マイケル・チャン・オンタリオ州国際貿易大臣 ジェトロ眞銅竜日郎理事と会談 @オンタリオ州国際貿易省
6月21日、オンタリオ州国際貿易省にて、マイケル・チャン・オンタリオ州国際貿易大臣と日本貿易振興機構(ジェトロ)眞銅竜日郎理事との会談が実現し、意見交換が行われた。ジェトロはこれまでよりオンタリオ州政府とは長きにわたって良好な関係を築き、両国間のビジネス促進に努めてきた。
オンタリオ州、経済面でのパートナーの多様化における日本の位置付け
会談の冒頭、チャン大臣は、米国のトランプ政権の発足およびTPP離脱など同政権の政策方針を受けたことにより、カナダおよびオンタリオ州は米国への経済面での過剰な依存度を下げ、パートナーの多様化を進めることが大きな課題であるとした。そして特にこれまでもオンタリオ州への貢献が大きかった日本との関係強化をしていきたいと発言。その中では実際に2015〜16年にかけてオンタリオ州から日本への輸出量が15〜20%ほど増加しているというデータについても言及した。
これに対し眞銅理事もオンタリオ州が日本にとって、非常に重要なパートナーであることを強調。次にジェトロが安倍政権上で経済成長にとっての重要なエンジンの役割を担っていることを述べ、海外74ヵ所のみならず、日本国内にも47ヵ所の事務所を有している本機関は、日本の各地域と海外を直接につなげることができる要であるとした。
海外のみならず国内拠点を数多く持つジェトロの体制に、チャン大臣は驚きの表情を浮かべ、ジェトロの最重要任務は地方の中堅・中小企業の海外展開の支援、また投資誘致の支援であり、対日投資の実績では、これまでの案件の6~7割が東京に集中しているため、今後はそれを地方に分散させていくのが重要だという眞銅理事の言葉にも真剣に耳を傾けていた。
双方間における日加経済発展の鍵とは
チャン大臣は、今後オンタリオ州と日本がより経済関係を発展させていくにはどのようなことが求められるかという点について問い、それに対して眞銅理事は、米加を併せて見てもトロントは第3位の経済規模を誇り、日本にとってオンタリオ州がいかに重要なパートナーであることを再度述べた後、昨年10月に日加政府が日加次官級経済協議(JEC)を開催した際に、ジェトロ・トロント事務所には「日加ビジネス促進窓口」としての機能を果たすことが明言されたことについて言及。具体的には在加日系企業の声を集約してJECの場で提言することが求められている機関であるので、今後もしっかりとその役目を果たしたいとした。
さらに双方間における日加経済発展のための新たな協力分野については、5月26日に東京で行われたジェトロ石毛博行理事長とシャンパーニュ加国際貿易大臣との間でも合意されている通り、ジェトロ側から日加間でのイノベーション交流の促進をすべきであると回答し、また本出張前には、在京カナダ大使館のアレクサンダー公使と同件について議論してきた点についても強調した。
特にカナダが強みを持つとされる、フィンテック、ICT、バイオ、ナノテク分野において、大企業をはじめ、スタートアップ、ベンチャー、大学や研究機関も全て含み、日加をつなげる取り組みをしたいと述べた。これを受け、チャン大臣は提案を高く評価し、オンタリオ州としても有力な企業の紹介等で貢献したいと発言。今後の日本企業との協業に対して、協力姿勢を見せた。
その後会談では2020年開催が決まっている東京五輪や日本での万博開催に対する期待などについても語られることとなり、今後も日本とカナダ、オンタリオ州間のビジネスにおける関係をより強固なものへと昇華するため、ジェトロはその主要窓口としてこれからも互いに協力し合っていくとの意見の合致が見られた。今回の意見交換会で述べられたことが実現し、この先の日加間の経済関係がより発展していくことを強く望む。