トロント対談 杉本清香さん x Hiroさん

教育、美容という全く異なったフィールドで活躍する2人、杉本清香さんとHiroさん。美容師とお客さんとして出会った15年前、「何かを成し遂げよう」とチャレンジしている姿にお互いが衝撃を受け、その後も定期的に近況を報告し合う仲となる。お互いに「負けていられない」とそれぞれの分野でステップアップしていく姿から、いつしか周囲に「戦友」と呼ばれるようになった2人。お互いを意識し続ける理由、学ぶということ、そして今後について語ってもらった。
■ 杉本さんが情報学に興味を持たれたきっかけは何ですか?
杉本:2000年代前半、インターネットが世に広がり始めて、世の中がどんどん変わっていくのを目の当たりにしたことがきっかけです。情報という「形のないモノ」がこんなにも世の中を変えられるということが衝撃でした。何も持っていない私でさえ、情報を学び情報の世界に携わることで、世の中を良くしていく活動に参加できるのではないかと思いこの道を選びました。そしてどの分野が最も直接的に人々の生活向上に役立てるかと考えたところ、医療・教育の分野が先に浮かびました。
■ お2人の活躍している分野は全く異なりますが、「戦友」と呼ばれるような関係性になったのは何故なのでしょうか。
Hiro:僕がトロント1年目でまだ語学学校に通っていた頃、一部の留学生の授業に対する真剣度、夢や目標に対する温度差に疑問を感じていました。だから、そんな頃に清香さんと初めて出会い話した時に、凄く共感できてホッとしたんです。「夢に向けて熱いですけど、遊びも控えてコツコツと努力してますけど何か?」って(笑)。違う分野でも、同じような考え方の人がいた、自分は間違っていなかったんだ、と思えたと言いますか。それが嬉しかったんだと思います。それと同時に負けていられない、とも思いました。メラメラ燃えるような良い意識をもらえたことが今の関係に繋がっていると思います。
杉本:Hiroさんと出会った留学時代、限りある時間の中で最大限の結果を出すために、どのような時間の使い方をしたらいいのか、ということは本気で考えていましたね。そこで意気投合したのかもしれません。どのような業界でも、何かを成し遂げたいと行動する人たちは共通の問題や困難に直面する傾向があるのではないかと感じています。
■ 「学問、教育」のフィールドに身を置かれている杉本さんですが、杉本さんにとって「学ぶこと」とは何でしょうか。
杉本:私などがそれを語るのもおこがましいですが、個人的なレベルで言えば、私にとって学ぶというのは、世の中を見たり聞いたり体験したりして楽しみ、さらに面白い(そしてできるだけ良い)世の中にしていくことです。書物を開く、暗記をするというのはメソッドにすぎません。
現在アジアやヨーロッパなど非英語圏の教育機関において英語を媒体とした授業や、英語のみで学位を取得することが可能なプログラムが急増しています。少なくとも非英語圏の50か国で授業の英語化が行われている状態で、その数は今後も更に増加すると見込まれています。例えばイタリアでイタリア料理を学びたい、という人は、英語さえできれば、イタリア語を習得せずともイタリアで料理を学ぶことが可能になるのです。情報技術の発達もあいまって、自分が「面白い」「学びたい」と思うことがあれば、留学の敷居は低くなり、どんどん世界に飛び出していけるようになります。
学先で同じような関心を持っている人に出会えるかもしれないですし、私とHiroさんのように目指す分野は異なっていても「何かやってやりたい!」と思う同士が出会って、すごく良い刺激になることもあると思います。そうやって世の中を楽しむのも勉強、学びだよ、こんなに楽しいんだよ!ということをもっと伝えたいですね。
Hiro:教科書やネット上で文書化されている情報を集めることだけが、勉強ではないですからね。人に会いに行ってお話を聞くだけでも勉強になることがあるわけですし。僕自身、今の自分になれたのは、若い時に清香さんをはじめ、各分野で頑張っている人たちに出会えたことが大きかったと思います。
■ 今後の展望、チャレンジしたいことを教えてください。
Hiro:僕は、清香さんのフィールドのもう少し近くで共通の繋がりを作りたいですね。良い意味で狭い世界にしていきたい。そうすることで、今後、我々それぞれのキャリアで関わった人たちが、何らかの形で新しいコミュニティを作っていくことが自然発生的に起こると思います。そのコミュニティの中で、個々人が優れていることをお互いに学びとっていけるような世界が出来ていくと良いですよね。
杉本:私は「自発性」「ネットワーク化」をキーワードに、オルタナティブな学びの「場」を作っていくことに挑戦していきたいと考えています。例えば、学校の枠を越えたセミナーや、国境をまたぐ遠隔授業、社会人を対象とした授業の展開。様々な枠を超えて、「本当に学びたい」人たちが集まると、良い緊張感が生まれると思うんです。所属は全くバラバラでも、あるトピックに関心がある、という共通項を中心にICTも活用しながらネットワークを広げて学びを展開していく。そういうスタイルが時代に合っていると思うし、面白いだろうなと思います。
Hiro:大学や国の枠を越えた教育で、次の世代の日本人が様々な場面で従来の枠組みを越えて切磋琢磨していけるようになること、我々のような異業種間の関わりもどんどん生まれていく事を願いたいとで、今後、我々それぞれのキャリアで関わった人たちが、何らかの形で新しいコミュニティを作っていくことが自然発生的に起こると思います。そのコミュニティの中で、個々人が優れていることをお互いに学びとっていけるような世界が出来ていくと良いですよね。
杉本:私は「自発性」「ネットワーク化」をキーワードに、オルタナティブな学びの「場」を作っていくことに挑戦していきたいと考えています。例えば、学校の枠を越えたセミナーや、国境をまたぐ遠隔授業、社会人を対象とした授業の展開。様々な枠を超えて、「本当に学びたい」人たちが集まると、良い緊張感が生まれると思うんです。所属は全くバラバラでも、あるトピックに関心がある、という共通項を中心にICTも活用しながらネットワークを広げて学びを展開していく。そういうスタイルが時代に合っていると思うし、面白いだろうなと思います。
Hiro:大学や国の枠を越えた教育で、次の世代の日本人が様々な場面で従来の枠組みを越えて切磋琢磨していけるようになること、我々のような異業種間の関わりもどんどん生まれていく事を願いたいですね。
Hiroさん
名古屋出身。日本国内のサロン数店舗を経て渡加。若い頃から憧れた、NYの有名サロンやVidal Sassoonからの誘いを断り、世界中に展開するサロンTONI&GUY(トロント店)へ 就職。1年目から著名人の担当や撮影等も経験し、一躍トップスタイリストへ。その後、日本帰国や中米滞在を経て、再び、トロントのTONI&GUYへ復帰。クリエイティブディレクターとして活躍し、北米TOP10も受賞。2011年にsalon bespokeをオープン。今現在も、サロンワークを中心に著名人のヘア担当やセミナー講師としても活躍中。
salon bespoke
Tel: 647-346-8468
130 Cumberland St. 2nd floor
salonbespoke.ca
杉本清香さん
早稲田大学卒業。トロント大学情報学科博士課程修了。早大非常勤講師、青山学院大学助教などを経て現在順天堂大学医学部助教。トロント大学在学中よりCentre for Global eHealth Innovationにて医療におけるICTの活用法について研究を行う。一方で、学生それぞれの夢を叶えるための英語教育にも力を入れている。










