トロント国際映画祭チケット情報｜トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部【第45回】

いよいよ来月にはトロント国際映画祭（TIFF）が開幕します。今年は、観賞チケットの販売方法が少し変更されているので、現時点で公式発表されている今年のTIFFチケット販売予定と、昨年までとの違いについてご紹介します。

今年のTIFFは、9月7日(木)から17日(日)まで11日間開催されます。上映スケジュールは8月15日に発表予定で、各上映回のチケットは8月18日から順次販売開始です。これは、昨年までと比べて約1週間前倒しの日程。毎年、上映スケジュール発表後のチケット販売が短期間で、常にチケット販売サイトがつながりにくかったのですが、今年はサイトの混雑緩和が期待できるかもしれません。

昨年までとの一番の違いは、セット販売の前売券です。2022年7月号に書いたように、昨年までは6枚、10枚などの単位で回数券のような前売券が販売されており、購入した枚数の分だけ各上映回のチケットを選択して予約することができました。今年はこの「選択式セット前売券」がなくなり、セット販売は「話題作5作品」「ミッドナイト・マッドネス部門10作品」といったパッケージ（Curated Ticket Package）となります。つまり、観たい作品を自分で選べない「おまかせセット前売券」。上映スケジュール発表後は、昨年までのような前売券購入者向け上映回選択期間がなくなり、個別チケット販売のみになります。このとき、年会費をたくさん払うTIFF会員が先に購入できる日程が組まれるのは、昨年までと同じです。

昨年までなら、TIFF会員にならなくても選択式セット前売券を購入しておけば、個別チケット販売より前に人気作品の上映回を選ぶことが可能でした。これが今年はなくなるため、観たい上映回のチケットを確実に押さえたいなら、TIFF会員になるしかなさそうです。なお、TIFF会員向けの個別チケット販売に参加するためには、8月21日までに入会が必要です。
選択式セット前売券の廃止で、たくさんの上映を回りたい観客にとっては不便になりそうです。でも、個別チケット販売開始時から完売状態になることは減るかもしれないので、特定の作品を楽しみにしている観客には嬉しい変更になるかもしれません。

本文： みえ

　大阪在住の映画好き。好きな監督の日本未公開作見たさに日本語字幕なしの輸入DVDを見始めたのが2000年頃。さらに、未公開の最新作見たさに2009年からトロント国際映画祭に行くようになり、映画三昧の今に至る。