カンヌ国際映画祭とトロント国際映画祭|トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部【第16回】


今月も懲りずにやります「〇〇映画祭とトロント国際映画祭」シリーズ。3月号に書いたとおり、「Festival of Festivals」として始まったトロント国際映画祭(TIFF)では、世界中の映画祭で上映された話題作が上映されます。前回までのサンダンス映画祭、ベルリン国際映画祭に引き続き、今回取り上げるのはカンヌ国際映画祭です。
カンヌ国際映画祭は、フランスのリゾート地カンヌで毎年5月に開催される映画祭で、ベネチア・ベルリンと並んで、世界三大映画祭といわれる映画祭のひとつです。
このカンヌ国際映画祭の上映作品も、やはりTIFFでよく上映されています。特に最高賞のパルムドールを受賞した作品は、ほぼ毎年TIFFでも上映されます。ここ10年では、2011年の『ツリー・オブ・ライフ』のみTIFF開催前に劇場公開されているため上映されていませんが、それ以外は毎年Special Presentations部門またはMasters部門で上映されています。

カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した作品となると、やはりTIFFでの注目度が段違いで、毎年チケット争奪戦がすごいことになります。2019年の『パラサイト 半地下の家族』、2018年の『万引き家族』、2017年の『ザ・スクエア 思いやりの聖域』ともに、大人気でチケットは完売でした。これが、実はすごいことなんです。というのも、この3本はどれも非英語音声の映画だから。TIFFでは非英語音声の映画は英語字幕で上映されるため、トロントの観客が字幕を敬遠するのか、チケットがわりと売れ残っているものです。ところが、カンヌのパルムドール受賞作となると、英語字幕での上映だろうが関係なく完売します。昨年、朝からボックスオフィスに並んだときに話をしたおじさんは、『パラサイト』のチケット争奪戦がすごくてチケットが取れない、と嘆いていました。
今年は、世界的なコロナ禍で例年5月開催のカンヌ国際映画祭の上映は実施されず、6月上旬に公式出品作品が発表されただけの異例の状況となりました。今後開催される他の映画祭において上映するといった話も上がっており、TIFFへの影響を注視したいところです。













