ベルリン国際映画祭とトロント国際映画祭|トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部【第15回】
「Festival of Festivals」が起源のトロント国際映画祭(TIFF)では、世界中の映画祭で上映された話題作が上映されていて、そんな映画祭のひとつとしてサンダンス映画祭をご紹介した前回。このシリーズの続きで、今回はベルリン国際映画祭です。
ベルリン国際映画祭は、ドイツの首都ベルリンで毎年2月に開催される映画祭で、世界三大映画祭と呼ばれるカンヌ・ベネチア・ベルリンのうちのひとつです。大都市のベルリンで開催されることもあり、来場者数やチケット販売数が多い大規模な映画祭です。
このベルリン国際映画祭の上映作品も、TIFFでよく上映されます。最高賞の金熊賞(作品賞)や、監督賞、脚本賞などがある銀熊賞を受賞した作品は、高確率でTIFFでも上映されています。過去3年のベルリンでの主要部門受賞作のうち、TIFFで上映された作品を表にまとめてみました。特に金熊賞の受賞作は、ほぼ毎年TIFFで上映されています。
前回取り上げたサンダンス映画祭からの上映作品との違いは、Contemporary World Cinema(CWC)部門での上映が多いこと。これは、ベルリンでの話題作は非英語音声の映画が多いためと思われます。TIFFのGala PresentationsやSpecial Presentationsといった上映部門は、英語音声の映画が中心となっています。
そんなわけで、ベルリン国際映画祭の話題作も見られるTIFFは、やはり最高なわけですが、実は私、この過去3年の表に挙げた上映作をTIFFでは1本も見ていません。というのも、非英語音声の映画は、TIFFでは英語字幕で上映されるから。映画を英語字幕で見ようと思うとかなりの速読状態になるので、私にはツライんです。英語字幕へっちゃらな猛者のみなさんは、ベルリン国際映画祭の話題作をTIFFでチェックしてみてはいかがでしょうか。TIFFでは、非英語音声の上映作品のチケットは売り切れずに残っていることが多い印象があるので、狙い目ですよ。
みえ
大阪在住の映画好き。好きな監督の日本未公開作見たさに日本語字幕なしの輸入DVDを見始めたのが約20年前。さらに、未公開の最新作見たさに約10年前からトロント国際映画祭に行くようになり、映画三昧の今に至る。