アカデミー賞前哨戦!TIFFの季節がやってきた!第47回トロント国際映画祭の楽しみ方 2022/9/8(木)~9/18(日)

2020年、2021年のトロント国際映画祭(TIFF)は、世界的なコロナ禍によりトロント中心部での現地上映とカナダ国内からアクセス可能なオンライン上映を併用する形で開催されました。上映本数は2019年以前に比べて大幅に減少。会期も1日短縮して10日間となり、それまでにはなかったドライブインシアターや野外劇場などの屋外上映も実施されました。
今年は、2019年以前のように数百本の上映作品が発表され、再び11日間の会期で開催されます。King Stの一部を歩行者天国にして実施するFestival Streetも、この2年間は休止されていたところが今年は復活し、いよいよコロナ前の賑わいが戻る映画祭となりそうです。
そんな今年のTIFFについて、8月中旬までに公式発表された情報をもとに、上映形態の詳細や、チケット情報、注目作品などをご紹介します。ただし、今後のトロント周辺地域の状況次第で、TIFF開幕時の状況には変更があるかもしれません。詳しくは、TIFF公式サイトで最新情報をご確認ください。TIFF公式サイト→https://www.tiff.net/
上映会場
一昨年と昨年の屋内上映は、全スクリーンいずれも200席から300席規模のTIFF Bell Lightboxを中心に、限られた会場で実施されました。今年は2019年以前と同様に屋内上映が中心の開催に戻り、TIFF Bell Lightbox、Roy Thomson Hall、Princess of Wales Theatre、Royal Alexandra Theatre、Scotiabank Theatreの各会場で上映が実施されます。2019年以前に会場になっていたElgin & Winter Garden TheatreやRyerson Theatreは会場になりませんでしたが、King StにあるRoyal Alexandra Theatreが今回新たに上映会場に加わりました。
コロナ禍の開催となった一昨年と昨年は、オンタリオ湖畔のOntario Placeにドライブインシアターや野外上映の会場が設営されましたが、今年はなくなっています。ちょうど9月9日(金)から11日(日)の週末にOntario Placeで大規模な音楽フェスRolling Loud Torontoが開催されることもあり、昨年は『DUNE/デューン 砂の惑星』のIMAX特別上映が実施されたCinesphere Theatreは、9月12日(月)以降に上映される一部作品のみの会場となっています。。
チケット料金
チケット料金も2019年以前と同様の料金体系に戻っています。ただし、年2%のインフレ率を考慮して2019年の金額から値上げされています。各上映のチケット料金は、指定席制のRoy Thomson Hall、Princess of Wales Theatre、Royal Alexandra Theatreと、自由席制のTIFF Bell Lightbox、Scotiabank Theatreに大別されます。
指定席制の会場では、通常上映のA席(Tier A)が38ドル~(カナダドル、以下すべて同様)、B席(Tier B)が27ドル~、C席(Tier C)が20ドル~です。また、プレミアム(Premium)上映はA席が80ドル~、B席が54ドル~、C席が27ドル~です。2019年以前の記憶では、Roy Thomson Hallだと1階席はだいたいA席、C席だと3階席の端のほう、という感じでした。
自由席制の会場では、通常上映の平日夜と週末の上映回は30ドル~、平日昼間の上映回の大人料金が19ドル~、平日昼間の25歳未満の料金が11ドル~です。また、プレミアム上映は56ドル~です。
自由席制の会場では、Rushチケットも復活しています。Rushチケットは、通常上映が25ドル~、プレミアム上映が45ドル~です。
Rushとは?
