eTA、TRV、Visitor Recordの違い|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
日本人で、カナダに観光で入国されたことがある方なら、eTAを取得されたのではないかと思います。その一方、「TRV」、「Visitor Record」という言葉も耳にすることがあるのではないでしょうか。近年、お客様からのお問い合わせメールを読ませて頂いたり、コンサルテーションでお話させて頂いたりすると、それぞれの違いを正確に理解している方がほぼいらっしゃらないとの印象を受けています。今月号はこれらについて、分かりやすく説明します。
eTA
eTAはElectronic Travel Authorizationの略称です。これは空路にてカナダに入国される方で、「ビザ免除国」とカナダ政府に認定されている国のパスポートを保持されている方が、カナダ入国前に予め取得していなければならない渡航許可証のことを指します。「ビザ免除国」は60国以上指定されており、主にオーストラリア、イギリス、ドイツ、イタリア、日本、韓国、メキシコ、シンガポールなどが含まれています。従って、ビザ免除国と指定されている日本人は、有効なeTAを保持していなければカナダに入国することができません。
- 申請はオンラインで行います。申請料は7ドルです。
- 審査は通常数時間から数週間です。
- 稀に(過去のビザ拒否履歴など、何らかの原因で)審査に数ヶ月要するケースも見られます。
- 日本人の場合、審査はフィリピンにある、カナダ大使館が行います。
- eTAはパスポートに紐づけされています。有効期限は5年間です。
- パスポートが5年以内で失効した場合、eTAも失効します。
- パスポートの有効期限があるにも関わらず更新した場合、eTAも失効しますので取り直しが必要です。
- eTAは飛行機に搭乗する際に航空会社の社員が確認するルールとなっているため、その時点で有効なeTAを保持していない場合には搭乗を拒否されます。
- 陸路でカナダに入国する場合(例:アメリカからなど)、eTAは求められませんが既にアメリカに渡っている必要があります。
ここで注意しなければならないのは、「eTAを保持していても、カナダへの入国が保証されている訳では無い」ということです。KIOSKの機械にパスポートを通すだけで入国できるケースもあれば、CBSAやIRCCオフィサーの前へ行き、審査を受けてから入国が認められる・拒否されるケースもあります。
TRV
TRVはTemporary Resident Visaの略称です。Visitor Visaと呼ぶ人もいますが、正式にはこれは「ビザ必須国」のパスポートを保持する者が、予めカナダ国外の大使館・領事館に申請し、滞在目的や場所、期間を明白にした上で承認を得るビザとなります。これは紙のビザではなく、承認が出次第パスポート原本を大使館・領事館に提出し、TRVのステッカーを貼ってもらう、という手続きになります。御参考までに、ビザ必須国は主にアフガニスタン、中国、キューバ、エジプト、インド、イラン、イラク、ベトナム、パキスタン、ロシア、ウクライナ等が挙げられます。
観光の場合はTRVを取得できれば入国できますが、就労、就学する場合にはTRVの他にもWork PermitやStudy Permitを取得しなければなりません。またWork PermitやStudy Permitが有効であっても、TRVが失効している場合にカナダ国外に出国してしまうと、有効なTRVを取得し直すまで、カナダ行きの飛行機に搭乗することを拒否され
Visitor Record
Visitor Recordは紙のビザです。発行されるシチュエーションは次の3つです。
- 6ヶ月以上カナダに滞在する場合(例:両親のいずれかがWork PermitかStudy Permitを保持しており、帯同者として同期間カナダに滞在する場合など)に国境のCBSA、或いはIRCCオフィサーが発行します。
- 一旦eTAでカナダに入国し、その後6ヶ月以上滞在を延長したい場合には、延長申請をオンラインで行います。その審査をエドモントンにあるIRCCが行い、承認された場合には、紙のVisitor Recordが発行され、ご自宅、或いは代理人に郵送されてきます。
- カナダ国内にてRestoration申請をオンラインで行った場合、その審査をエドモントンにあるIRCCが行います。Restorationが承認された場合には、紙のVisitor Recordが発行され、ご自宅、或いは代理人に郵送されてきます。
いずれの場合にも、失効日が明白に記されていますので、その日までしかカナダには滞在することが認められていません。
まとめ
今月は3つの違いを細かく説明しました。それぞれ全く異なるものですので、ご家族・ご友人、そしてプロ(公認移民コンサルタントや弁護士)とお話される場合にはお気をつけ下さい。日本人のケースが、ビザ必須国から来られる人にも該当する訳ではないため、注意が必要です。