トロントで見果てぬ夢を追いかけるサッカープレイヤー佐久間翔太さん インタビュー | カナダのワーホリ先輩に聞く!
「すっごくたくさん練習して、クタクタになった後でも、“あー俺すっげぇサッカー好きだなぁ。”て、思う瞬間がありますね。」、澄み切ったトロントの夏空のような晴れ晴れとした笑顔で、日本人としてセミプロフェッショナルのチームにいた選手は弊社の取材に対してそう答えてくれた。
そのサッカープレイヤーの名前は、佐久間翔太さん、多くはセルビアやブルガリア系の人々で構成されるScarborough SCの中で日々自分自身と向き合い、向上した。9月初旬に日本へと帰国し、また新たにプロサッカー選手を目指すという、その原動力はなんなのか、佐久間さんにお話を伺う機会を設けた。
トロントでサッカーを始めたきっかけはなんでしょうか?
小学校2年生の時に友達に誘われて始めたことがきっかけで、大学までサッカーはしていて、高校までは真面目にプロになりたいと思っていました。でも高校生の時、Jリーグ・ユース日本代表だった同級生がいたのですが、その人ですらプロになれませんでした。
それを目の前にして、一介の高校生がプロになりたいとか夢見てはいけないのではと思い、そこで一度プロになる夢を諦めて大学に進学しました。大学でやりたいことをいろいろ探したのですが、全く見つかりませんでした。そこで、唯一高校の時に英語が好きだったこともあり、思い切って留学することに決めました。
Scarborough SCに入られたきっかけを教えてください。
2015年の9月にトロントに来たのですが、実は、その時はまったくサッカーをしようとは思っていませんでした。でもJapanese Football Club of Toronto(以下JFT)のチームに参加している内に、もう一度サッカーをやりたいと思ったことがきっかけです。
JFTにも在籍していてToronto FCでトレーナーをされている方に相談し、セミプロのリーグがあることを教えてもらい、いろいろなチームを自分で調べ、トライアルや練習試合に参加しました。そうしている所に、Scarborough SCというチームをJFTに所属されている方から紹介していただき入ることが出来ました。
Scarborough SCに所属していた時に、佐久間さんが感じる日本とカナダの違いはありますか?
最初は自分も圧倒されたのですが、海外と日本のサッカーの違いは、自分を出すか出さないか、ですね。日本は周りに合わせて動いてしまう国民性と、海外は自分を如何に出すかという違いを肌で感じました。けれど、それが自分もそうしなければいけないというきっかけになりました。
周りはセルビア系ばかりなので、チームメイトはだいたいセルビア語で話しています。コミュニケーションができない分、サッカーでアピールをして、どんどん自分を出していかないと、自分がどういう人間なのか理解してもらえませんでした。
高校生の時に一度夢を挫折されたとありましたが、その後サッカーをする上でモチベーションはどのように保たれているのでしょうか?
正直、自分のメンタルはすごく弱いです。中学の時に怪我が多く、サッカーをしない日もありましたし、辞めようってその時には思っていました。でも、怪我が治って、気づいたらサッカーをしていました。もう生活の中に基盤としてサッカーがあるような感じです。これからメンタルを強くして、海外の人にも負けないという気持ちでプレイしていきたいと思っています。
それでももちろん葛藤は生まれます。特に試合前は、自分は誰にも負けないぐらい練習をしているので、その分結果を出したいという焦りもあります。でも、それもプラスに考えてサッカーをしていきたいです。
生活の基盤にもなっているという、佐久間選手にとってサッカーとはどういうものでしょうか?
僕は自分自身を磨くためにサッカーをしています。人として真っ当に生きていく、そのために自分はサッカーをしているのだと思っています。サッカーがあるから、たくさんの人に関わることが出来ましたし、家族を含め、支えてくれる人たちにも出会え、一番大事な感謝の気持ちを忘れてはいけないということにも気づくことが出来ました。
それに、今こうしてサッカーをしている自分がとても好きなのです。自分との葛藤はありますが、毎日切磋琢磨しながらサッカーをしている感じがすごく楽しいです。サッカーをやっていなければ、今の自分にこんなに誇りを持てなかったと思います。将来、僕がプロになって、他の人たちに〝あんな風になりたい〟って思ってもらえる選手になりたいと思っています。
トロントで夢を探すTORJAの読者に一言お願いします。
まずはやりたいことをやるべきだと思います。自分はトロントに来て、プロのサッカー選手になりたいという夢にもう一度向かっている今が人生で一番楽しいです。自分を高めることがこんなに楽しいことだと実感しています。自分の楽しいと思える時間を増やして人生を楽しめるか、人それぞれやりたいことや自分を如何に鍛えるかということは違います。それが何かということをみんなにも見つけてもらえればと思います。