PASONA CANADA×TORJA、集中特別企画!カナダで働く日本人たち
第2回目 浅野 弘さん
Associate Director / Deputy Branch Manager, Sojitz Canada Corporation
「カナダで働きたい」―。そんな思いを抱いてカナダへと渡航した、またこれから渡航しようと考えている若者は多い。ここではパソナカナダの協力の元、カナダで働く日本人たちをご紹介。現在活躍している先輩たちのキャリアや現在の仕事内容、さらにその職場を選んだ決め手やオフの過ごし方などを知り、今後の人生設計の手助けとなることを期待したい。連載第2回目となる今回は、自動車やプラント、エネルギーや金属資源、化学品、食料資源などの分野で全世界規模で幅広くビジネス展開している大手総合商社・双日グループのカナダ法人であるSojitz Canada CorporationでAssociate Director / Deputy Branch Managerを務める浅野弘さんにお話を伺った。
現在の仕事内容を教えてください。
Sojitz Canada Corporationはトロントとバンクーバーに事業所があり、トロントの事業所では航空事業と化学品事業の二つを大きな柱としています。航空事業ではボンバルディアのエージェントとしてボンバルディア製の航空機を日本の航空会社に販売、化学品事業ではポリマー(合成ゴム)を日本から輸入してカナダでの販売などを行っています。また、お客様への日々の営業活動のほか、カナダ東部エリアの経済、政治、市場情報収集や新規ビジネスチャンスの調査といった各種ミニプロジェクトなども行っています。以前は商社というと日本ベースの案件が多かったのですが、弊社グループが持つ世界95カ所の事業所のネットワークを駆使して、現在では北米間とヨーロッパや南米、日本以外の東南アジアからの仕事も多くなってきています。
トロント事務所の社員は少人数のため、一人一人がそれぞれに担当する仕事を持っています。私の職務としては担当営業業務の他、社員のマネジメントに加え、各事業部とトロント事務所全体の利益や財務マネジメントも行っています。
現在の職場で働くまでの経緯を教えてください。
私は日本で生まれ、中学1年生の頃に父の仕事の関係でシカゴに渡りました。それから大学までをアメリカで過ごし、卒業後、日本に戻って自動車会社のISUZUに就職。その後もFIATやBMWジャパンでマーケティングに携わり、幼少を過ごしたアメリカに駐在するなど、日本や海外で24年間、自動車畑で働いてきました。
私の妻はデンマークの出身で、結婚以来、15年間のほとんどを日本で過ごしてきたのですが、子供たちが手が離れてきたということもあり、そろそろ海外へ生活拠点を移してみようかと考え始め、2011年2月にカナダ・バンクーバーへと移ってきました。
そしてバンクーバー到着後すぐに仕事探しを開始。日系企業をリストアップして、そのすべての会社にコンタクトをしたのですが、なかなか良い縁に巡り会うことはできませんでした。
カナダに来る前は住み慣れた日本からほかの地域に移るということで、やることや考えることが山ほどありましたから、カナダ到着後のことはそれほど深く考える余裕がなく、新しい環境に行くということに対するポジティブな気持ちが大きくありました。ですが、到着してから2ヶ月を過ぎたあたりから、「妻や子供を養っていかなければならないのに」と、まるで断崖絶壁にでも立っているかのようなものすごく大きなプレッシャーがかかってきましたね。
その様な状況の中、ある日パソナカナダを紹介され、2011年3月に初めてパソナカナダにコンタクトを取り、現在の職場であるSojitz Canada Corporationの話を4月にいただきました。選考は最初に電話面接、次にトロントで面接、そして北米で人事を担当しているニューヨーク事業所との電話面接という3ステップで、トントン拍子に話は進み、最終的に5月に採用が決定しました。Sales Representativeとして入社し、2012年にはSales Manager、そして2013年から現職となりました。
パソナのサポートはいかがでしたか?
選考中、そして採用決定後にもパソナによるサポートは徹底しており、仕事内容や給与説明のほか、バンクーバーからトロントに移るコストなど生活面における細かい話までも相談に乗ってくださり、直接会社と話すのではなく、業界知識の豊富なパソナに相談することで、非常に交渉がしやすかったですし、精神的にも安心しました。私を含め、家族もようやくバンクーバーにも慣れてきた頃で、またトロントという新たな土地に移るということに対してあった多少の抵抗や不安も軽減されました。仕事のマッチングだけでなく、交渉レベルでのサポート、そして地域の説明などを行ってくださるというメリットはとても大きいと思います。
現在の職場を選んだ理由はなんですか?
今まで私はもっぱら自動車、その中でもマーケティングに携わってきましたが、現在はそういった機械関連だけでなく、食品や化学品、資源といった様々な分野に携わることができ、また、ただ販売に関わる仕事だけではなく、新しいチャンスを作るために調査をしたりなど、非常にフィールドが広く、とてもおもしろいです。弊社グループのもつ世界規模のネットワークで、業界だけでなく様々な地域と仕事ができることに魅力を感じています。それと、自動車と似ている航空事業の仕事に関わっていることも私にとって大きな魅力の一つですね。自動車の方がマーケットの変化が早いなど、異なる部分も多くありますが、同じ「機械」ということで、企画、生産、販売からアフターケアまでの流れなど根本的な中身の部分はそれほど変わりません。自分が今まで培ってきた知識を活かせますし、この会社で仕事ができるようになってよかったと思っています。
休日はどのように過ごされますか?
大のバイク好きの浅野さん
浅野さん一家
子供がいるので、休日はやはり家族で行うアクティビティが多くなりますね。カナダに来てからはキャンプに行くことも多くなりました。日本ではたまに行く程度だったキャンプでしたが、ヒューロン湖のハワイを彷彿とさせるような透き通ったエメラルド色の湖に出会って以来、家族でよく行くようになりました。夏には近くのトレイルにハイキングにも行きますし、カナダの自然を満喫しています。また、私はもともと大のオートバイ好きで、カナダでもバイクの免許を取りたいとも思っています。
これからのビジョンを教えてください。
カナダ最大の都市であり、ビジネス興業地域であるトロントで、これからもっとビジネスを増やしていきたいと思っています。そしてもう一つ、双日グループの親会社は「日商岩井株式会社」と「ニチメン株式会社」で、この二つはそれぞれ100 年以上の歴史を持つ老舗商社でしたが、2004年の統合で「双日株式会社」となってからはわずか10年しか経っておらず、この双日グループという企業ブランドの認知度を、マーケティングの観点からもっと高めたいという思いがあります。