【新連載】はじめのひとしな「はるのいちごパンナコッタ」|小さな幸せを運ぶヴィーガンレシピ
パンナコッタレシピ (4人前)
- ソイミルク / 400g
- ココナッツクリーム / 160g
- ケーンシュガー / 56g
- バニラビーンズ / 1本(またはペースト5g)
- 寒天パウダー / 1.2g
- 葛粉 / 8g
- いちごのコンポートはお好きなものを使ってください。
- ソイミルク以外の材料を全てお鍋に入れて、ハンドミキサーでブレンドする。この時に葛粉のかたまりがないことを確認する(バニラビーンズを使用している場合は、中身のバニラビーンズを取り出して、さやは後で使うようにとっておく)。
- そのお鍋を中火で、カスタードのような固さになるまで火にかける。焦げやすいので、しっかりヘラでお鍋の底からかき混ぜる。トロッとしてから、1〜2分程しっかり火にかける。
- ソイミルクを少しずつ入れて、しっかり泡立て器で混ぜる。この時ダマがないようにする(バニラビーンズのさやは、この時一緒に入れて香りをだす)。
- フツフツと泡が出てきたら、火を止める(沸騰しないように気をつけてください)。
- パンナコッタ液を漉したら、容器に注ぐ。冷蔵庫に入れて固める。
- いちごのコンポートを盛って、出来上がり!
誰もが楽しめるやさしいデザート
私が今回紹介する「パンナコッタ」は、ヴィーガンシェフとして歩みはじめた頃に生まれた思い出深いレシピの1つです。おうちで簡単に作れるうえ、食べると少し特別な気分になれる、そんなデザートです。
「ヴィーガン」と聞くと、味気なさそう、作るのが難しそう、といった印象を持たれる方も少なくないと思います。けれど実際には、身近な食材で驚くほど美味しい料理やスイーツが作れるんです。私が日々取り組んでいる活動のひとつは、そんな固定観念をやわらかくほぐしていくこと。ヴィーガン料理は決して特別な人だけのものではなく、誰でも気軽に楽しめる食文化だと伝えていきたいと思っています。
このパンナコッタも、乳製品や卵を使わずに仕上げています。ソイミルクのすっきりとした風味に、ココナッツクリームのまろやかさを重ね、仕上げに季節のいちごのコンポートを添えると、華やかさがぐっと引き立ちます。トッピングは旬な果物を使って、いろんなバリエーションが楽しめます。
思い出すのは、つちカフェで働いていた頃のこと。卵や乳製品のアレルギーがあるお子さんが、嬉しそうにケーキを頬張っていたと聞いた時、胸の奥がじんわり温かくなりました。「食べられる」ことが誰かの喜びになる。その瞬間に立ち会えるのは、料理をつくる人間として何よりの幸せだと感じました。
ヴィーガンが少しでも、たくさんの方の日常に何気なく溶け込んでいけるような、そんなきっかけを届けられたらと願っています。そのためにも私は特別な料理ではなく、日常の食卓にも並べられるようなレシピをこれからも作っていきたいと思っています。

HARU / Plant Based Chef
10年ほどトロントのヴィーガンレストランでシェフとして活動。Grasshopper、Live Organic、TSUCHIを経て、現在はフリーランスでポップアップやレシピ考案、コンサルティングを行っています。