Union Pearson Express 開通予定!!
2015年、世界とトロント・ダウンタウンがもっと身近になる!
Union Pearson Express 開通予定!!
Union Pearson Expressとは
Toronto Pearson AirportからUnion駅を直接結ぶこの新しい交通機関は、The Big Move計画の一つでMetrolinxが工事を管理している。今までTTCを乗り継いだ場合、ダウンタウンまで1時間以上かかることもあったが、この電車が開通すればわずか25分で行き来することが可能になる。
これによりトロントで1日約25万人以上の人たちが利用するUnion 駅がさらに便利になるだろう。電車は15分ごとに運行される予定で、1回に約170人近くの人が乗車できる。ルートは、Toronto Pearson Airportの第一ターミナルから出発して、GO Transitの駅でもあるWeston駅とBloor駅を経由してUnion駅へ向かう予定だ。
使用される4つの駅の詳細は?
Union駅はスカイウォークの中に建設され、TTC地下鉄やGO Transitなどの主要交通機関を利用している多くのビジネスマンにとっては外に出なくてもアクセス可能。駅構内の天井はガラスで覆われることになっており、開放感あふれる造りだ。
空港駅は第一ターミナルに建設されており、高架線でWeston駅と繋がっている。安全面を考慮しプラットフォーム側にも壁とドアが作られ線路内に人や物が落ちないように工夫されている。第三ターミナルには空港内を繋ぐPeople Mover Trainで移動が可能。
Bloor駅は2013年から工事が進められており、Bloor St WとDundas St Wの近くにあるGO Transit’s Bloor Stationに併設される予定だ。それに伴いGo Stationの改装・増築が進められておりバリアフリー、待合室など駅はより多くの人が使いやすい設計・デザインになっている。
2011年から工事が始まっているWeston駅。Lawrence Ave WとWeston Rdの近く、GO Kitchener line上に作られる。駅構内には暖房付きの待合室、トイレ、商業用スペースなどが用意され、250台分の駐車場も併設される。
全ての駅に置いてバリアフリーが施される予定で、車椅子、ベビーカー、大きな荷物を持った人でも安心してアクセスすることができる。もちろん駅へのアクセスだけではなく、電車とプラットフォームの間にもギャップができないように設計されている。
どんな車両?
今回採用された車両本体は、日本の愛知県で造られた物。日本から太平洋を渡り、パナマ運河を超え、アメリカを横断してトロントに納品された。昨年秋からGo Transitで試運転やシグナル検査などが行われている。車両は新しくデザインされたディーゼル機関車で北アメリカでは初めて採用されたエコカーである。また将来的にMetrolinxが希望している電気駆動にも対応している。電車内のサービスも充実している。Wifiサービスがあるので自由にインターネットが利用でき、ノートパソコン用の電源プラグも設備されている。日本の新幹線の様に頭上に荷物を置くことができる他、入り口付近には大きなスーツケースを置ける棚が設置されている。それぞれの席の後ろにはテーブルとポケットがあるので車内での飲食や小さな物の収納ができるようになっている。そのポケットにはトロント周辺のイベント情報、観光地案内、ホテル・レストラン案内など多くのパンフレットが用意される予定。また、モニター画面があり、そこでフライト情報や天気予報などの情報も得られるようになっている。
PRESTOも使える!
PRESTOとは、タッチ式電子マネーカードとしてGO TransitやTTCの一部の地下鉄、また他の交通機関でも幅広く使用されているカードだ。カードに十分なお金がチャージされていればチケット購入の際は並ばずに、専用端末にタッチするだけで乗車が可能だ。Union Pearson ExpressでもPRESTOを採用することになっているので、今後空港をよく利用する人はカードを先に作っておこう。また現段階では、料金設定が発表されていないのでホームページを見て最新情報を確認しよう。
環境への配慮
このUnion Pearson Expressが完成すれば、単純に空港へのアクセスに新しい選択肢が増えるだけでなく、トロントの交通量への対策にもなる。ダウンタウントロントからハイウェイなどを通じてToronto Pearson Airportへ向かう車の量は毎年500万台といわれている。しかし、この電車の開通により年間約120万台分の空港への交通量が減ると予想されている。
ただの電車ではない、次世代の交通機関を目指して
「今までトロントを初めて訪れた人たちの第一印象は失望気味だった」とMetrolinx社長のKathy Haley氏は語る。それを改善するために今回Union Pearson Expressの建設にあたり、より温かく旅行者たちを迎え入れられるように見た目や機能、サービス向上を目指し雑誌「モノクル」編集長Tyler Brule氏にデザイン、マーケティングを依頼している。その結果、完成して本格稼働後には1日で約8000人。年間で約300万人が利用すると予想されている。
トロントは都市としては比較的若く、まだまだ成長の可能性を秘めている。今回のインフラ整備に伴い多くの雇用も生み出されている。鉄道と空港、二つの大きな玄関口を繋ぐUnion Pearson Expressはトロントにとって欠かせないものとなるだろう。