世界がアートで満たされていったなら第20章
第20章 「叶えるべし夢。 Life Styleゼロから始めろRestart!」
賀正。今年もよろしくお願いします。
新年は新たな夢や希望あふれる時。New Year Resolution、みなさんの新年の抱負はいかに?
アーティストという職業は不可視のものを可視化する仕事。リサーチを重ね、試行錯誤しながら作品を創造する。頭で思い描いた事を現実化する=夢を叶えている。えー。夢を叶えられずに、もがき苦しんでいる人がアーティストなのかと(思われがち。涙)。。。いやしかし、夢を叶えるとは、上に登っていく事だけではなく、時に平凡な日常であったり、突き落とされることで夢の実現に近づくこともあるのだ!?
今回、取り上げたいのはホリエモンこと堀江貴文。彼のLife Styleは実にアーティスト的だ。
(かなり前の話だが)近鉄バファローズやフジテレビの買収案件など、周りを度外視した彼のやり方に強い反感を持った人も多いだろう。若手起業家たちの頂点にいた頃の彼は、僕も正直あまり好きではなかった。でも、彼なりに思い描いた夢を実現したという意味ではスゲーなーと思ってました。そして、マスコミを賑わせた収賄事件。まさしく「天国から地獄」を絵に描いたような話。昨年、刑期を終えて出所し、高校生時代からの夢である宇宙計画を進めているというホリエモンの新著「ゼロ」を読んで、少し彼に対する考えが変わった。「何もない自分に小さなイチを足していく。」という地味ならしくないキャッチで彼の人生観が述べられていた。ヒルズ族のゴージャスなLife Styleから一気にどん底の罪人としての監獄生活に落ちた事で悟りを得た模様。本人は落ちて良かったと思っているらしい。
Life Styleは、人格にも似ていて体に馴染み付いているから、なかなか脱却できず、Restartできない。英語でbaggageという習慣のようなものもそうだ。積み上げて来た大事な個性なんだけど、大人が新しい事を学べない一因ともなっている。子どものように真っさらから学ぶ方が効率よくクリエーティブな事もあるのだ。
昔、暴動が起きる少し前にNYのトンプキンズスクエアパークで、パンクキッズのひとりとして、他の多くのホームレスの人たちと早朝の食事の配給を楽しみにブルーシートで出来たホームレスのお家にお邪魔していた。冬場は、特に夜は凍える寒さなのだが、朝になると日が昇る時間帯にみんな少しずつ表に出てくる。そして、太陽光を浴びて「ウォーホー、幸せ~!」という顔をする。見てて涙出た。その表情は、僕の人生観が変わるくらい素晴らしいものだったのだ。
他の何でもない、今日という一日が朝日とともにやって来た。それだけでこんなに幸せになれるのか。。。恐らくそれ以降のぼくのLife Styleは以前とは全く違ったものになった。ゼロ状態での幸せはきっとシンプルなのだ。
今年という一年がやって来た。その事に感謝し、引き続き不可視を可視する仕事を続けていきたい。。。昨年結構やられてしまったあなた、今年はゼロから始めよう!
Todady’s his Work
Ottawa,
oil on canvas, 183 x 123 cm, 2008, private collection, the United Kingdom
空(から)シリーズの作品。2008年に国際交流基金トロント日本文化センターで開催された個展で発表された後にオタワの日本国大使館などに巡回展示された。
武谷大介 Daisuke Takeya
トロントを拠点に活動するアーティスト。現代社会の妥当性を検証するプロセスを通じて、その隠された二面性を作品として表現している。ペインティング、立体作品、インスタレーションなどその作品形態は多様で、国際的に多岐に渡る活動を展開。展覧会に、くうちゅう美術館、石巻線アートリンク、OuUnPo ゴジラと不死鳥、六本木アートナイト2013、福島現代美術ビエンナーレ2012、 MOCCA、 国際交流基金トロント日本文化センター、在カナダ日本国大使館、プーチコーブファンデーション、ニュイブロンシュ(2006,2007)、六本木ヒルズクラブ、森美術館、京都芸術センター、ワグナー大学ギャラリー、SVAギャラリー、ソウルオークション、在日本カナダ大使館内高円宮殿下記念ギャラリー、北九州市立美術館アネックス、セゾンアートプログラム/セゾン現代美術館、テート東京レジデンシーなどがある。
その他の活動に、大地プロジェクト共同ディレクター、遠足プロジェクトキュレーター、女川アートシーズン実行委員、明日:アーティストフォージャパン共同ディレクター、元アートバウンド大使 、元日系文化会館内現代美術館プログラミングディレクター、元にほんごアートコンテスト実行委員長、元JAVAリーダーなど、アートを媒体としたコミュニティーの活性化に取り組んでいる。 カナダでのレプレゼンテーションは、クリストファーカッツギャラリー(www.cuttsgallery.com)、 著書に「こどもの絵(一茎書房)」がある。
www.daisuketakeya.com