みんなの 朝ごはん

移民の国カナダでは民族色の強い朝ごはんを食べている人も多いはず。
ここではヘルシー志向な5人の皆さんに、何を食べているのか紹介してもらった。


Beaches Bake Shop & Café
beachesbakeshop.com
900 Kingston Road

Beaches Bake Shop & Café オーナーのAnnaさんは子供の頃、母国スウェーデンで食べていた朝食を今でも変わらず作っている。今では精白されたパンが普及しているが、当時はライ麦、エン麦、大麦、小麦を使った黒パン、全粒粉にサワードウが主流だった。スウェーデンはパン食中心で、味も形も種類が豊富。中でもAnnaさんのお気に入りはライ麦100%の穴の空いたクラッカー状のKnackebrodと同じくライ麦のサワードウ。その上に、ニシンの酢漬け、スモークサーモン、ハム、ターキー、チーズか半熟卵と、トマト、キュウリ、パプリカ等の生野菜を添えたものが定番の朝ごはんだ。Knackebrodはせんべいのような歯ごたえが特徴で、湿度の低いスウェーデンの伝統的保存食のひとつだ。どの家庭にもあるほどポピュラーなKallesキャビア(名前だけキャビアで、実際にはたらこペースト)を味にアクセントを添えるため使うこともしばしば。ライ麦パンの代わりにオートミールを食べることも。オートミールは塩で味を整える。果物は特に夏の間はブルーベリー、イチゴ、ラズベリー等旬のベリー類を中心に食べる。グラノーラを添えたヨーグルトもほぼ毎日食べる。だいたい朝食の準備には10〜15分かける。小さい頃の朝ごはんの思い出と言えば、ストックホルムの祖母の家の台所で食べた手作りのシナモンロールの味。Lingon berriesジャムをかけたオートミールを朝ごはんにしっかり食べた後にほおばったシナモンロール。口中に広がる挽きたてのカルダモンの甘い香りが忘れられない。食べた後はいつも朝から満たされた気持ちになれたのを覚えているそう。

穴あきクラッカーKnackebrod

穴あきクラッカーKnackebrod

スウェーデンの食卓に欠かせないKalles

スウェーデンの食卓に欠かせないKalles

名物のシナモンロール

名物のシナモンロール

母国で栄養学を学び、アメリカでスウェーデン領事館専任コックも務めたAnnaさん

母国で栄養学を学び、アメリカでスウェーデン領事館専任コックも務めたAnnaさん


パキスタン

パキスタン出身の両親の元、トロントで育ったAsmaさんの朝ごはんは平日はチャツネとヨーグルト、ジャムを塗ったトースト、スクランブルエッグか、キヌアのお粥やりんごとシナモンのパンプディングを作ることが多い。チャツネは手作りしたものだ。腹持ちをよくするためにスライスしたアボカドやチーズ、ゆで豆を加えたりする。時間のある週末には色んな豆を炒めタマネギに絡めて作ったカレー、ダールと小麦の全粒粉をこねて焼いたパンPrathaを作る。ご主人がベジタリアンなので、ダールは常備菜だ。ひよこ豆、Black eye beansなら圧力鍋で、皮をむいて半分に割ってあるさやいんげん豆のSplit peaなら水につけて置かなくてもすぐに調理できる。釜で焼くもっちりしたナンと違って、丸めて薄く伸ばしてから折りたたんでまた伸ばし、パイのようにパリパリに焼いたものがPratha。Prathaを焼くのも、カレーを作るのもバターから水分とタンパク質を除去して熱帯でも保存が効くようになっているギーという乳脂肪分を使う。高温で加熱しても焦げないのが特徴だ。また、クミンシードとトマトとジャガイモの炒め物、Aloo Ki Bhujiaも定番の一つだ。南アジアの料理は全般的に手間も時間もかかるが、教師をしながら4人の子供を育てた母は毎日朝からパキスタン料理を作ってくれた。昨年から幼稚園に通い始めた息子さんのためにお弁当のレパートリーを増やそうと他のお母さんたちとレシピを交換してみたものの、ほとんどが出来合いのものを使ったもので実際に作りたくなるものがほとんどなかった。手間を厭わずに料理する習慣を伝えてくれた母には感謝している。

