粋と昼寝
みなさんこんにちは。今回からたまに登場予定の赤羽です。以後お見知りおきを。
さて、先日思いがけず“粋”に出くわしました。というのも、映画の中なんですが。
Japan Foundationにて定期的?に開催されている日本映画の上映会にて、「ハラがコレなんで(英題:Mitsuko Delivers)」という映画の上映がありました。ごく簡単に内容をまとめると、臨月の妊婦が義理と人情でまわりの人を元気づける、というような話。劇中でことあるごとに、「粋だねえ」という妊婦の主人公みつこ。自分も夫に捨てられて極貧だというのに、他人の不幸を放っておけない。雲の流れるままに行き先を決め、困っている人に全財産をささげる。そう、まるで寅さんのような妊婦。
ちなみに「粋だねえ」の英語訳は「That’s cool」。反対語の「野暮だねえ」は「That’s not cool」だった気がします。何をするにも「粋」か「粋じゃない」かで判断するみつこ。Cool or not。明快で好きです。鬼平犯科帳の好きな私は、つい長谷川平蔵に思いを馳せてしまいました。鬼平も粋なんです。おすすめです。
同所で上映される日本映画は英語字幕付き。お客さんも、カナダ人と日本人が半々か、もしくはカナダ人の方が多い時もあります。コメディ映画で気になるのは、笑い所が同じなのかどうかという点。基本的には同じかなあと感じますが、たまに、「何故そこで笑うの!?」といったところで爆笑している人も。それもひっくるめて、カナダ人と日本映画を見るのは楽しいですね。ちなみに、ここの上映会では毎回お菓子と飲み物が用意されているのも非常に素敵なポイント。そして無料。映画もお菓子も。素晴らしい。粋ですね。
「行き詰ったときは、昼寝をすればいい。風向きが変わったら、またどーんと行けばいい。」みつこの生き方です。ぐっときました。涙腺が輪をかけて弱くなってきている私は、ジーンとしてしまいました。見えない何かに追われるかのように、あせったり不安になったり。自分で自分をがんじがらめにしてしまいがちなこの世の中。私も昼寝、しようかな。