〆の1ページ おいしい一献
第2食目 「ramen RAIJIN 担々麺」

私はラーメンが大好物だ。世界の日本食ブーム同様、トロントもここ数年の間に日本食レストランブームからラーメン人気に火がついて、今現在も多くのトロントニアンの舌を唸らせている。
ラーメンの中でもとりわけ辛い麺の代名詞である“担々麺”が一番好きだ。中華で有名なトロントではやはり四川の担々麺は食べ歩きたいところ。しかし、その多くは伝統的な四川ブランドの汁なしだ。四川担々麺は、麺の上に豚そぼろがふんだんに乗り、お椀の底には、辛い香辛料たっぷりの調味料がひかれている。自ら箸で麺とタレをかき混ぜながら、ダイレクトな辛さを楽しむのだが、その味は意外にシンプルだ。
伝統的な四川の担々麺を食べれば食べるほど、私が求めている担々麺はもっと複雑に辛さとマイルドさが絡み合うものだ。本音をいうと、伝統的な担々麺もいいが、やはり私は日本人。 日本オリジナルの担々麺の魅力である、濃厚な辛さとマイルドなまろやかさを感じさせてくれる汁あり担々麺こそ、美味だと考えが行きついた。
そうなるとトロントで味わえる店は数少ない。前置きが長くなったが、私が探し求めていた担々麺、そう、それこそがramen RAIJINの担々麺なのだ。
ramen RAIJINの担々麺は冬の人気メニューだ。常連からはよく担々麺はまだないの?と聞かれるほどらしい。さすが日本人シェフが腕を振るうラーメン店、辛いだけではなく、辛さの中に甘さと旨みをちゃんと感じ取れるような味づくりにこだわりを感じる。食通はこのあたりを楽しんでいるのだろう。
さらにトウガラシの辛さとゴマのマイルドさのマリアージュは辛いのが苦手な人でも味わえる同店ならではのオリジナリティを感じる。「辛いのはチョット苦・・・」という人でも味わえる喉越しに仕上がっていて、上品さが漂う。
“ラーメンシェフの仕事の醍醐味はスープにあり”と有名シェフが教えてくれたことがある。ramen RAIJINのスープのベースは、マイルドなゴマの香りが効いた、濃厚なトンコツスープだ。一口スープを飲み、それからスパイスと旨みの効いた肉ミソを混ぜて飲んでみる。ただ辛さが強調されているのではなく、スープの旨味から辛さ、そして甘みを感じ取れる味のストーリーが展開され、その変化をまた楽しむことができる。ほのかに酸味が漂う濃厚だけどさっぱり飲み干せる独特のスープは、きっと最後の一滴まで楽しめるだろう。
1度食べたら、2度、3度と食べたくなる、そんな担々麺がramen RAIJINで今なら味わえる。

“ramen RAIJIN”
ざっ串グループが経営する、ダウンタウン中心部のYonge St × Gerrard Stに位置する人気ラーメン店。店内は広く、ゆったりとしたスペースの中で、豊富な種類のラーメンを味わえる。3月のオススメは、同店が開発したコクのあるベジみそが特徴的な“ベジタリアンみそらーめん”だ。野菜の持つ甘みが濃厚なスープをマイルドにしてきっと冬の終わりにピッタリな一杯になるだろう。