キヌアとナッツのお粥

キヌアとナッツのお粥

Aloo ki bhujiaとPratha

Aloo ki bhujiaとPratha

マンゴーチャツネ

マンゴーチャツネ

トマトのチャツネ

トマトのチャツネ

残ったパンで作るシナモンプディング

残ったパンで作るシナモンプディング

豆カレー

豆カレー


Maha’s
226 Greenwood Ave
facebook.com/MahasFineEgyptianCuisine

約1年前に家族でレストランをオープンしたMahaさんの朝は慌ただしい。翻訳の仕事の傍ら始めたケータリングが高じて昨年オープンさせたレストランが8時開店なので、メニューにあるものを仕事の途中につまむ感じだ。スタミナをつけたい時はBasturma Scrambleにする。Basturmaはニンニクやフェヌグリークというスパイスの香りを効かせた干し牛肉だ。これにパセリと卵を絡めて炒めたものをピタパンと一緒にいただく。朝からお肉を食べたくない時はCairo Classicという、玉ねぎとトマトで甘酸っぱく煮詰めたそら豆の上にスライスしたゆで卵、Taameiaというエジプト風コロッケとフェタチーズを添えたものにする。Fooleというニンニクとクミンの効いたそら豆ペーストをパンに挟んだものもよく食べられる。どちらもカイロではどの通りの屋台でも食べられるほど朝の定番だ。人口の1割を占めるコプト正教徒は動物性食品を食べない時期が年に何回かあり、その間豆料理は貴重なタンパク源となる。気温の高いエジプトの朝は早く、学校は8時、オフィスは7〜8時に始まる。朝食をしっかり食べるのは主に週末で、忙しい朝は紅茶に甘いクッキーやケーキにミルクだけということも多いそう。その後は11〜12時頃に軽食、3:30〜4時ごろに1番ボリュームのある遅めの昼食を家族揃って取り、8〜9時頃にまた軽食というのが一般的だそう。軽食はピタパンにTaameiaや肉を挟んだサンドイッチが多い。ちなみにパンはエジプト発祥とのこと。

Mahaさんの幼少時の朝ごはんには水牛のミルクが欠かせなかった。毎晩配達される搾りたてのミルクを翌朝に加熱処理して飲んでいた。5人子供のいる共働きの両親はメイドを1人雇っていたが、料理は母の担当だった。週末に郊外に買った小さな農場へ出掛ける時は母が前の晩から鍋で豆や肉を弱火で一晩中煮込んだご馳走を作ってくれた。起きると家中がおいしい香りに包まれていてワクワクしながら支度をしたのを覚えている。農場行きの朝は煮込み料理をピタパンに挟んだサンドイッチをいつも道中の車で食べた。ちなみにMahaさんによると、トロントでエジプト料理だけを専門にしたレストランは他にないとのこと。色んなメディアでも取り上げられた評判のおふくろの味を一度試してみては?

healthy-breakfast-11

そら豆コロッケ

Cairo Classic

Cairo Classic

イスラム教徒が多いエジプトではお酒代わりのお菓子が豊富

イスラム教徒が多いエジプトではお酒代わりのお菓子が豊富

Bestruma Scramble

Bestruma Scramble

Mahaさんと娘のMonikaさん息子のMarkさん

Mahaさんと娘のMonikaさん息子のMarkさん


中国

2年前に北京から移住してきたAliceさんは激務で外食中心だった中国の生活とは打って変わって、カナダでは毎日をゆったり過ごしている。小さい娘さんと一緒に8時過ぎには就寝し、朝4時に目覚める生活。朝は起床後はちみつレモン水を飲んだ後は、読書したり、ジョギングしたり1人の時間を満喫する。6時頃に果物をたっぷり食べて、朝食の支度を始める。果物は基本的に空腹時しか食べないようにしている。野菜はブロッコリー、セロリ、きゅうり、レタス、トマト、アスパラガス、人参、ほうれん草等を茹でたり、サラダにしたり。肌寒い朝にはそばやスパゲッティのスープ麺をよく食べる。スープは鶏肉、サーロイン牛肉もしくは魚と野菜からダシが出るので、味付けは塩コショウで整えるだけ。味噌を加える時もある。麺の代わりにお米を入れて具だくさんのお粥にしてもいい。キビや餅米に干しナツメを入れたお粥、黒いワイルドライスのミルク粥もお気に入りだ。大量に作って冷凍してある餃子や肉饅を焼いたり、蒸したりして食べることもある。 また、全粒粉のパンにイクラを載せて、ヨーグルトとナッツ類という日もある。夕食は軽めに済ませるので朝にしっかり食べる。北京の人たちはご飯食べた?と挨拶代わりに声を掛け合うそう。遠く離れたトロントでも食への情熱は変わらないAliceさんだ。

