済効果が見込める。

 今回の法案は18歳以上を対象に最大50グラムまでの大麻所持を認め、1人当たり2株、もしくは1世帯当たり4株までの栽培が許可する。未成年による大麻の所持は違法となるため、大麻の栽培と収穫後の保管は子どもの手の届かない所で行わなければならず、子どもの近くで大麻を喫煙することも禁じられる法律が制定される。

 また、新しい法案は大麻市場を合法化するものではなく、既定の処方に基づいた大麻の購入・使用は処罰しないため、今まで通り大麻を売る側は処罰の対象になる。そのため、大麻の販売が違法のままでその種や苗はどこから入手するのかという疑問は残る。


本文=菅原万有 / 企画・編集=TORJA編集部