レゴブロックを使ったロボット競技会
レゴブロックを使ったロボット競技会「FLL」に日本から2チームが参戦

子ども達の熱い視線は仲間へ・ロボットへ・そして世界へ…
6月4日から7日にトロント大学にて9歳から16歳の子どもを対象としたロボット競技会「FIRST LEGO League (FLL) International Open-Canada 2014」が行われ、全72チームのうち、日本からは日本国内の大会により選抜された2チーム「Blue Star」と「BW2」が参戦した。
FLLの競技内容にはプレゼンテーションとロボット競技があり、毎年その年ごとの社会問題がテーマとして設定され、競技内容に反映されている。今年は「Nature’s Fury」がテーマとなっており、それに対して子どもたちが解決策を考えるという流れになっている。ロボット競技では救助ヘリを飛ばすミッションや木を切るミッション、流木や瓦礫(がれき)などの障害物の上を走るミッションなどを2分30秒の制限時間内に効率よくクリアしなければならない。この競技で用いるロボットはレゴの教育用ロボットキットを使用したもので、子どもたち自らが設計・組み立て・プログラミングをおこなう。
日本からの参加チームのひとつ「BW2」は神奈川県の新百合ケ丘を拠点として活動しているチームで、メンバーは中学1年生から高校1年生の8名で構成されている。チーム名は「ビギナーズ・ウィン・ザ・ワールド」が由来となっており、文字通り初心者だった彼らは日本で技術を磨き続け、ついに夢であった世界大会の舞台にたどり着いた。ロボット製作について、チームリーダーの増倉明寛君は「ミッションに合わせて、”すき間”を見つけるのがコツなんです。今回の大会では、ミッションに応じて5つのアタッチメントを製作しました。基本的には、設計が得意なメンバーを中心につくっていきますが、何か不具合があれば全員で話し合うというのがこのチームのスタイル。ただし、文句を言うだけではなく必ず解決策を提示する、というのがルールです。」と語った。
世界大会ともなると、国によってロボットのつくり方も異なるようだ。ロボットは「ベース」と呼ばれるフィールドを動く部分と「アタッチメント」と呼ばれるミッションごとに取り替える部分とがある。日本チームがミッションに合わせて次々とアタッチメントを取り替えるのに対し、海外チームは1つのアタッチメントで複数のミッションをこなしていく。その違いはなぜなのか話を聞いてみると、日本チームの場合はダイナミックなアタッチメントを使い、メカ的に動かすのが特徴であるのに対し、海外チームの場合はモーターを使い、なかば力任せでも短時間でミッションをクリアすることに重点が置かれているという。
今大会において「Blue Star」はハイスコア288点で59位、「BW2」はハイスコア497点で15位という成績となった。それぞれ課題が残る結果となったが、彼らにとっては収穫もあったようである。メンバーからは「カナダに来て、色んな国の人とお互いの国の話をしたり、ロボットの話をしたりできたのは面白かった。」「雰囲気の違いにはびっくりしたけど、また世界大会に出て今回よりもいい結果を残したい。」と、次につながる前向きな感想を聞くことができた。
一方、ここまで子どもたちを支えてきた保護者の方たちの目にはどう映っているのか。「FLLには、ロボットの組み立て・プログラミング・プレゼンテーションなど様々な要素があります。そのなかで、デザインが得意な子もいれば英語が得意な子もいて、それぞれ個性が活かされるのが競技の魅力のひとつだと思います。また、ロボットだけうまく操作できればいいというものではなく、社会問題について真剣に考えることや人との繋がりというのも非常に重要な要素になっています。」とFLLの魅力を語っていただいた。子どもだけでなく、保護者の方たちのサポートも含めた総合的なチーム力で、世界大会への切符を手にすることができたようだ。
また、子どもたちと共に熱気あふれる戦いに挑んだコーチの増倉武さんは、大会を振り返ってこう語った。
「率直な感想としては、国内大会だけで終わるのではなく世界大会に参加できて本当に良かった、というところです。世界大会での出場が決まってからロボットの改良とプレゼンテーションの英語化を2ヶ月という短い期間で仕上げなければなりませんでしたが、子どもたちはきちんとまとめあげました。準備期間を通じて個人の能力、チームとしての能力ともさらに成長したと思います。こうしてチームとして作り上げてきたものが世界の舞台でどれほど通用するのか、しないのか…それを実感できることが世界中同じルールで行われるFLLに参加する醍醐味だと思います。
FLLは単なるロボット競技ではなく、与えられたテーマに関する解決策のプレゼンテーションなど、いろいろな要素が含まれています。さらに、それらの活動を支える精神がCore Valueという形で定義されています。ここでは、チームとして活動することの重要性、結果よりも何を学んだかが大事、など様々なことが語られています。活動に取り組む姿勢として“Gracious Professionalism”という言葉が大会内に何度も語られました。これは、自分たちの成し遂げたことに誇りを持ちながらも他者への敬意を忘れないという理念で、ただ勝てばいいという大会とは明確に一線を画しています。子どもたちが自分の得意分野を活かしながらチームでひとつのことを成し遂げることができるようによく考えられたプログラムだと思いますので、ご興味のあるお子さんはぜひ参加することをお勧めします。必ず得るものがあるはずです。」
ミッションをクリアするごとに飛び上がったりガッツポーズをしたりしながら素直に喜び合う子どもたちの姿は微笑ましく、また羨ましくもあった。「チームで活動することが楽しいし、それが僕の原動力です。」と話してくれたメンバーがいた。年齢制限の関係でチームを卒業しなくてはならないメンバーもいるそうだが、さらにパワーアップしたチームになって、またカナダ・トロントで最高の戦いを見せてほしい。