「そもそもRushって何?」なんて方のために、Rushのシステムをご紹介しておきます。各会場に、チケットを持っている人の列(Ticket Holder’s Line)とは別の入場待ちの列「Rush Line」があります。上映開始の直前に空席があった場合、Rush Lineの先頭の人から順に劇場窓口で当日券のRushチケットを購入して入場できるシステムが、Rushです。チケットを持っている人を入場させた後、上映開始5分前くらいの時点でTIFFのスタッフが空席を数えて入場させます。Rush Lineに並ぶ人は、文字通り入場待ちの列から座席まで走ることになります。座席に着いた頃には上映が始まっていたりしますし、Rush Lineに並んでみたけれど空席がほとんどなくて入場できず徒労に終わることもあるため、あまりお勧めはできません。ただし、観たかった上映のチケットがどうしても取れず、それでも何とかして観たい!という場合には、最後の手段でRush Lineに並んでみてもいいかもしれません。
コロナ禍の開催となった一昨年と昨年は、Rushチケットが販売されませんでした。早くからRush Lineに並んで密になり、劇場窓口でRushチケットを手渡しで購入して…なんてシステムは、感染対策を考えると許容できなかったのでしょう。
オンライン上映(デジタル上映)
一昨年に導入され、昨年まで現地上映を補完する形で実施されたオンライン上映(デジタル上映)が、今年はごく一部の作品のみで実施されるようです。各上映作品のページで、「Festival at Home (on digital TIFF Bell Lightbox)」と表示されているものがあります。上映プラットフォームのdigital TIFF Bell Lightboxで視聴可能で、カナダ国内からのアクセスに限定されています。
Festival Street
今年、3年ぶりに復活するのがFestival Streetです。TIFF開幕直後の週末の数日間、Roy Thomson HallやPrincess of Wales Theatreの前のKing Stを歩行者天国にしてストリートカーも迂回させ、イベントを実施します。2019年以前によくあったのは、TIFFのスポンサー企業が無料で軽食や飲料を配布してくれる屋台。無料なので行列ができていることも多いのですが、上映の合間にちゃんとご飯を食べるほどの時間がないとき、意外とありがたかったりします。過去のTIFFでは、ひもじい思いをしていたところにLindtのチョコをいただいて、助けられたこと数知れず。開幕直後の週末にダウンタウンにいらっしゃる方は、ぜひ一度のぞいてみてください。
レッドカーペット
今年、詳細はまだアナウンスされていないものの、今年は2019年以前のようなリアル開催が見込まれることから、レッドカーペットも以前のように設けられると考えられます。一般の映画ファンがレッドカーペットのスターからサインをもらって交流するような光景が見られるかどうかはわかりませんが、公式サイトをこまめにチェックすることをおすすめします。
チケット争奪戦
今年もやはりみなさんの一番の関心事であろうチケット販売について。これまでに発表されている情報をご紹介するとともに、昨年までの状況を踏まえて今年はこうなるのでは?という勝手な予想もご紹介します。ただし、これまでも事前予想はたびたび開幕後の実際の状況から外れてしまっているため、話半分に思っていただければ幸いです。
今年は、5月下旬から8月中旬まで先行して、現地会場での「通常上映」「プレミアム上映」をはじめとしたパッケージが、6枚、10枚、20枚といった単位で販売されていました。このパッケージ販売で先行購入した人は、8月23日に上映スケジュールが発表された後、購入した枚数分の希望上映回を選択して、各上映回のチケットに引き換えることになります。その上映回選択期間は、TIFF会員は8月28日開始、一般は8月30日開始で、9月1日に終了となっています。
上映回ごとの個別チケットは、8月25日から順次販売開始となります。例年と同様に、まずはTIFF会員向けに販売が始まり、会員ランクに応じて多額の年会費を払う会員ほど早期に購入できるしくみです。9月3日がTIFF年会員への販売開始、9月4日がメルマガ登録会員(TIFF Insiders)と25歳未満のフリーパス所持者、最後となる9月5日が非会員への販売開始、という日程です。一般で最も早く購入できるのは、9月4日のTIFF Insiders枠です。例年、8月中を目途にメールアドレスを登録しておけば、チケット発売の1、2日前にパスワードの入ったメールが届き、TIFF Insiders向けのチケット購入が可能になります。
今年は2019年以前と同様に、現地会場での上映のパッケージ販売チケットが復活しました。これには以前と同様に、一般向けの個別チケット発売前に、パッケージ購入者の上映回選択期間が設けられています。以前から、このパッケージ購入者向け上映回選択期間中に人気の上映回の座席はどんどん埋まり、個別チケットの発売日にほとんど残席がない状況になりがちでした。現地上映のパッケージ販売がなかった昨年は、上位ランクのTIFF会員から順次開始された個別チケットの発売直後、現地上映・オンライン上映ともに、プレミアム上映などの人気上映回からどんどんチケットが売り切れていきました。2019年以前と同様の状況に戻った今年、やはり人気作品のチケットはすぐに完売となりそうです。
3年ぶりに現地の賑わいを体感できる幸福
一昨年と昨年は、限られたゲストしかトロントに渡航できず、厳しい感染対策が取られる中、トロント在住の一般の観客の方々も以前のようにはTIFFを楽しめなかったのではないかと思います。
今年はいよいよ、2019年以前のような賑わいが戻ってきそうです。世界中から集まる数百本の多種多様な映画の上映にFestival Streetの実施など、3年前まではずっとトロントの街を挙げて実施してきた映画祭が、いよいよ戻ってきます。多くの人が待ち望んだ以前のようなTIFFが体感できる幸福を、ぜひとも味わってほしいと思います。












