会ってみたいカナダ人『カナダの武道家』日系文化会館の合気会道場長 ポール・ スン(孫)氏

JCCC合気会は2019年に創設50周年記念行事を開催した。日系文化会館の合気会道場長でJCCC「礎賞」を受賞されたポール・スン(孫)氏に合気道体験と履歴についてインタビューした。
生い立ちについて

父は中国系ジャマイカ人、母は中国系豪州人、兄と姉の三人兄弟で育った。子供の頃からスポーツ好きで多くの仲間たちとサッカーや、クリケット、卓球などを楽しんだ。また妻のドナとのあいだには二人の子供にめぐまれ、今はそれぞれ独立し生活をエンジョイしている。
モットーについて
カナダに移住後、技術系カレッジで勉学し電気エンジニアリング資格をとり、電気工事関係で著名なSmith & Long Limitedに創業時より技術者として入社した。電気エンジニアリング部門で数々の賞を受賞し、2010年同社を退職するまで副社長として多くの経験を積んだ。建築やインフラ業界に貢献出来たのは多くの人脈に巡りあった幸運と実感している。
趣味について
趣味のゴルフは45歳頃に仕事の社交性からゴルフに興味を持ち始め、田園風景に囲まれたホワイトベイル・ゴルフコース(Whitevale)のメンバーになり、全てのゴルファーの生涯の願望であるホールインワンを達成出来た。退職後の現在もシングルプレーヤーとして多くの仲間たちとゴルフを楽しんでいる。
日本武道との出会い
シンガポールから移住した、いとこの夫が、Sheridan Collegeで火曜、木曜に合気道を指導していたおり、その縁で合気道の稽古を始めた。その後1970年に日系文化会館で月曜、水曜に合気道クラスがあるのを知り、暫くはオークビルとトロントの両道場で週4回の合気道の稽古を続けた。その後日系文化会館の合気道部一本に絞り、JCCC合気会の創設者矢頭正典先生三段、松井潔先生二段の指導の下で、旧館の地下にあった通気性のない厳しい環境もとの道場で、仲間たちと猛稽古に励んだ。

日系文化会館合気道部の創設
当初、柔道の指導員であったピーター長谷川先生、松井潔先生、栗田尚彦氏、林耕司氏など、10人程度のクラブだった。当時のカナダ社会にとって合気道は珍しい武道であったが、1970年頃ピーター長谷川氏の尽力もあり、CBCテレビ局により合気道の稽古模様が全国ネットで放映された。その機をきっかけに次第に部員数も倍々に増加して行った。自身は体が柔らかく重心を低く保つことが出来たこともあり、合気道の指導者として多くの仲間や後輩、そして次世代指導者の育成に携われた。

合気道の稽古への心構え
合気道だけに限らずあらゆる武道の研鑽には、先ず第一に「稽古を地道に積み重ねること」「鍛錬の中から多くの可能性を見つけ出し学ぶこと」、そして指導者になるには「気」を養うことが重要である。「パートナー、自分自身、自然(引力)」と三点の調和のハーモニーを導き出す術はあらゆる「道」に通じる。即ち、合気道の稽古は日々の生活と同じく「気=内面的エネルギー」の発揮である。
人生観や指針

「継続」は全てを成功に、幸せに導く要と捉えている。過去や未来の事に気を取られないで「Day to Day」(日々是好日)がモットー。また成功の鍵は「Fair & Honest」にあり、「自然体」の姿勢が人としての正道であるとの信念を持っている。
合気道における指導者として
1970年に入門し、2001年にはオンタリオ州、JCCCの両ボランティア賞を受賞し、2017年にはカナダ合気道連盟(CAF)公認の六段に昇進し、2018年にはJCCC合気道クラブ創設来初めてのCAF公認の連邦指導員Aクラスに任命された。そして2021年JCCC最高の慈善表彰「礎賞」ISHIZUE Awardが授与された。

JCCC合気会の現状と今後
次期理事長候補である1978年入門のCamber Muir PhD指導員5段と、1999年入門のAdrian Iliescu指導主任5段を筆頭に次世代の指導者達と合気会の更なる発展を期待している。また多くの方の合気道への入門を期待している。

著者:市田 嘉彦
京都五条坂出身のビジネスコンサルタント。民芸、ラテン音楽、合気道愛好家。座右の銘『今ここで頑張らずにいつ頑張る』。京都大徳寺大仙院尾関宗園住職直伝。JAPAN TRADE INVEST(Consultant)、Former Investment Advisor at JETRO Toronto








