Festival of Festivals|トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部【第13回】

 みなさんは「Festival of Festivals」をご存知でしょうか。実はその昔、トロント国際映画祭(TIFF)はFestival of Festivalsと呼ばれていました。私が今みたいにトロントを頻繁に訪れるようになるよりも、ずっと前のことです。だから私も当時のことを知っているわけではありませんが、現在のTIFFに連綿と受け継がれていると感じるFestival of Festivalsについて、少しご紹介しようと思います。

TIFF Bell Lightbox内の1976年のFestival of Festivalsのポスター

TIFF Bell Lightbox内の1976年のFestival of Festivalsのポスター

 TIFFは、世界各国から最高の映画を集めてきてトロントの熱心な観客に向けて上映する「Festival of Festivals」として、1976年に始まりました。2010年のTIFF公式プログラムブックに掲載されている記事には、初開催の年に30か国からの127作品が上映され、3万5千人が観賞した、とあります。

 Festival of Festivalsは、開催当初から「一般の熱心な映画ファン向け」と「映画業界向け」の両機軸を持つ点で、他に類を見ない映画祭でした。また、賞レースを見すえた大作と世界各国のアート作品のいずれをも取り上げる映画祭である点でも特徴的でした。現在ではアカデミー賞の前哨戦とも言われるほどになった観客賞は、1978年から選出されています。

 Festival of Festivalsは、その後1994年に「Toronto International Film Festival」という現在の名称になりました。以前は10日間だった会期もTIFF Bell Lightboxがオープンした2010年からは11日間となり、2019年のTIFFでは80か国から300作品以上が上映されています。

TIFF Bell Lightboxに展示されている歴代の映画祭のポスター

TIFF Bell Lightboxに展示されている歴代の映画祭のポスター

 このようなFestival of Festivalsから続いてきたTIFFでは、世界中のよりすぐりの映画がそろっています。毎年1月に開催されるサンダンス映画祭から、ベルリン、カンヌ、TIFF直前に開幕するベネチアなど、世界中の名だたる映画祭で上映された話題作が、TIFFに行けばダイジェストで見られる気がするほど。Festival of Festivalsの名のとおり、TIFFはまさしく映画祭の映画祭です。

みえ

 大阪在住の映画好き。好きな監督の日本未公開作見たさに日本語字幕なしの輸入DVDを見始めたのが約20年前。さらに、未公開の最新作見たさに約10年前からトロント国際映画祭に行くようになり、映画三昧の今に至る。