TIFF Kids International Film Festival “RICEBALLS”
4月8日〜24日@TIFF Bell Lightbox
今月8日から開催されるTIFF Kids International Film Festivalは世界中から子供向けの映画を集めた映画祭。毎年日本映画も数本出展されており、今年は昨年トロント国際映画祭でも公開された細田守監督作「バケモノの子」を始め、短編映画「RICEBALLS」「ACHOO!」「MOON」「Konigiri-Kun A Small Rice Ball」が公開される。
今回TORJA編集部が注目したいのはオーストラリアのシドニーを拠点に俳優として活躍している宇佐美慎吾さんが監督・脚本を務めた「RICEBALLS」だ。同作品はシドニーで暮らす日本人健二と、その息子ジョシュの親子の愛と誇り、そして強さを描いた物語で、オーストラリアで俳優として活躍している宇佐美さんがビジネスマンや兵隊などのステレオタイプの役柄に縛られる日本人のイメージを変えたい、多文化社会のオーストラリアでしっかり地に足のついた日本人像を描きたい、と思ったことから生まれた作品だ。
2015年度に映画制作を支援する団体Metro Screen主催のBreaks Fundingプログラムに選ばれ、資金援助を受けて昨年9月に撮影が開始され、10月末に完成した。今回のTIFF Kids International Film Festivalでの公開が世界初となり、期間中は“DISCOVERING ME”というアイデンティティーや自分への自信などをテーマにした短編映画5作品のうちの一つとして上映される。2回の一般上映に加え、オンタリオ州の学習用トピックとして2回の特別上映も予定されている。
興味がある人は下記詳細を要チェック。
■一般上映日 @ TIFF Bell Lightbox
4月17日(日) 12:45PM /4月24日(日) 10:45AM
チケットはウェブサイト[tiff.net]または当日TIFF Bell Lightboxの窓口にて
作品あらすじ
オーストラリア人の妻を病気で亡くしたあと、無我夢中で一人息子のジョシュを育てている健二。日本に帰るべきかと迷いながら、不器用な彼はジョシュのために、来る日も来る日も思いを込めて、おにぎりを作る。妻を、そして母を亡くした二人の心の痛手を、やがてそのおにぎりが癒し、結びつけてゆく。
宇佐美慎吾さんコメント
二つの文化の狭間で育つ我が子に、なんとか母国の文化を伝えたいという親の願いや葛藤は、日本人のみならず、世界各地の多くの人々が共感するテーマだと思います。この映画は、食べ物や母国語などを通じ日本の文化に誇りを持ちながら、多文化社会のオーストラリアで暮らしていく親子の姿を描いており、このテーマは必ずカナダ在住日本人の皆さんの琴線にも触れるものであると確信しています。
私も映画祭開催中にプロモーションのためトロントを訪れる予定です。一人でも多くの方にこの作品をご覧いただき、ご意見やご感想をいただきたいと願っています。どうぞよろしくお願いします。