トロントの通勤時間が意外と短い!?|白ふくろうのネタ探し【第14回】
カナダでは、2日から仕事の方も多かったのではないでしょうか。日本のお正月を思うと本当に寂しく思いますね。まあ、その分先にクリスマスで楽しんでいるのであまり贅沢は言えませんけどね。白ふくろうもこのクリスマス休暇で、しっかり冬ごもりのための栄養を蓄えました。本当は蓄えなくても既にたっぷり蓄えているのですが、まあそれはそれとして。
2016年に実施された国勢調査2016Censusの詳細分析結果レポートが続々と発表され、11月29日には通勤時間分析が発表されました。
通勤は、その地域の雇用、企業、そして地域経済に直接関係する重要な要件で、特に市町村単位での都市計画に欠かせないものです。その主な要件とは、個人にかかる通勤コスト(当地では、日本のように通勤費補助などの考え方がないのでこれは非常に重要)、公共交通機関経済費用(料金を決める要素として投資金額、効率生産性など)、そして間接的ではありますが通勤時間が長いと健康への影響も。さらには、環境への影響(車使用を減らし、公共交通機関の利用を増やす努力)。そして、ワーク・ライフ・バランスの健全化など。
今回の分析では、主に1996年から2016年の増減に注目しています。
まずは、通勤者数。
通勤者数は1996年より370万人増え、1590万人となっています。
その内、都市圏に住む人は、1996年…860万人(70.5%)、2016年…1170万人(73.5%)となっており、都市圏集中が強くなっています。
その間カナダの人口も増え、都市圏への人口流入も強まっていますので、当然の数字かと。
通勤手段で見ると、カナダ全土平均では、車利用79.5%、公共交通機関12.4%、徒歩・自転車6.9%、その他1.1%となっており、ほぼ8割の人が車で通勤しています。過去20年間の増減率では、公共交通機関利用59.5%増加、車利用28.3%増加となっており、公共交通機関を利用する人が大幅に増えています。これは、環境にも、費用負担的にもいい傾向と言えるのではないでしょうか。
あ!そうそう、自転車の利用も急増しており、その伸び率61.6%。皆さん、健康志向になったのでしょうか。それとも環境志向?もしかして車に乗らない世代が増えた?
しかし、トロント圏では、車利用68%、公共交通機関24.3%、徒歩・自転車6.7%、その他0.9%となり、車利用が10%強低くなっており、その分公共交通機関利用が増えています。白ふくろうは、トロントでは車利用がもっと少ないのではと思っていましたが、意外と多くの人が依然車通勤をしているのですね(白ふくろうも通常は車通勤ですので、あまり言えた身ではありませんが)。
日本の国勢調査データによると、自家用車46.5%、鉄道電車16.1%となっており車通勤が半数近くになっていますが、これは地域性が多いに反映しているようで、東京では、自家用車9.4%、鉄道電車44.5%と逆転しています。この東京の実態は、大いに頷けます。
では、問題の通勤時間はどうでしょうか。
カナダ全土平均でみると、片道26.2分だそうです。これって、すごく短いと思いません?平均ですよ。ということは、これ以下の人が半分近くいるということ。トロントでは、若干長くて34分だそうです。ちなみに日本の首都圏データ(アットホーム調査2014年)では、5年以内に住宅購入した子持ちサラリーマンの平均通勤時間は58分だとか。日本では、理想通勤時間が35分だそうです。とすると、トロントはほぼ理想的な通勤時間ということになりますね。
でも、交通手段によってかなり差があるようです。
トロントの場合、車通勤平均30.3分、公共交通機関通勤平均49.5分、徒歩・自転車通勤17.1分となっています。ここでもちょっと意外なのが、車通勤時間。30分強というのはかなりいい感じの気がします。
でも、ここで白ふくろう、無い頭で思いついたことがあります。
このデータって、事故や悪天候がないことを前提にした回答をベースにしているということ。自分が国勢調査で回答したときも、たしか“通常”という条件があった気がしますし、白ふくろうもそれで答えた気がします。
実態は、事故、故障、悪天候による渋滞があり、通常所要時間の2倍、3倍当たり前。白ふくろうの経験でも普段20分くらいで着く距離に2時間かかったこともあります。カナダの通勤も楽じゃありませんからね。できれば、白ふくろうも公共交通機関で通勤したいのですが、郊外へ外出する機会が結構な頻度であるので、やはり車が必要なんですね。え!飛んでいけばいい?そりゃ、できれば…
でも、トロントの公共交通機関も朝夕のラッシュ時は相当混むそうですよ。乗り切れない人が出るほどだとか。でも、東京の鉄道、特に山手線の混雑度に比べらたまだまだ。なんと山手線の混雑度は160%だそうですから。ピーク時、山手線を横からみると、本当に丸くたわんでいるそうですよ。よくあれだけ人を詰め込めるものです。
白ふくろう
1992年音響映像メーカー駐在員として渡加。8年の駐在の後、日系物流会社に転職、休眠会社を実業会社へ再生再建。2007年より日系企業団体事務局勤務、海外子女教育・日本語教育にも関心が高い。2009年より、ほぼ毎日トロントやカナダのニュースをブログ(カナダはいいぞ~。トロントはもっといいぞ~)で配信している。