密着取材!リオデジャネイロ五輪 銅メダリスト 錦織 圭選手

毎年カナダで行われている国際テニストーナメントのマスターズ大会、Rogers Cup。世界ランキング上位選手には出場義務が課せられているため、グランドスラム同様にハイレベルな大会として知られている。隔年ごとにモントリオールとトロントで男女別に開催され、毎年会場が入れ替わる。そして8月に行われるリオデジャネイロ五輪の前哨戦となる今年は、男子大会がトロント、女子大会がモントリオールで7月25日から31日まで開催された。
錦織選手がこの大会に参加するのは予選も含めると今年で5回目。昨年の大会では、準々決勝でラファエル・ナダル選手を破り、準決勝まで駒を進めるという好成績で締めくくっていた。そして今回、現在世界ランク6位の錦織選手は、第3シードでの登場となった。
例年に比べ暑い夏となった今年は、ハードコート上でも連日30度を超え、選手たちにとって非常に過酷な状況下での試合が続いた。そんな中、錦織選手はベスト4まで順調に勝ち進み、準決勝ではグランドスラム優勝経験のある、現在世界ランク5位で第2シードのスタン・ワウリンカ選手と対決。対戦成績としては1勝3敗という状況ながら、彼の強烈なバックハンドストロークにも引けを取らず、落ち着いたプレーで順調に試合を進め、ストレート勝ち、決勝戦まで駒を進めた。
そして最終日、マスターズ大会初優勝に王手をかけた試合では、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ選手と対決。会場は満員状態で、両者への熱気あふれる声援が飛び交う。錦織選手にとってジョコビッチ選手との対戦は今回で12回目で、これまでの対戦成績は2勝9敗。しかし、第1セットは第5ゲームまでお互いサービスキープが続き、一歩も譲らない白熱した試合展開が続くも第6ゲームで流れが変わり、ジョコビッチ選手が先にブレークした流れで1セット目を先取した。続く第2セットでは、錦織選手がブレークを奪うなど、リードする場面もあり、最終的にはゲームカウント5-5までもつれ込んだものの、安定したプレーを見せるジョコビッチ選手が再び試合を立て直し、惜しくも敗れてしまった。
しかし、左脇の腹痛で4回戦を途中棄権したウィンブルドン選手権から間もない大会出場にも関わらず、決勝まで上り詰めた錦織選手。そんな錦織選手の諦めない粘り強い姿勢、そして準優勝という素晴らしい結果に、試合中も試合後も、会場全体からの大きな拍手と様々な言語での祝福の声援、そして賑やかな「錦織コール」がなかなか鳴りやまなかった。試合直後の優勝セレモニーでの錦織選手は「今日は負けてしまい残念だが、良い一週間を過ごせた。来週から開幕する五輪でも、この勢いを維持して、また良い一週間になればいいなと思います。」とコメントしていた。

また、試合後の記者会見にて錦織選手にいくつかTORJAの質問にも回答してもらった。
プレーやトレーニングを積んでいくなかで、一番大切にしていることを教えてください。
やはり基本的には「強くなりたい、ランクを上げたい」という大きな目標があります。僕は正直、練習やトレーニングが好きな方ではないのですが、強くなるためにはそれらが義務なので、もうやるしかない!という感じでやっています。なので、僕の場合はすごく楽しんでやっているというわけではないのです。(笑) でも「勝つこと」はやはり楽しいので、それが一番のモチベーションになっています。自分が強くなっていると感じられるというのが、楽しくないトレーニングを乗り越えられる理由ですね。最近はあまりないのですが、モチベーションを感じられない時もあり、そういう時はなんとか自分でモチベーションを探してトレーニングをやらないといけません。
英語のインタビューにもいつも流暢に対応しておられますが、どのように英語力を向上させていったのですか。
僕は小さい頃から張りきって英語の勉強をやっていたわけではないです。でもやはり海外の方々はとてもオープンに話してくれるので、それでなんとか助かったという感じですね。相手からどんどん話しかけてくれたので、それに応えて話し合っていたら自然と覚え始めました。僕も今のように、相手が言っていることをきちんと理解して、それに自分が言いたいことを言えるようになったのは2、3年掛かりました。
テニスでの海外留学を経験された錦織選手から同じくトロントで留学生活を送っているTORJA読者に応援メッセージをお願いします。
やはり海外に来るというのは簡単な決断ではないですし、そこで学べることもたくさんあると思います。なので、ただ単に過ごすのではなく、チャンスがあれば何にでも自分から仕掛けに行って、いろいろなことを経験してほしいなと思います。海外の人とより触れ合う、というのが大事かなと思いますね。













