トロント対談 山本美憂さん x Hiroさん Part2

トロント対談
レスリング山本美憂さん x salon bespokeオーナー Hiroさん

ZakkushiのKazuさんと

ZakkushiのKazuさんと

山本美憂さん。2011年、ヨーク大学のコーチに就任した事により拠点をトロントに移し、3人の子供の母親として、そしてアスリートとして、子育てとトレーニングを両立するという多忙を極める日々を送っている。前回に引き続き第2回目となる今回は、美憂さんを応援する支援プロジェクトの先駆けとなったZakkushi on Carltonで行った。今回は、ZakkushiのKazuさんからも、このプロジェクトに至るまでのお話を伺った。

美憂さんを応援する支援プロジェクトを始めることとなったきっかけは、何だったのでしょうか?

Kazu:最初は、うちの社長から美憂さんのサポートのために何かできないかという話をもらい、そこから美憂さんと知り合いました。その後、実際に美憂さんとお会いして、どういったようにやっていくのがベストな方法なのかお話をさせて頂いて、うちはほうじ茶プリンを提供して、そこから活動資金を集める形でサポートさせて頂くことになりました。自分たちお店としても新たな取り組みで、僕個人としても、そこから何か新しいものが見えてくるのではないかなと感じました。まずはここCarltonの店舗から始め、今ではバンクーバー2店舗とトロント3店舗で行っています。
美憂:カナダの会社からサポートやスポンサーを得るのは難しいです。そういった中で、こういったサポートをして頂けることとなって本当にありがたく思います。
Hiro:カナダの会社からスポンサーを得るのが難しいのなら、まずはカナダ、トロントに住んでいる僕たち日系コミュニティーが動かないと、という気持ちになりますよね。
Kazu:美憂さん本人が1番高いところを見ていると思うので、僕個人としても、少しでも美憂さんの集中できる環境作りのサポートをしていきたいという気持ちです。僕たちに出来ることはしていきたいですね。
また、僕も子供がいるので、そういった部分でも親近感がわき、応援したい気持ちになりました。この記事を通して、読者である若い人たちやもっといろんな人たちに美憂さんを知って頂いて、皆さんで盛り上げていきたいですね。

レスリングと家事の両立で忙しい日々だと思いますが、普段はどのように過ごしていますか?

美憂:その時にもよりますが、休みの日は息子がハマっているスケートボードをさせに行ったり、夏は家から近いビーチにもよく行ったりしました。 普段は、午前は他のアスリートたちも通うジムで体を造るトレーニング、そして午後はレスリングのクラブチームで練習しています。
Hiro:お子さんにレスリングまたはスポーツの道へ進んでほしい気持ちはありますか?
美憂:本人達がしたければね。将来、スポーツの道へ進むなら、私自身がアスリートとして、子供達の気持ちも理解してあげやすいかなとは思うかな。でも一番は、本人たちがやりたいことを見つけて一生懸命やって欲しいね。
Hiro:オリンピックが終わっても、トロントで生活しますよね?
美憂:そうね。だからやっぱりカナダ国籍を取得して、カナダ人になろうと思ったんだろうね。レスリングの環境も凄く良いしね。チームメイトにはカナダ代表選手や、今年はトロントが開催地だったパンアメリカン競技大会のチャンピオンもいるし。コーチ陣も良いコーチばかり。
Hiro:日本のレスリングとカナダのレスリング、違いはありますか?
美憂:簡単に言うと、技の日本、力は外国人。だから、日本はスピードと技術で勝負して、カナダは力技で勝負しているように感じるかな。
Hiro:自分のプレースタイルに変化はありましたか?
美憂:カナダに来て、カナダのプレースタイルに合わせるようになってから一度、スピードが遅くなったんだけど、これは自分のスタイルではないと気付いたのね。それで最近、ラスベガスで開催された世界選手権にテレビの解説の仕事をする為に行って来たんだけど、その時に日本代表選手とも練習が出来て、やっぱりこれだなと再確認できたし、良い勉強にもなったのが印象的だったね。

将来、トロントでチャレンジしてみたいことは何かありますか?

