アジア太平洋財団カナダ・ 第1回カナダ女性ビジネス派遣団フォローアップ会合 および伊藤総領事主催による派遣団歓迎レセプション開催|メルモが行く!
メアリー・エング 小規模ビジネス・輸出促進大臣、ヤスミン・ラタンシ連邦議会議員・加日議員連盟執行委員が出席
6月28日トロント総領事館にてアジア太平洋財団が先日行ったカナダの女性ビジネスリーダーらの日本招致ビジネスミッションに関する報告会とフォローアップ会合が開催された。当日のイベントはメアリー・ング小規模ビジネス・輸出促進大臣からの特別発表も兼ねており、派遣団の代表者がパネルディスカッションで日本での経験について意見交換をし、バンクーバー・ハリファックス・モントリオールなどの遠方からも多くの女性起業家が会場に集まった。
この派遣プロジェクトのリーダーでもあるアジア太平洋財団トロント事務所長のクリスティーン・ナカムラ氏が司会を務め、桜の季節に行われたこのプロジェクトの報告会を、領事館のさくらルームで行える喜びを語った。また、現在、カナダには100万人を超す女性起業家がおり、その海外市場への進出をサポートし、活躍を促したいと語った。
続けて、伊藤総領事の挨拶では、クリエイティブでエネルギー溢れる女性起業家たちが、ミッションを経て再度顔を合わせる機会を喜び、今後のさらなる成功を願った。
ヤスミン・ラタンシ連邦議会議員・加日議員連盟執行委員は、女性起業家たちの社会進出により、さらにカナダ国内の雇用機会の増大、経済の安定に繋がるとして、そのスタートアップまたは拡大のサポートは責務であると語った。
メアリー・エング 小規模ビジネス・輸出促進大臣は、現在カナダにある中小企業のうち、女性リーダーを抱える企業はたった16%であり、さらにそのうち11%のみが海外への進出・輸出などを行っているという事実を指摘し、カナダ女性企業の海外進出のサポートは、カナダ経済の発展に大きく役立つと強く主張した。続けて、この会合と同タイミングで日本でのG20に参加しているトルドー首相が、2025年までにこの数字を倍にする目標を掲げ、2.1ミリオンカナダドルの予算を、南オンタリオ地区並びにアジア太平洋財団へ割くことが決定したと発表すると、会場は大きな拍手に包まれた。この予算からは、厳正な審査を経て選ばれた4つの企業(Tendril Designe and Animation・Offset Market Exchange・The Funding Portal・Velour Cosmetics)は、最大10万カナダドルの投資を受けることができるという。
続くパネルディスカッションでは派遣団に参加した女性起業家とング大臣が、意見交換を行った。通常、ビジネスをまとめるのに時間がかかると言われている日本での派遣から、たった2ヶ月ほどで既に6つの契約が締結されたという素晴らしい成果と、日本の企業担当者との温かい交流、そして、その成果をもたらしたアジア太平洋財団のサポート内容などについて語った。
さらに、女性をリーダーとするビジネスの発展のため、さらに次世代の育成をするにあたり、メッセージを求められると、Awake Labs創設者でパネリストの1人であったアンドレア・パルマー氏は、上手に必要なものや助けを他人に求めることが秘訣だと述べ、誰も先回りして与えてはくれないのでまずは求めてみることだと語った。
レセプション
会合のあとは伊藤総領事公邸にてレセプションが催された。2020年東京オリンピックのポスターやビデオが掲示され、日本食や日本酒が振る舞われた。
今回の派遣団の中で、モントリオールから参加者されたSUN BRIDGE Inc.の創設者でケベック・日本・ビジネスフォーラムの理事長でもある山口晶さんは、女性ということだけではなく、日本の優れたビジネス・経済を目の当たりにして、学ぶことが多いプロジェクトであったと語ってくれた。
また、まさに女性リーダーとして活躍されているング大臣、伊藤総領事に、自身が女性リーダーとなるにあたりこれまでに影響を受けた人や、言葉があるか伺ってみたところ、ング大臣は、「父親の影響というのは大きかったと思う。子供のころ、女性だからということで何か制限を受けた記憶が一切ない。当たり前のように、やりたいことをさせてくれた。トルドー首相も同様で、対等であるのが当然だという態度で接してくださる。女性の社会進出・その成功の陰には男性のサポートもある。こういった意識が広まることが重要だ」と語ってくれた。
伊藤総領事は、「トップになってみないと見えない景色がある、と聞かされたことがある。確かに、いま総領事として、トップにしかできない仕事というのがあると感じている。トロントでは女性ではじめての総領事ということにスポットを当て、さまざま経験ができているが、それを支えてくれるのは、日々支えてくれているスタッフたちのおかげであり、組織全体を見ながら一緒に進んでいけることは素晴らしいと感じている」と述べてくれた。
今回派遣団を主導したクリスティーン・ナカムラ氏は、今回のプロジェクトを振り返り、自分が若い時は「女性」として評価されることには抵抗があったとし、今回のプロジェクトも「女性だけ」と限定することに一部疑問の声もあったとしながらも、いざ実行してみて日本では各企業の方々から、すごい人たちを連れて来てくれたと感嘆の声が集まり、全体を通してプロジェクトを誇らしく思えたそうだ。
加えて、男性が仮に20%の力で次の仕事に挑戦するとしたら、女性の場合、90%の力があっても、まだもう少し…と躊躇してしまうことがある。それを、「You are ready to do it!」と背中を押すことができればと思い、この活動に力を入れていきたいと今後についての期待を語ってくれた。
海野 芽瑠萌
グローバル人材の育成、コミュニティ貢献を理念とした留学エージェントBRAND NEW WAYのカナダ統括ディレクターとして、留学生・ワーキンホリデー・進学生の現地サポートを行う。コミュニケーションツールとしての英語の定着と、その活用を目的とした語学留学の提供を目指す。