カナダで看護師を目指す人へ!JAMSNET主催 看護師キャリアセミナーが開催!
JAMSNETはカナダ在住の医療従事者で構成される団体で、セミナーなどを通じて情報を発信し、日本で医療関係者がカナダでも就業できるようサポートを行っている。今回のセミナーでは、講演者がナースを目指す来場者に向けて自身の仕事内容や経験談をシェアしたほか、座談会で交流も行われた。
第一部 ナースのお仕事 in オンタリオ
各病院や施設で働く看護師や医療従事者が講演。カナダでの医療状況や看護師を取り巻く状況、お仕事についての概要が語られた。
トロント総合病院クリティカルケア 甲木政子氏
ICUにて看護師として勤務、現在副師長を務めるという甲木氏は、トロントの病院におけるICUの状況や、実際にICUで働くためのプロセスについて説明。有給で学校に通う、手当てを得ながら新たなサーティフィケイトの学習ができるなど、スキルアップし可能性を広げる環境が整っていると魅力を伝えた。
地域看護師 福島朋子さん
コミュニティーヘルスセンターで働く福島氏は、看護師事情について幅広く説明。助産師は無資格からでも挑戦でき、目指す人も多いという。自身が勤務するコミュニティヘルスセンターについては、医療公平性に基づき、言語の壁でドクターが見つからない難民や移民を患者として迎え、LGBTQ2の患者さんや戦争によりPTSDに罹患した患者さんなどの精神的サポートも行っている。
Mount Sinai病院 産科 徳原純子氏
日本で12年間看護師を務めたのち、カナダで16年RN(レジスタンスナース)を経験してきた徳原氏。自身の勤務するMount Sinaiは産科の医療が進んだ総合病院で、年間7千件の分娩を行うという。子宮内の胎児の手術など高度な技術を有する屈指の病院であるほか、強力なサポート体制で子供やお母さんの安全を守っていることをアピールした。
トロント市保健師 林あすみ氏
林氏は保健師の職について説明。トロント市の保健所はカナダ最大規模だという。感染を心配することなく薬物利用者が安全に注射できる日本にはなじみのないザ・ワークスや、野球観戦をしている3人の絵を用いて「平等・公平・バリア」の概念に言及した。子育て支援でも活躍する林氏は、その後に大きい影響を与える幼少期にお母さんが育児に前向きになれるようなプログラムでのやりがいについて述べた。
トロント市Long-Term-Care施設 小林彰子氏
ワーキングホリデーでカナダに来加後、結婚を機に持っていた看護師資格をカナダでも活かすことにしたという小林氏。Long-Term-Care施設については、「長く入居している人と関係が築けるところがいいところ」だという。
精神科と地域医療を繋ぐチーム 斎藤ダフトン英子氏
ロンドンの病院に勤務する斎藤氏は、精神科と地域医療をつなぐ役割を果たしてきた。情熱と若さで海外に渡航した当初は看護師を目指す日本人も少なく戸惑ったが、現在は「医療に貢献できていることに嬉しさを感じている」という。デトロイトの隣町に勤務した経験から地域による予算の差を感じ、今のキャリアにつながっている。
第二部 ナースへの道 in オンタリオ
看護師免許取得や新たな道に挑戦する講演者が看護師になるための具体的なプロセスについて体験談を交えて具体的に説明。看護師以外の医療従事への道も示された。
一からオンタリオでナースになる方法 福島朋子氏
福島氏は、日本の大学在学中にトロント大学看護部に入学し卒業。看護学の学士の有無でRNになるためのプロセスが変わるという。自分に合った大学やプログラムを選別出来るとし、パートタイムで働きながら学校に通う人なども多いと語った。
日本の免許を使ってオンタリオで ナースになる RPN編 高岡愛氏
日本で看護師として勤務した後、現在はジョージブラウン大学で学び正看護師の免許取得を目指す高岡氏。NNASやCNOなどの看護師になるための具体的なプロセスや、周りの友人の状況などを共有した。英語に関してもIELTSの高い基準が求められるとし、苦心した自身の体験談も明かした。
日本の免許を使ってオンタリオで ナースになる RN編 門野瑞穂氏
カレッジでRPNを取得し、現在RN取得を目指しているという門野氏。知っておきたいルールNCQや、オスキーとよばれる実技試験に触れたほか、各大学の入学条件を紹介した。
永住権なしからRNになる方法 杉本未来氏
13年間日本の小児病院で勤務した経験を持つ杉本氏は、現在RNとしてケアホームや病院に勤務している。カナダ留学セミナーに参加し出会ったリクルーターのお話や進学後の家族の待遇について聞き、カレッジ進学を決心したという。
短期間で取得できるナース以外の医療資格 ステポナイティスゆかり氏
RPNとして働き、現在はRN取得に向け学ぶステポナイティス氏は、2年以内に取得可能な看護師以外の5種類の道を紹介。自身も3年間働いていたという介護士は、ワーホリビザでも働けるという。カルテや採血の準備などをする検査技師、リハビリ計画を立てるアシスタントなど幅広い道を紹介した。