黒餅米のお粥をボリュームたっぷりのおかずに添えて

黒餅米のお粥をボリュームたっぷりのおかずに添えて

中国北方では米より粉ものが好まれる

中国北方では米より粉ものが好まれる

サーロイン肉入りの麺

サーロイン肉入りの麺

ロブスターと豆腐のスープ

ロブスターと豆腐のスープ

庭園デザイナーでもあるAliceさん

庭園デザイナーでもあるAliceさん


rfrk.com

スナックと昼食を保育園や小学校へ提供するケータリング会社、Real Food for Real KidsのオーナーのLuluさんは起きかけにリンゴ酢とレモンと生姜の絞り汁を水で薄めたものを飲むのが日課だ。消化を促進すると共にデトックス効果もある。絵が趣味の彼女の朝ごはんは白いキャンバスに絵の具を塗っていくように器に少しずつ食材を足して作られる。母国のフランス式にこだわらず、食べたいと思った食材をその時のインスピレーションと時間の余裕に応じて調理する。10代でベジタリアン、20代で動物性食品を全く取らないビーガンの食生活を送った後、今は魚を食べるペスカトリアンのスタイルに落ち着いている。 フランスでは朝食に卵をたっぷり食べる習慣があり、Luluさんも朝に卵を2つ食べることも。定番は半熟の卵焼きかゆで卵、ゆで豆、スプラウト、ルッコラの葉、歯ごたえのある生野菜、ハーブ、ごまを溜まり醤油とケールやバジルのペストで和えたものだ。最近気に入っているのが、しらたき、スモークサーモン、こんにゃく、sea asparagus(厚岸草)、パプリカ、ひまわりやヘンプの種をタヒニで味付けたツルリとした食感の一品だ。また、オートミールにココナッツミルク、ひまわりとかぼちゃの種、Flax seeds、クルミ、ラズベリー、グースベリー、ブルーベリー、バニラエッセンスを混ぜたものもよく作っている。今や100人の従業員数を抱え、毎日15000食を届けるまでに規模が拡大し、超多忙なLuluさんにとって、朝食は簡単であることが最優先だ。そうは言っても食を楽しむフランスで育ち、3食をきちんと作る両親の元で育った彼女は妥協しない。幼少時に家の近くで美味しいクロワッサンが買えなかったので、母は面倒をいとわず、月に一度家族のために大量に作ってくれた。また、学生時代は放課後に祖母の家に立ち寄ってはチュニジア出身の彼女から料理を教わった。Luluさんにとって料理はクリエイティブな表現手段の一つであって、義務感にかられてするものではない。また、食材選びにもこだわっている。カナダ暮らしが15年以上経つが、マヨネーズやケチャップは買わないし、有機農法で作られた旬のものを使って自炊し、加工食品は使わない。ケータリングで提供する食事は全て当日に社内で作られ、人工添加物や保存料は一切使用していない。材料の質にもこだわり、特に卵や肉は充分なスペースの中で草を食べてゆっくり育ち、ホルモン剤や抗生剤を打たれていない地元産の家畜のものを使っている。子供たちに安全で美味しいものを食べさせたいという親の視点で作られるLuluさんのケータリングサービスは忙しい時代のニーズを反映しているのかもしれない。

シラタキを使った一品

シラタキを使った一品

Granola&Berries Bowel

Granola&Berries Bowel

半熟卵とレンズ豆のサラダ

半熟卵とレンズ豆のサラダ

無料でランチを学校へ届ける慈善事業も始めたLuluさん

無料でランチを学校へ届ける慈善事業も始めたLuluさん

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