【MESSAGE】ジェロルド・マクグラス(JCCC館長 : Jerrold McGrath)メッセージ | JAPANESE CANADIAN CULTURAL CENTRE NEWS【PR】
カナダ日系文化会館(JCCC)は、「どうしても必要だった」から生まれました。
1941年、カナダで生まれ育った日系カナダ人を含む多くの人々が、カナダ政府によって「enemy aliens」とされました。彼らは生活の基盤を奪われ、家や仕事を失い、強制的に収容所や遠隔地の労働現場へ送られました。
JCCCは、そうした時代を生き抜いた人々を記念するため、また、ほとんど失われかけた文化を次の世代に引き継ぐため、1963年に設立されました。
当会のヘリテージ・センターには、1944年にニューデンバーの収容所で盆踊りを踊る写真が展示されています。そこには、喜びと悲しみが共にあるという、不思議な力強さがあります。また、7人部屋の掘っ立て小屋で雛祭りを祝った一世・二世家族の体験談も残っています。厳しい状況の中でも、なぜこうした伝統は続いたのでしょうか。もしかすると、それがかつての暮らしとのつながりを感じさせ、現実を生きる支えとなる、かすかな希望の糸だったからかもしれません。
もちろん、伝統は時とともに変わります。二世・三世・四世・新移住者、そして家族や友情、共通の想いでこのコミュニティーに加わった人々によって、文化は豊かに育まれてきました。その多様性こそが、私たちの強みです。しかし今、気候変動、政治の不安定化、急激な技術変化が進む時代に私たちは生きています。こうした中で、伝統がこれからも意味を持ち続けるには、何が必要なのでしょうか。
私はジェロルド・マクグラスと申します。新たにJCCCの館長に就任しました。過去15年間、芸術家として、また芸術文化団体のリーダーとして活動してきました。バンフセンターでのプログラムディレクター、UKAI Projectsの設立者としての経験があります。また、日本の愛知県では、自動車業界向けの研修トレーナーとして4年間働いていました。その経験は、今の私の仕事にも大きく影響しています。芸術にも、組織づくりにも、現代日本の文化的実践が深く根付いています。
日系カナダ人コミュニティーは一枚岩ではありません。さまざまな歴史、さまざまな背景から成り立っています。違いがあることは当然ですが、対立する必要はありません。JCCCの役割は、そうした違いを解決することではなく、それぞれの声が交わり、新しい何かが生まれる場所をつくることだと考えています。
私たちは、JCCCを「庭」のような存在として考えています。日本文化のさまざまな種が、この土地で根を張り、まだ想像もできないかたちで育っていくような場です。一世は、引き抜かれた土からも力強く咲いた最初の花です。今では、新たな種が風に乗ってやってきています。文化には、すべての種に育つ可能性があるのです。
これからどんな形が必要になるのか、私たちにもまだわかりません。しかし、今から始めることはできます。より良い問いを立て、過去にしっかりと耳を傾け、未来を生きるための種をともに植えていきましょう。
2026年以降に向けて、いくつかの具体的な計画もあります。大晦日の行事の再開、私たち独自の「ご当地名物物産展」、そして新しいプログラムやイベントの提案も歓迎します。
アイデアがあれば、ぜひ教えてください。あるいは、気軽にセンターへお越しください。一緒にコーヒーでも飲みながら話しましょう。
ご連絡は jerroldm@jccc.on.ca までどうぞ。お会いできるのを楽しみにしています。














