地球に優しい、トロント街中ECO空間
たくさんの緑を感じられる街、トロント。
これから、もっとトロントの魅力の1つである緑を肌で感じられる季節がやってくる。Torontoは、実は中心部だと冬場の気温が-10度を下回らないので高緯度に位置する都市でありながら屋上緑化を施しやすい環境なのだ。そして、新築ビルの屋上緑化を法律で義務付けた北米で最初の市。
その中で、エコの取り組みを行っている空間をいくつかピックアップ。
Nathan Phillips Square Podium
100 Queen St. W
www.toronto.ca/city_hall_tour/nps.htm
トロントに住んでいる人なら誰もが知るCityHall。その屋上には実は屋上緑化の空間が広がっている。しかし、これは単なる屋上緑化ではなく、トロント市内の屋上緑化プロジェクトの代表例でもあり数々の賞を受賞している。
公園として人々が利用するということを念頭に設計されているので、ベンチの配置、季節ごとの草花の咲き具合など植物の変化、ライティングなど、非常に詳細にわたるシミュレーションもされており、セダム(植物)のモザイク、舗装された中庭、デッキカフェの3つがメインになっている。
Sustainable Condo in Milton
383 Main St. E, Milton
www.greenlifecondominiums.com/project.php
現在トロントに競争しているように建設されているコンドミニアム。環境に配慮されたコンドミニアムが多数計画されている。その中でもSustainable Condoは、160世帯のための電力を作り出すため、カナダでは最大の250ワット太陽ソーラーパネルを採用。 ”NET ZERO” というコンセプトのように、消費するエネルギーと同じ量のエネルギーを作り出す事を掲げている。カナダで最も環境に優しいマンションとして注目されているコンドミニアムだ。
401 Richmond
401 Richmond St. W
www.401richmond.net
Spadina AveとRichmond にSt位置する401Richmondは140以上のアーティスト、文化プロデューサー、ギャラリー、フェスティバル、ショップが入っているトロントの遺産指定された用建物だ。 ここは一般に公開されている活気あるアート·ハブで、その中でも屋上緑化や植林プロジェクトなど積極的なエコ活動が行われている。2006年の春に駐車場に約15本の木を新たに植えるという植林プロジェクトを実施した。年々問題になりつつある『都市のヒートアイランド現象』。太陽の熱を吸収しやすい駐車場、道路などの表面の一部を緑化することでこの影響を低減し、より快適な環境作りを目指した。木が育つための環境が万全でないにも関わらず、すくすくと育ってより良い環境を作り出している。
下記は実際に緑を植える前との比較の写真。
屋上緑化の取り組みも行っている。1995年からマネージャーのMike Moodyさんと植物愛好家、そして庭師によって計画が始まった。
約600㎡のデッキは様々な種類の花やブドウなど、多くは種子から栽培されてきた。また周辺の排出ガスを吸収する機能もあり、空気をきれいにする働きもある。多くのテナントにとっても、街の中のオアシスのような存在になっている。
Corus Quay
25 Dockside Dr.
www.corusent.com/home/Corporate/CorusQuay/tabid/2346/Default.aspx
ウォーターフロントに位置する8階建ての商業オフィスCourus Quay。
世界的に有名なJack Diamond of Diamond Schmitt Architectsが設計担当していて、内装もQuadrangle Architectsがデザインしている。中に入って、まず目に留まる巨大なグリーンウォール。そこでは様々な種類の植物を栽培していて、5階建て分の高さを利用した迫力。その他にもエネルギー効率の高い照明を取り入れていたり、リサイクルのカーペットを利用したり、壁の断熱材は古いジーンズを再利用したりと、とても地球に優しい建物だ。
University of Guelph-Humber
207 Humber College Blvd
www.guelphhumber.ca
ゲルフ・ハンバー大学の構内に、グリーンウォールがある。これはキャンパス内で開発された種子の技術を利用して設計、デザインされたものだ。4階建てのアトリウムに天井まで伸びているグリーンウォールは一年中グリーンを絶やさず、建物内の空気をリフレッシュし学校の空調コスト等を削減することも考えられている。
また、植物の呼吸を使用して、グリーンウォールは冬は加湿器のように、夏は空気を冷却することも考えられている。学校内の研究の一部として、環境に配慮された空間が作られるのはこれからの未来に繋がって行く一歩になるのではないか。