鮭の産卵
毎年、鮭が川に産卵に戻る9月中旬になると夫が張り切りだします。4年目の今年はPORT HOPEというキングストンの手前の小さな町に週末の朝早くから出かけて行きました。9-4時まで飲まず食わずで粘ったものの、1匹も釣れず終い。悔しがってもう一度出かけるというので、今度は私も着いて行ってきました。トロントから1時間半ほどで到着。拍子抜けするほど小さい川、GANARASKA RIVERには平日の朝9時でしたが、釣り客でにぎわっていました。鮭は産卵後は死んでしまうので、まさしく命がけで浅い川を流れに逆らって上っていきます。そこを狙うわけですから、私には残酷に感じられましたが、皆さん夢中でした。釣れた魚を持って帰る人もいますが、釣れたらすぐに離す人も多く、スポーツフィッシングという言葉がぴったりだなあと思いました。離されても、釣られた後に消耗してそのまま死んでしまう魚も多いようで、川にはあちらこちら産卵を果たしたのかどうなのかわからない大きな鮭がプカプカ浮いていました。普段はパックされた切り身魚を買うので忘れがちですが、命をいただいて食事をしているのだなあと改めて思い直しました。
さてさて、次から次へとやってきてはいとも簡単に釣り上げる人たちをうらめしく思いながら今回も粘り強く待った夫は昼下がりに8キロを超える大物を1匹釣りあげました。喜び勇んでクーラーボックスに積み込み、家路へ急ぎ、早速包丁を入れてみると、これまたびっくり!オスだと思い込んでいた魚から卵がたくさん出てきました。私も急きょ、イクラづくりをすることに。2時間以上かけて捌いていよいよ食べようかというときに、友人がPORT HOPEにはウラン精製工場があり、川も土壌も汚染がひどいことを教えてくれました。行く前に調べておくべきでしたが、政府のホームページでもこの川で取れた魚は大人でもひと月に一切れ、子供は食べないようにと書いてあります。一口食べて、泣く泣く生ごみの日にまとめて捨てました。この川の汚染だけでなく、五大湖は重金属による水質汚染が深刻で、中でもオンタリオ湖はひどいそうです。皆さんも釣った魚を食べたい場合は、事前のリサーチをお忘れなく!また、釣りのライセンスの購入、釣ってよい大きさ、種類と量も調べてから出かけてくださいね。