美憂:ZakkushiのKazuさんともお話ししているのですが、将来的には、子供たちをメインにした体づくりのようなイベントをしたいなと考えています。それが、応援してくださるトロントのみなさんに、私ができる恩返しの一つだと思うので。
他には、国を超えて子供たちの交流もできたらなと思っています。例えば、日本に住んでいる子供たちが、夏休みの期間を利用してトロントに来て行うサマーキャンプのような。トロントで生活している自分の子供たちを見ていて、日本では体験できないことがたくさんあるなと思ったので。子供たちも世界に目を向けて、広い視野で育っていってほしいなと感じます。
Hiro:僕を含め、周りにもその様に言っている方々が多いです。やっぱり、若い頃から世界へ出て、違う国の人と出会うことで刺激を受け、早い時期に感覚的にもグローバルスタンダードを養うことは本当に大切ですよね。
美憂:特に、トロントは多民族なので、子供たちは他の国の人たちと暮らすのが当り前になっています。私は、そういう部分が子供たちにとってすごく良かったなと感じています。強い言い方をすると、将来大人になってから、文化の違いや言葉の違いから差別や偏見の目を持ってほしくはないので。

このほうじ茶プリンを頼むとその一部が活動資金へ寄付される。12月上旬に、新メニューに変更予定。

このほうじ茶プリンを頼むとその一部が活動資金へ寄付される。12月上旬に、新メニューに変更予定。

世界の舞台で戦う美憂さん。そんな美憂さんを支えるモットーは何かありますか?

美憂:母親から教えてもらった言葉が二つあります。実行できているかどうかは分かりませんが、いつも思い出すのは、「もう一息」という言葉です。辛くなっても、もう一息前に出る。そうするときっと自分が成長しているだろうし、違う景色が見えてくると思うので。もう一つは、いつも笑顔でいてほしいので、「いつも心に太陽を」という言葉です。この二つの言葉は、いつも大変な時、辛い時に頭の中に思い出しています。

最後に、夢を持ってトロントへ来た人たち、目標に向かって走り続けている人たちにメッセージをお願いします。

美憂:外国に来ていると、日本にいる時とは環境ががらっと変わるので、寂しくなったり、何で今自分がここにいるんだろうと思ったり、そういう風に思うことは皆さんもあると思います。私自身もそういう風に思うことがあります。でも、頑張っているといろんなところでいろんな出会いがあるし、自分にとってプラスのことだってあるはずです。その時はマイナスに見えていても、時間がたてばプラスだったなと思うことがいっぱいあるから、諦めないで頑張ってほしいです。


Hiroさん
名古屋出身。日本国内のサロン数店舗を経て渡加。若い頃から憧れた、NYの有名サロンやVidal Sassoonからの誘いを断り、世界中に展開するサロンTONI&GUY(トロント店)へ 就職。1年目から著名人の担当や撮影等も経験し、一躍トップスタイリストへ。その後、日本帰国や中米滞在を経て、再び、トロントのTONI&GUYへ復帰。クリエイティブディレクターとして活躍し、北米TOP10も受賞。2011年にsalon bespokeをオープン。今現在も、サロンワークを中心に著名人のヘア担当やセミナー講師としても活躍中。
salon bespoke
Tel: 647-346-8468
130 Cumberland St. 2nd floor
salonbespoke.ca


山本美憂さん
神奈川出身。ミュンヘンオリンピックレスリング代表であった父親・山本郁榮により幼い頃からレスリングの英才教育を受ける。13歳で第1回全日本女子選手権優勝、その後4連覇を達成。17歳で初めて出場した世界選手権では史上最年少優勝を成し遂げ、計3度世界選手権優勝を果たすなど、輝かしい実績を持つ。2011年よりトロントを拠点に活動し、2016年リオデジャネイロ・オリンピック出場を目指す。