PASONA CANADA×TORJA、集中特別企画!カナダで働く日本人たち
第1回目 佐々木美和さん
Executive Assistant and HR Administrator, SPP Canada Aircraft, Inc.
「カナダで働きたい」―。そんな思いを抱いてカナダへと渡航した、またこれから渡航しようと考えている若者は多い。ここではパソナカナダの協力の元、カナダで働く日本人たちをご紹介。現在活躍している先輩たちのキャリアや現在の仕事内容、さらにその職場を選んだ決め手やオフの過ごし方などを知り、今後の人生設計の手助けとなることを期待したい。
連載第1回目となる今回は、2012年4月に設立された、民間航空機用脚(ランディング・ギア)を主要製品として開発・製造を行っている、住友精密工業の100パーセント子会社SPP Canada Aircraft, Inc.(以下:SPPCA)で、現地採用第一号として入社した佐々木美和さんにお話を伺った。
現在の仕事内容を教えてください。
現在私は主に2つの業務を行っており、その一つは総務人事部の事務職員として主に給料関連の全般を任されています。さらに、最近では採用面接の第一段階にも関わらせてもらっていて、面接官としてのトレーニングも受けています。上司のクラウディア、そしてパソナから派遣されている2名の派遣社員と私の計4名で総務人事部での仕事を行っています。
さらに2013年10月からはエグゼクティブアシスタントとしての業務も行っており、弊社大西副社長兼最高執行役員のサポートをさせてもらっています。会社経営の全容を間近に見ることができ、非常に勉強になっています。
これら2つを掛け持ちしているということもあり、仕事の日はなかなか自分の時間を持つことが難しいのですが、休日には主に趣味の映画鑑賞をして、翌週からの英気を養っています。
現在の職場で働くまでの経緯を教えてください。
私は2005年から3年ほどトロントで留学カウンセラーとして働き、その後一度日本に帰国。2012年に再びカナダへとやってきました。渡航前からカナダで仕事がしたいと考えていた私は、2011年の初旬にパソナカナダ(以下:パソナ)に登録、日本にいるときから担当者の和田さんと連絡を取っていました。また約5年会社現場から遠のいていたためそのブランクに危機感を覚えていた私は、日本滞在中に何かレジュメにかけるようなものを得ようと、TOEICに挑戦して自分の納得できる点数を取るまで月ごとに受験、さらに短期で翻訳の仕事をしたりと、ブランクを埋めるために必死になって自分磨きに励みました。
そして2012年1月にいざカナダへやってくると、到着後すぐに和田さんから面接予約の連絡をいただき、2月には和田さんとの面接を開始しました。その後、4月に現在の職場であるSPPCAでの派遣社員のお話をいただき、選考に臨むことを決めました。ですが、新会社であるSPPCAには当時まだ社屋や社員はなく、選考は8月末、勤務開始は9月からと、採用の決定までに時間があり、そこで採用されるという保証もありませんから、正直不安な気持ちも大きかったです。
そうしてSPPCAの選考に向け、採用募集要項にあった「経理経験」を得るべく、オークビルにあるハルトン・マルチカルチュラルセンターで移民者対象の経理とオフィスマネジメントの無料講習を受講してスキルアップを図りました。ここで学んだ経験は、現在の仕事全般を通して非常に役に立っていると日々感じます。また、講習を受けながら、大学で開催されている一般向けのワークショップに参加する事、他にも機会を見つけては面接を受けていました。
パソナからの紹介以外の企業の面接も受け、パソナからの紹介企業以外から正社員でのオファーをいただきました。そのオファーと、まだ受けてもいない、けれど入社したいと思っているSPPCAとの間で葛藤していたとき、和田さんに相談してみると、パソナの紹介ではない企業においてもメリット・デメリットをきちんと説明してくださり、とても親身になって話を聞いてくださいました。そのおかげで私は納得して決断することができ、パソナには本当に感謝しています。そうして満を持してSPPCAの選考に進んだ私は、無事に採用のお話をいただくことができたのです。その後9月10日に派遣社員として入社、2013年4月から正社員となって現在に至ります。働き始めてからもパソナからの手厚いフォローアップがあったことも含め、本当にパソナを選んで良かったと思っています。
働く場としてSPPCAを選んだ理由はなんですか?
選考当時、自分のキャリアビジョンとして一般事務で留まりたくないという思いがありました。SPPCAは派遣社員として一般事務職での入社となるのですが、設立から間もない会社のため、自分の努力次第では将来的に一般事務以外の仕事に挑戦できる可能性があると面接の中で仰っていただいたのが大きな理由でした。実際、入社してすぐの2013年3月に行われたグランドオープニングセレモニーのイベント企画なども任せていただきましたし、上司にも恵まれて現在さらに仕事の幅が広がっています。日々働く上でのモチベーションも上がりますし、会社の立ち上げ時から関わっているということもあり、なんとか会社を大きくしていきたいなという思いも一層強くあります。本当にこの会社を選んで良かったです。
SPPCAで働き始めてから約1年半ですが、これからの目標はなんですか?
上司の言葉の一つに「今時、日本も海外も関係ない。どこにいてもプロ意識と将来のビジョンをしっかり持って努力を怠らなければ必ず成功する」という言葉があります。今はまだ自分の中でこれといった明確なものはありませんが、この言葉を指標に日々自分にできる最善を尽くし、努力を怠らずに毎日を大切に過ごしていきたいです。
上司お二人に訊きました!
「佐々木さんってこんな人」
大西正之さん(Vice President & Chief Operating Officer)
彼女はその働きぶりから異例のスピードで派遣社員から正社員化し、さらに現在は通常業務に加え私のサポートも行っていただいている、非常に信頼のおける人物です。これまでにも何名かのアシスタントと仕事をしてきましたが、中でも彼女の優秀さは際立っていますね。
採用選考当時、私は彼女のレジュメを見て、一瞬にして他と違うなと感じました。日本でも貴重になった写真を添付、自分の足りない部分も含め素直に細部まで書かれた内容、並大抵の努力では取れないTOEIC 925点という点数、そして募集要項の経理経験に対して講習を受けるなど自分の足りない部分を補おうとする努力、…これらの要素から、彼女は自分を商品として差別化することができており、商才のある貴重な人材だと感じた私は、担当面接官に「彼女は採用すべきだ」との旨を面接前に伝えたほどです。できたばかりの弊社は少数精鋭で、一騎当千の人材が求められます。彼女は弊社にとってとても大きな存在で、これからもどんどんと活躍していってほしいと思っています。
Claudia Marquesさん(Associate Director, Human Resources and Corporate Administration Services)
彼女は現地採用社員第一号として、当時社屋もまだ完成していない、日本からの駐在員たちもまだ現地入りしていないという中で勤務を開始、工事靴にヘルメット姿で、未完成の社屋1階ロビーで一人働いていた時のことを今でも良く覚えています。このように初期の頃から会社に携わっている彼女は、マニュアルに従った業務ではなく、これまでの経験を元に改良案を提案することができる、非常に優秀な人材であり、私にとっても信頼に足る人物です。