楓の森の歩き方 第15歩

わたしたちネイチャーガイドにとっての最高の喜びは、お客様と共に予想もしていなかったマジカルな瞬間に出会うことです。
カヌーで野生動物に出会ったり、中秋の名月に照らされた原野(ウィルダネス)でキャンプをしたり、朝靄の中から息をのむような美しい朝日が昇ってきたりと、自然の美しく神秘的な瞬間を共有し、その時々に必要な情報を、自然に寄り添うための知識としてお客様に提供することができれば、そんなに嬉しいことはありません。

昨年の秋に、日本から来られたお母様とこちらに住んでいる娘さんのお二人を、アルゴンキン州立公園へ、二日間ご案内した時のことを思い出します。
晴れ渡った秋空のもと、アルゴンキン州立公園の中を走るハイウェイ60を運転し、道の両側が燃えるような紅葉に覆われている地域へと入りました。わたしたちはハイウェイの脇へ車を止め、その息をのむような景色をゆっくりと眺めました。そして注意しながら道を渡り、紅く輝くポーテージ用のトレイルへと足を踏み入れました。そこには、ブラックベアーが大好きなブナの実(Beech nuts)を取るための爪痕のついた古いブナの大木(Beech tree)があり、風が吹くと木々から赤や橙、黄色に輝く葉がハラハラと落ちてきます。娘さんが落ちてくる葉を取ろうとしている様子は、まるで踊っているようでした。遠くに赤リスが鳴く声が聞こえていました。そのような静かで美しく神秘的な時間をわたしたちは共有していました。
紅葉に彩られる秋、アルゴンキン州立公園のハイウェイ60は、道の両側に数十キロにもわたり燃えるような紅葉が続きます。
紅葉の色合いや葉の色調の変化は、その年の気候、高度、気温や降水量などによって変化し異なってきます。
まずレッドメープル(紅楓)が紅く色づきだし、次にシュガーメープル(砂糖楓)が橙色や赤に近い色へ変わり、ポプラや白樺の葉が黄色に変わっていきます。
このような自然のパレットの彩りは美しく、わたしたちの目を楽しませてくれるだけでなく、自然の科学という好奇心をくすぐるような経過があることを知っていますか?
シュガーメープルは、冬本番の寒さがくる前に越冬の準備を始めます。夏の間、光合成をしっかりとし、糖分を作り葉に蓄えています。寒さが増すにつれ、糖分等の栄養分を根の方に貯蔵するための活動に入ります。葉に貯めた養分をできるだけ多く根の方へ運ぼうと、葉に残っている糖分を、赤色の化合物アントシアニンへ変化させることができるのです。アントシアニンは冷気や紫外線から葉を守り、より長く葉を枝に残すことができるので、より多くの糖分を根に運ぶことができるのです。
紅葉の季節は、来るべき長く厳しい冬に向けて、大自然からわたしたちへの、素晴らしく心温まる贈り物のように、わたしは思っています。
燃える紅葉の写真集
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Holly Blefgen (ホリ―・ブレフゲン)
オンタリオ・アウトドアアドベンチャーズの代表。ナチュラリスト。春から秋にかけてカヌーととトレッキング、冬はテレマークスキーでネイチャーフィールド へ。30年余りに及ぶガイド経験を持ち、オンタリオ州及び日本における文化・歴史・自然にフォーカスしたツアーを通して、クライアントとその情熱を共有す ることを愉しみにしている。
写真/アートワーク/レイアウト : 尾西 知樹 翻訳: 瀬川 貴子






