東日本大震災被災児童の自立支援をカナダでサポートするプロジェクト「Support Our Kids」

その活動を牽引する ジェームス松本氏の喜寿とチャコ瀬戸山氏の古希を祝うチャリティー・ガラ・ナイト

左:これまでを振り返り決意を新たにするジェームス松本氏 右:これからの人生への期待を語るチャコ瀬戸山氏


7月9日、日系文化会館にてSupport Our Kids Charity Gala Night とそのトロント実行委員長であるチャコ瀬戸山氏とジェームス松本氏の誕生日を祝う会が開かれた。Support Our Kids(SOK)とは2011年に東に本大震災被災児の自立支援と復興のリーダーづくりを目的に発足し、海外ホームステイを通した被災時の自立心育成活動を震災から10年にあたる2020年までその活動を継続していくものだ。

 今年の夏も東北からトロントへと子供たちが招待され、ホームステイやサマーキャンプ、課外学習を通して世界の文化や歴史を学んだり、人々の優しさや温もりに触れたりすることで人生を変えるような時間を過ごすことが決まっており、今回のチャリティーガラはこれからもこのプロジェクトが継続して子供たちを支援していくための重要な柱となっている。

 開会に当たって挨拶を行ったのはトロントの友好都市でもある相模原市の代理人、ボンド智恵子氏。チャコ瀬戸山氏とジェームス松本氏が相模原市友好都市親善交流アドバイザーであることを紹介し、相模原市の加山俊夫市長の手紙代読も務め、両氏の誕生日を祝い、これまでのサポートに感謝を述べると共に相模原市がこれまで東日本大震災被災地のために行ってきた活動について読み上げた。

ご家族がバースデーケーキと共に盛大に祝福


お二人は仲良くケーキ入刀

和太鼓スタジオの設置に15万ドルの寄付を発表

 続いて登壇したのは日系文化会館のゲイリー川口理事長は、日系文化会館がJCCC地震救済奨学金制度を東北地方の3大学と設立し、その制度を使って大学を出た学生の多くが医者として活躍していると紹介した。そしてSOKを通してカナダにくる子供達には同奨学金制度に応募して進学してほしいと願った。そして昨年、JCCCでは和太鼓スタジオを設置することを始めたと述べ、その防音付きの施設設置には両氏から15万ドルを寄付がされたことを明かし、これまでにも日系文化会館に対して総額50万ドルの寄付が行われてきたと説明し、その功績を称え両氏に感謝を込めた表彰を行った。

JCCCから表彰をされたジェームス松本、チャコ瀬戸山ご夫妻

「チャコ氏とジェームス氏はロータリークラブのテーマの体現者」

 国際ロータリー7070地区のガバナーを務めるメリー・ルー・ハリソン氏はロータリーでは「超我の奉仕」に加え、会長が毎年のテーマを発表し2018年は「インスピレーションの源になる」となっていると語った。そしてこれまで熱心にボランティア活動やSOKで活動してきたチャコ氏とジェームス氏を讃え、その「超我の奉仕」を垣間見る機会ができたことへ感謝を述べた。

 伊藤恭子総領事は、トロントでのバン暴走事件や西日本豪雨、東日本大震災と世界で悲劇は尽きないがそういった暗闇の中でこそ人々の本当の人間性が出て、それが一筋の光に見えるのではないだろうかと語った。そういう意味ではSOKは東日本大震災の被災児たちの心を癒し、希望を与えるためには貴重な機会となっており、カナダで自分を想ってくれる人たちに出会えるのはかけがえのない出来事だと述べ、活動をリードしてきた両氏に心からの感謝を述べ、これからも日系カナダコミュニティーで活発に活躍されることを祈念した。

「SOKの子供たちが無償の愛の大切さを気づかせてくれる」

 古希を迎えたチャコ瀬戸山氏はトロントに来てから今日までのことを振り返り、一生懸命働いてきたことや5年前に引退したこと、これからは残りの人生で本当にやりたいことを見つめ直していると言う。その一つがSOKを通じて津波で心に痛手を負った子供たちの人生のターニングポイントを作るサポートをすることだった。子供たちの来た時の顔と変えるときの顔、毎年その変化に驚かされ、無償の愛の温かさに気づかされるとした。そしてもう一つの夢がトロントを桜の名所にしたいことだと語った。チャコ氏は桜が「物言わぬ外交官」として日本の美しさや平和を100年後のトロントニアンに届けてくれるのではないか語る。そして最後にこれまでの35年間一緒に歩いてきたジェームス松本氏に感謝を述べ、スピーチを終えた。

「毎日当たり前のことに感謝する気持ちを大事にしたい」

 喜寿を迎えたジェームス松本氏も登壇し、盛大な拍手で迎えられた。ジェームス氏もこれまでのことを振り返り、カナダに来て早いもので48年、人生の半分以上をトロントで過ごしたと語った。その上で日本政府から旭日単光章、日系文化会館からは礎アワードを最年少受賞できたことはカナダに移住したからこそだと述べた。これまでの人生で大切にしてきたことは置かれた場所で力、運、時を見定め、全ての力を出し切るということだ。全ての力を出し切るという事はチャコ氏が教えてくれたとし、残りの人生は毎日当たり前のことに感謝し、最後は「チャコ、ありがとう」と言いたいと語った。

お二人には会場から盛大な拍手が送られた


 会場では「少女が初めて見せた涙」というTBSのドキュメンタリー映像が上映され、SOKを通じてトロントに滞在した熊谷海音さんの震災当時からカナダ滞在後までの姿を追っていた。想像もできないような苦しみを経験し、乗り越える海音さんの姿に思わず涙を流してしまう参加者がいる中、改めてSOKの活動の重要性を強調する 映像となった。

 ステージ上では栗山ヒデ氏、タック吉田氏、そしてジェイミー・フォックス・レペット氏による歌のパフォーマンスも行われ、Support Our Kids Charity Night Galaとチャコ氏、ジェームス氏の誕生会は温かな空気の中幕を閉じた。

 今後もSOKを通じて子供たちがつらい経験を乗り越え、いずれは日本だけでなく世界でリーダーシップを発揮していくことに期待したい。

JCCCからジェームス松本さんとチャコ瀬戸山さんに贈られた感謝状

縁か『大漁祭り』を盛り上げるお神輿のパフォーマンス

皆さんでハイチーズ!