カナダで働く日本人たち 第11回目 加藤 敬子さん トヨテツカナダ(豊田鉄工)
「カナダで働きたい・キャリアアップ転職をしたい」−−。そんな思いを抱いてカナダへ渡航した、またはこれから渡航しようと考えている人は多い。この企画はパソナカナダ協力の元、カナダで働く日本人を紹介し、彼らのキャリアや現在の仕事内容、さらにその職場を選んだ決め手など紹介することによって、カナダにおける就職・転職活動を考えるみなさんの手助けとなることを期待したい。
第11回目となる今回は、 国内3極、世界4極体制で活動するグローバル企業である鋼板・樹脂の自動車プレス部品メーカーのトヨテツカナダ(豊田鉄工)で通訳・翻訳者として働く加藤敬子さんにお話を伺った。
■ 現在の仕事内容を教えてください
2015年の2月より生産部門の通訳、翻訳業務を担当しています。ミーティング時の逐次通訳のほか、マニュアルや資料等の翻訳を行っています。自動車プレス部品メーカーならではの専門用語を覚えるのはチャレンジングですが、分からない点は理解するまで聞く、実際に部品や現場を確認する、議論の背景をしっかり把握するなどの努力を心がけています。
また、カナダ人と日本人では文化や仕事に対する考え方も違いますので、これをきちんと理解した上で双方向のコミュニケーションが円滑に取れるよう、笑顔で業務に携わっています。
■ これまでのキャリア形成を教えてください
日本で英会話教室のマネージャーとして働いた後、旅行会社に転職、その後カナダに渡り、カナダの旅行会社に勤めました。産休後の働き方を考えていた頃、ちょうどパソナが紹介している通訳・翻訳系の求人を見つけ、登録・応募をしました。カウンセリングと試験を通して私の経歴や英語力のチェックを経た後、トヨテツカナダでの通訳・翻訳の仕事を提案していただきました。
■ パソナのサポートやカウンセリングはいかがでしたか?
企業側は即戦力を求めているものだと思ったため、自動車部品メーカーという全く未知の分野に携わることは、これまでの経歴から少し気後れする部分がありました。しかし長年勉強してきた英語力を事前にテストしていただき、結果に基づき仕事の紹介をいただいたので自信がつきました。トヨテツカナダでの面接時には英語で聞かれた質問を日本語に訳し、また日英両方の言語で答えるという、通訳者に求められるスキルの審査も含まれていましたが、たくさんのアドバイスをもとに落ち着いて取り組めました。
■ 今後の目標やキャリアの展望をお聞かせください
トヨテツカナダで働いて2年になりますが、今ではいくつかのプロジェクトの通訳や翻訳を任せてもらえるようになり、一つ一つのプロジェクトに大きなやりがいを感じている毎日です。今後は通訳・翻訳者として一緒に働いている先輩方のように、経営や経理部門での業務にも携われるように仕事の幅を広げていくのが目標です。また、少し大きな夢でもあるのですが、カナダには日本の子ども達にも読んでもらいたい素敵な絵本がたくさんあるので、そのような絵本の翻訳などを手がけて、カナダの絵本を日本に紹介できたらいいなと考えています。
■ 経験重視といわれるカナダでキャリアを築いていくことを考えている皆さんにアドバイスをお願いします
カナダでは経験が重要だと言われていますが、資格を持っているかどうかも重要視されます。まずは自己アピールポイントは何であるかを見つめ直し、もし足りないものがあるのであれば、就職・転職に有利な資格を取ることも一つの選択肢かもしれません。それと、ネットワーキングはとても重要だと思います。私も前職の転職時には、友人や知り合いに自分の探している業界や職種の話を伝えていき、人の伝手でインタビューまで辿り着けたことがありました。カナダでの就職・転職では、知り合いからの紹介があるかないかでは大きな差があると思います。常に自分の身の回りで、ネットワークを広げていくことがキャリアを築く第一歩だと思います。
加藤さんの上司に伺いました。加藤さんって、こんな人!
Executive Administration Coordinator
三宅雅之さん:パソナ様から明るくて前向きな方です!と紹介された加藤さんは面接時でも、また一緒に働くようになってからもまさにその通りの方でした。弊社では、従業員を“人材”ではなく“人財”であるという考え方を大切にしており、その人の持つスキルや経験値以上にその人自身の姿勢・やる気に重きを置き、採用後もしっかり教育の機会を与えて育てていきます。翻訳では細かいニュアンスの部分まで正確に訳し、通訳時には議題の背景まできちんと把握して、社内のコミュニケーションを円滑にしてくれているので、非常に安心して仕事を任せることができています。