カナダ日本レストラン協会・ 木村重男会長 外務大臣表彰を受賞|トロント日系コミュニティニュース 10月号(2021年)
8月30日、カナダ日本レストラン協会(JRAC)の木村重男会長への令和2年度外務大臣表彰伝達式が総領事公邸で行われた。木村氏は、1973年にトロントへ移住後、40年 以上にわたり日本食レストラン事業に携わり、現在はミシサガにある銀杏レストランを営んでいる。2004年には、トロントにある日本食レストランや日本酒エージェントが中心となって組織された団体JRACを立ち上げ、カナダで和食や日本食材、日本酒などの魅力の発信や販売振興、食文化の普及に尽力されている。
当日は、佐々山総領事からトロントでの日本食レストランのパイオニアとして、長く尽力されてこられた木村会長に感謝の言葉が述べられた。
木村氏はあいさつで「この度は、カナダにおける日本食文化の発展に貢献したことで、名誉ある外務大臣表彰を受賞できたこと、大変嬉しく思います。私は、1979年に日本食レストラン「ささや」をオープンしました。当時、トロントには日本食レストランは五店舗ほどしかなく、今でこそ日本食は人気ですが、その当時は寿司が受け入れられるのかさえ誰にも分かりませんでした。また、その頃の日本料理と言えば、うどん、そば、かつ丼、天ぷらなどが主だったため、最初は店内には美しいバーカウンターもあったので、焼き鳥バーを開店しようと考えていました。ある時、友人からニューヨークで寿司ブームが起きている話を聞き、寿司レストラン「ささや」が生まれました。オープン当日は、たくさんのお客様が行列を作って来店し、店の外で2時間近く待ってくれていたのです。そのような状態が毎日続いたと思います。本当に素晴らしいビジネスでした。
今では、1000店以上もの日本食レストランがトロントにあります。私たちは、2004年にカナダ日本レストラン協会を創設し、共に協力し合うことで、日本食文化をカナダで守っていこうと考えました。現在、協会のメンバーの高齢化も進んでいます。ぜひ、日本食文化の発展に貢献したいと考える、若い世代の方に協会を引き継いで欲しいと思っています」と受賞の喜びとともに次の世代に向けてメッセージを述べた。
続いて、参加者を代表してZEN Japanese RestaurantのオーナーでJRAC理事の柏原清一氏が登壇し、「JRACは木村会長のリーダーシップによって、我々最大のイベント「和食まつり」を定期的に開催し、2018年と2019年には愛媛県の支援のもと、愛媛県産の魚料理や柑橘類のフルーツ、野菜などを提供し、イベントは大盛況となりました。
10年以上前は、日本食ビジネスは深刻な問題を抱えていました。これはカナダ政府が、「魚介類は冷凍保存で保管しなければならない」という規制を導入したためです。木村会長はこの規制に対応するために大変尽力され、日本食親善大使としてもご活躍されてきました。そして、カナダにおける日本食文化の認知と発展に貢献されました。
今では数多くの日本食レストランの人気が高まっていますが、これは、木村会長が日本食業界において新しいリーダーを育て、若い世代が日本食や日本の伝統文化に興味を持ってもらえるよう尽力してきたからに他なりません。私は、木村さんがこの先も健康で居続けること、そして業界へ助言を頂き、また若い世代への教育にも一緒携わって頂けることを期待しております」と讃えた。