トロント対談 トロントFC 遠藤翼選手 × salon bespokeオーナー Hiroさん
今年1月に開催されたメジャーリーグサッカー(MLS)のドラフトにて、トロントFCから1位指名されたMF遠藤翼選手。開幕後、初のホームゲームで初ゴールを決めると日本でも話題になった。そんな遠藤選手のヘア担当もするヒロさんのオファーによって、今回の対談インタビューが実現!MLSでの様子はもちろん、遠藤選手の人柄なども垣間見える貴重なインタビューを2号にわたってお送りする。
お二人の出会いについて教えてください。
Hiro: 出会いは、カナダ人の友人がトロントFC等を所有する会社MLSEで働いていて「遠藤選手のヘア担当しない?」と連絡をくれたお陰です。
ただ実は、あのドラフト当日の午後に僕はサッカー仲間の日本人大学生のヘアカットをしてたのですが、その彼が突然「さっき、アメリカの大学に留学した友達がトロントFCにドラフト1位指名されたんです!」って、翼君の入団発表の写真を見せてくれたんです。そんな感じで翼君の事を知ったので、僕は既にその日から、勝手に一方的なご縁を感じてましたけどね(笑)
遠藤:髪を切るときって、日本人の美容師じゃないと細かいところまで伝わらないことが多いじゃないですか。その意味で、アメリカにいた頃は結構苦労していました。今は、すぐ近くにヒロさんがいてくださるので、とても助かっています。
Hiro:美容師としてやりがいを感じる、いい意味でのこだわりを翼君は持ってるので僕も楽しませてもらってます。でも今だから正直に言うと、最初は、なんか警戒心というか、変な緊張ムードを感じました…(苦笑)でも、その初対面でそのまま2人でご飯に行く事になり、そこで少しづつ打ち解けてくれた気がしますね。それから、ご来店時や食事の度に、もっともっと(笑)
遠藤:僕は緊張するタイプだったのですが、アメリカの大学に行ってからは人前で喋ることに対する苦手意識はなくなっていきました。自分の言いたいことを言わなければ伝わらない文化ですので。それと、一度仲良くなったら、社交的なんだな、って相手からは思われますよ。時間はかかると思いますけれど。(笑)
シーズンも後半に入りましたが、トロントFCのチームメイトから受けた刺激、印象的だった出来事などありますか?
遠藤:どの選手も調子には波がありますから、監督からの評価も常に変わっていきます。ただ、その中で、例えば、ジョヴィンコや、ブラッドリーやアルティドールは確立された状態を保っていて、彼らはスタメンからも外れないんです。スタメンで常に出ていても、毎日の練習で準備を怠らない、各試合の間の1週間という限られた時間を、頭を使ってきちんと準備する、というプロフェッショナリズムには刺激を受けました。
僕は、8月からスタメンとして試合に出られていない状態が続いていて、そういった苦しい時期に色々なことを考えて、色々な人に話を聞いて、たくさんのことを吸収してきました。試合に出ていないしんどい時にも、「どうすれば試合に出られるか」ということを頭を使って考えるようにしています。今きちんと考えておくことで、将来同じような場面に直面しても、自分で解決策が分かるようにしています。
チームとしては、トロントFCはピッチの外でも仲の良いチームです。もちろんピッチ上では激しく言い合いもしますけど、ロッカールームに戻れば後腐れなく、普通に話し合うことができます。良い関係がお互い築けているチームですね。
Hiro:僕は「若い時の苦労は買ってでもしろ」という言葉が好きなのですが、翼君はまさしくトップレベルでそれを体現しているので本当に凄いですよね。そして今の経験を活かして、将来はもっと輝いてる翼君が今から想像出来ますね。
初ゴールを決められた際のお気持ちはどうでしたか?
遠藤:シーズンが始まってからホームでの初めてのゲームで自分がゴールを決められたこと、チームが勝利したことは自信に繋がりました。それに、チームメイトが喜んでくれたのが嬉しかったですね。チームの一員になったな、という実感がありました。
今シーズンから、日本のテレビ局がMLSの放映権を取得したことで、日本でも多くの人が試合を観戦できるようになりました。日本でもMLSが注目されていくことは、1プレーヤーとしてどう思われますか?
遠藤:嬉しいですね。日本の人たちがテレビで試合を見られるということは、自分を見てもらう機会にもなりますから。僕は大学から海外に出ているので、僕のことを知らない人もたくさんいると思います。そういう人たちにとって、僕がどういうプレーヤーであるか、というのを見てもらえるのは嬉しいことです。
Hiro:BMOフィールドまで応援しに行った際、翼君がイタリア代表のジョヴィンコにでさえも怒鳴り散らすのを見ました。相手が誰でも、ピッチ内では自己主張をハッキリしている姿は流石だと感動しました。自分の意思伝達をしっかりする事は、上を目指すならばどの業界でも必須条件だと思います。各国のトップレベル選手も集まるMLSで戦う翼君の姿は、もっともっと多くの人に知られて欲しいと思います。
11月に行われるプレーオフに向けて、意気込みとメッセージをお願いします。
遠藤:プレーオフは何が起きるかわかりません。チームメイトと、最後まで集中力を切らさずにやっていきたいです。トロントでのホームゲームも決まっていますので、テレビで観戦したり、スタジアムへ足を運んでもらえれば嬉しいです。僕らプレーヤーにとってファンはとても大事な存在ですし、僕としては日本人の方にも多く見に来てもらえると、非常に嬉しく思います。応援よろしくお願いします!
次回、遠藤選手にとっての家族の存在など、サッカー以外の内容も盛りだくさんの対談インタビュー後編をお届けします。
遠藤翼選手
1993年生まれ、千葉県出身。12歳から18歳までJFAアカデミー福島に在籍し、卒業後アメリカ・メリーランド大学に入学。スポーツ強豪校で4年次には背番号10を背負い、2015年のビッグ・テン・カンファレンスではMost Valuable Offensive Playerに選ばれている。2016年1月のドラフトでトロントFCから一位指名を受け、入団。シーズン中に行われた2016年6月のカナディアンチャンプオンシップでのチーム優勝にも貢献した。
Hiroさん
名古屋出身。日本国内のサロン数店舗を経て渡加。若い頃から憧れた、NYの有名サロンやVidal Sassoonからの誘いを断り、世界中に展開するサロンTONI&GUY(トロント店)へ就職。1年目から著名人の担当や撮影等も経験し、一躍トップスタイリストへ。その後、日本帰国や中米滞在を経て、再び、トロントのTONI&GUYへ復帰。クリエイティブディレクターとして活躍し、北米TOP10も受賞。2011年にsalon bespokeをオープン。今現在も、サロンワークを中心に著名人のヘア担当やセミナー講師としても活躍中。
salon bespoke Tel: 647-346-8468
130 Cumberland St. 2nd floor / salonbespoke.ca
PV: “Hiro salon bespoke”と動画検索